鳴かぬなら、ジッとガマンの女の子 【18】
「何だよ、王女様だったらもうちょっとしおらしくしたらどうだい」
「お黙り、王女様とお呼び!」
そんなわたし達の姿を見て、ミアキスが益々楽しそうに笑っている。やっぱり受けるのは悪い気はしないわね。
「それで__レジェナ様」
ミアキスが親しげ、と言うか、何だか妙に実感の篭った連帯感を漂わせる笑顔を浮べながら言った。
「レジェナ様は、どうしてお兄様とお会いしたいんです?」
ええー?!
こりゃまた嬉しいような、困ったような質問を。
「それは、その……」
「ふーん__」
何て答えて良いか判らずに心地良くしどろもどろなわたしを、ミアキスがやっぱり温かく微笑みながら見詰めている。
ナニよ、アンタ。
イヤーン、判ってるでしょ、その位。
「それは、その……」
「ふーん__」
モジモジしながら身を捩るわたしを、スピノが何だか意地の悪い目つきで見詰めていた。
ナニよ、アンタ。
オラオラ、何か文句でも有るの?
「ホーント、良いのかねえ、これで」
スピノが益々軽蔑したような顔で私を眺めていた。
「なあに、ナニが言いたい訳?」
わたしの一言に、スピノは頭の後ろに手を組むと、わざとらしくクルっと背中を向けた。
「一体何考えてんだよ、王女様は」
王女様、て何よ、わざとらしいわね。
アンタの言いたい事くらい判るわよ。
「スピノ」
ミアキスが弟を叱るようにスピノを嗜めた。
「レジェナ様は女の子なのよ」
そうだそうだ、その通りだ。