旅は道連れ、世は情け無エ…… 【28】
「レジェナ様__」
わたしの目の前に、マニがいつものにやけ面を曝してまあまあと両手で宥めようとしていた。
「お気持ちはお察し申し上げますが、刃傷沙汰は__」
「く__」
歯を食い縛ったわたしは男を見下ろしながら剣を収めた。命冥加な奴め、マニに感謝しろよ。
「よくぞご辛抱なされました、レジェナ様」
うるさい、子供を宥めるみたいに言うな!
「大体事情は呑み込めました。色々有り難う御座います。今のやり取りは忘れて頂きますよ」
マニが男の首筋に掌を置くと、男はそのまま眠りに落ちた。これで男は、今自分が聞かれた事も喋った事も目が覚めるとすっかり忘れているのだろう。その方が仲間内でも平和だろうしね。またまたマニに感謝しろよ。わたしだったら少々手荒な事してでもドロを吐かせてやる所だ。どうだい、そろそろ吐く気になったかい?何、しぶてえヤローだ。吐かねエのなら手前エの体に聞いてやるぜ__て、これじゃ私の方が悪役だよ。
__以上のような経緯が有って、わたしの気分は苛立っていた訳である。
「全く、何でこの私が偽王女なのよ!」
「レジェナ様は本物なのでしょう?」
「当ったり前じゃない!」
「ならば、お気持ちを大きく持たれた方が良いですよ」
マニに言われるまでも無い、確かにこんな事で苛ついても仕方が無いのだ。
「それに、元々レジェナ様の目的は__」
そうだった。
私が旅に出た目的はお兄ちゃんを捜す事だった。まあ、それは判るんだけど__




