幕間 今頃あいつは
嫁さん視点です!お願いします!
私の名前は、ガーベラ。私には大事な夫のウィルがいる。ちなみに二十二歳。
その夫は、勇者探しの適齢期に入ってしまったため、友人と一緒に王都へ行っている。遅いなーと思いつつも、マルスが小さいためそっちにかかりきりになっている。
そんなことを考えながら母にマルスを預け、買い物をしていると、ウィルと一緒に王都に行っているはずのジェンが一人で立っている。
「おーい。ジェーン。」
「ん?あぁ?」
「何よ。その反応。ねぇ、ウィルは?」
「あ?あぁ、あいつはまだ王都だよ。」
「はぁ?何で?」
「あいつ、勇者に選ばれたんだよ。」
「はぁ?嘘ー!?」
「嘘じゃねぇよ。」
まじ?なんで、ウィルなのよ。長期間、会えなくなるじゃん。
「んで、俺はあいつとケンカしたから先に帰ってきた。」
「はぁ?何でケンカしたの?」
「あいつさー。国王陛下がデマ流してる。本当はクズだって言うんだぜ?ありえなくねぇ?」
はぁ?付き合い長いのはウィルなんだからウィルを信じるでしょ。
何?会いもしたことのない国王を信じて、ウィルが嘘を言ってるって決めつけるの?信じらんない。
この時点で私はキレる寸前だった。
「あの国王陛下をクズって言うとか、あいつのほうがクズだったのな。」
ジェンがそういった時、私の体が無意識に動いた。ジェンの頬に平手打ちをしていた。
「いってぇー。何すんだよ!」
「ジェン、バカじゃないの。あいつが人を不幸にする嘘をついたことある?ないよね?付き合い長いんだからあいつのことを信じてやってよ。私達農民だからあいつ、王都でひとりぼっちよ。そんなの悲しいでしょ。あいつの立場になってみてよ。」
「・・・そうだな。ごめん。あいつが帰ってきた時に、謝るよ。」
ジェンは、分かってくれたようだ。良かった。小さい頃からあいつ等が仲良くしてんの見てたからケンカしてんの見たくないしね。
「うん。絶対にそうして。」
「あっ、そうだ。償いって訳じゃないけど、ウィルいなくなって男手が足りねえだろ。必要な時は、俺を呼べよ。」
「あっ、本当?ありがとー。」
そうして、ジェンと別れた。
ウィルが勇者に選ばれるなんてびっくりだわ。でも、そんなことはどうでもいいの。
無事に帰ってきてね。ウィル。
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