表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/90

旅は道連れ、世は情け無エ…… 【15】

でも。


それは何となく気が進まなかった。理由は無い。只、何となく。



「まあ、大した考えでもありませんな。レジェナ様にはレジェナ様のお考えが有って__」


黙りこくったままのわたしを心配してか、言い訳のように言葉を重ねるマニだった。


「お気を害したようでしたら、この通り」

「ううん__」


何やらだだっ子をあやすように困惑するマニを見返しながらわたしは答えた。

「ありがとう、気にしないで」

それ以上何も言う気が起こらなかった。



しかし、私も考えざるを得ない時が来たようである。そうだよね。幾ら意地張って一人でそこら中を宛ても無くうろついた所で、お兄ちゃんの行き方が判る訳じゃないモン。


でも、違うのかも。


わたしが家を出た理由、自分自身でも整理が付かないのでお兄ちゃんの事を想い続けて目的を設定してるけど、もしかしたらそれは一種の言い逃れかも知れない。私にとって、確かにお兄ちゃんは大切な人だし、それは紛れも無く恋愛感情だと思うけれど、本当の所私が一番感じている事、自分でも判らない、こんな言い方したくないけど、目を逸らしたい現実って__。


でも。


それでも構わない。

今のわたしには、お兄ちゃんが必要なんだ。いきなり王家の生き残りだ何だって、降って沸いたような浮世離れした話を聞かされて、何を信じて良いか判らず彷徨う、一人の十七歳の女の子には、愛する人が必要なんだ。傷ついて、何かにすがり付きたくて苦しんでる私には、お兄ちゃんが必要なんだよ。


そうだ、絶対そうに違いないんだ。

現実がどうあろうと、それが、紛れも無い真実なんだよ。



第一、サウロロフスって、十五年前にクーデターが起きた後もういっぺん革命が起きて、わたしの両親を殺した仇は処刑されて今では民選大統領が治める共和国になっちゃたなんだって。結構な話じゃん。国民が元首を選べるんだったらそれにこした事無いじゃん。それじゃ、今更王女様がノコノコ現われた所で国民の皆さんお呼びじゃないんじゃないの?にも拘わらず旧サウロロフスの遺臣団とか言うヒト達、懲りもせずに何頑張ってんだろ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ