鳴かぬなら、ジッとガマンの女の子 【6】
「申し訳御座いません、本当に御無礼致しました」
「い、いや、あの__」
人目の届かぬ店の奥とは言え、恐縮して何度も頭を下げるミアキスを前に、私はかなり困惑しながら立ち往生と言った想いだった。
「如何に存じ上げぬ事とは言え、本物のレジェナ王女様に向かって無礼な振る舞い、謝罪の言葉すら思いつきません」
「いいのよ、気にしないで」
今まさに床にひれ伏さんとしたミアキスの手を素早く取って、流石に土下座だけは勘弁してもらったとは言え、この恐れ入りようには閉口してしまう。
そういった騒ぎを何とか乗り切ってわたしは宿屋の主人、カスモ元情報将校殿に談判を行った。とは言え、流石にお兄ちゃんを捜してくれとは中々切り出し難く、カスモさんとのお話の殆どはどうでも良いような__わたしにとっては__内容で、主君への忠誠を著す熱き想いを真剣に語っていらっしゃる将校殿には悪いんだけど、本題に移るまでの前捌きの部分は正直上の空で聞き流してしまった。
「いやいや、王女様がついにお一人で御家再興の活動を為されたと伺いました時には、なんとも頼もしい反面このプレウロ・カスモ、御身の安泰を思い、居ても立ってもおられぬ心境で御座いました」
「はあ__」
「以前お姿を拝見致しました折には、まだ王女様はご幼少のみぎり、加えて自らのご身分も知らされず、家臣たるべき礼も充分に尽くす事も出来ず、誠に申し訳御座いませぬ」
「いえいえ、そんな」
これだから気が引けたのよねえ、旧サウロロフスの遺臣てヒト達を訪ねるのは。




