3,ケンカ別れ
「おっ、おう。ウィっ、ウィル。どっ、どうだった?ん?何でそんな怖い顔してんの?顔色も真っ青だし。ははぁー、旅に出ることになったんだなぁ?それで、ガーベラと離れんのが辛いんだろ。」
「そんなんじゃねぇ。」
「なーに、そんな剥きになってんだよ。」
あっ、何俺はジェンに当たってんだ。やってしまった。謝んねぇと。
「すまん。王城でちょっとな。」
「あっ、あぁ。そうそう、国王陛下お優しかったか?噂通り素晴らしい人物だったか?」
「あ?そんなもんじゃねぇよ。」
「はぁ?何でそんなことを言い出すんだ?」
「あのさ、今から俺が言うこと信じてくれるか?」
「あっ、あぁ。信じるよ。」
「じゃあ、話すよ。今日、俺が勇者に選ばれてお城行っただろ。謁見の間から出た時に聞こえて来たんだ。」
「何がだよ?」
「農民ごときが勇者になるとはな、だってよ。」
「あの、国王陛下が?まぁ、でも勇者だから仕方なくね。」
まぁ、そう思うだろうな。この言葉だけならな。
「それだけなら別にちょっともやもやして終わりだ。それだけなら、な。」
「他に何があった?」
「俺たちさ、この国の税がが他の国の税より軽いって言われてただろ?」
「あっ、あぁ。」
「他の国はこの国の半分らしい。」
「はぁっ?」
「しかもな、他の国は教育のお金必要ないらしい。」
「はぁっ?じゃあ、何で俺たちこんな払ってんの?」
「俺が知るか。ただ、分かるのは俺たちが知ってる情報は国王が流したデマだってことだ。」
頼むよ、信じてくれ。信じるよって言ってくれたよな。
「ハ、ハハ。う、嘘だよな。」
俺の顔が真っ青に染まる。ジェンは信じられなかったようだ。
「嘘じゃない。本当に本当なんだ。頼むから信じてくれ。」
「嫌だ!俺は、信じない。信じられない!」
「おっ、おい。待てっ、待てって。」
ジェンは部屋を出て行ってしまった。
「なぁ、信じるよって言ってくれたよな。信じてくれよ。」
~ジェン ケンカ後~
「ねぇ、マスター。あいつさー、まじありえなくない?」
「どうしたんですか?お客さん。」
俺は、ウィルとケンカした後酒場で飲みながら、マスターに愚痴っていた。だってよ、ありえななくねぇ?デマだとか。あの、お優しい国王陛下がだよ。ないない。
「俺の連れがさー、今代の勇者に選ばれたんだ。」
「へー。お客さん、今代の勇者様とお知り合いなんですか?今代の勇者様、農民らしいですけどそれって本当になんですか?」
「本当だよ。って、いや、そんなことどうでもいいんだよ。あいつさー、勇者に選ばれたから王城を行って国王陛下に会ったんだ。」
「ふんふん、それで?」
「それでよー、あいつ、俺たちが聞いていたこく国王陛下の人物像が間違えている。デマだって言うんだよ。」
「それは、信じられませんね。あの素晴らしい国王陛下をそんな風に言うだなんて。」
マスターから激しい憤りを感じる。それはそうだろう。俺もそうだ。
しっかし、何であいつは急にそんなことを言い出したんだろう。
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