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鳴かぬなら、ジッとガマンの女の子 【15】

とは言え、例外も居ないではない。


「王女様ねえ__」


そんな中に在って一人、やや毛色の違う反応を見せるのは、十三歳になるパキケファロさんの一人息子スピノだった。



「今更王家再興なんて本気で出来ると思ってんの?」


「もう、スピノったら」

少しばかり口の過ぎるスピノを、ミアキスが諌めた。


「だって今、サウロロフスは国民選抜の大統領が治めてる民主国家なんだろ?」

そうそう、そうだよ、その通り。


「だったら、今更のこのこ王女様が出て行っても国民が歓迎する訳無いと思うけどなあ」

流石に親たちの前では口を謹むものの、わたしに対してもあんまり遠慮が無い。でも、その方が良いや。最初のうちは、彼もわたしの事を王女様ってんで怖れかしこみ、(へりくだ)った素振りを見せてはいたのだが、わたしがアンマリ王女らしくない態度を見せ始めてからは態度が親しげに、と言うよりは生意気になって来ていた。


「まあね」

正直言ってわたしも彼の意見に賛成なんだし。


実は一度、カスモさんに何気に言ってみた事があるんだ。折角、国民投票による大統領が選出されてんだし、今更王室の出番て有るのかなあ、なんて。

そしたらカスモさんたら、一瞬顔色変っちゃって、わたしもビビった位。


「とんでも御座りませぬ」


ピシッと背筋を伸ばし、威儀を正して口上を述べる姿は宿屋のご亭主なんかじゃなく、紛れも無くサウロロフス王家に忠誠を誓った誇り高き将校のそれだった。

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