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第八話:少年の学園生活 その変化

「今日の授業はこれで終わりです。皆さん。放課後も誇りある魔道学園の生徒として、自覚ある行動を心がけてください」


 終了の鐘と共に教室にいた生徒達はお互いに騒ぎながらその場を去っていく。

 目の前のコイツらを除いて。


「おいレスト? 聞いてんのかテメェ?」


「魔法もロクに使えないうえに人の話も聞けないとは、それでよくこの学園の生徒を名乗れますねぇ?」


「そんなポンコツでもオイラ達が仕事を与えてあげてるんだから感謝するんでゲスよ〜」


 いつものデブ、ガリ、チビの三人衆。コイツらに昨日のことを知られたらと思うとめんどくさくなること間違い無しだ。


「レスト、もう一度だけ言うぞ? 俺達は腹が減ってんだ。今すぐ購買に行って美味いもん買ってきやがれ。今すぐにな」


 どうしてこんな奴らが中級以上の魔法が使えて、俺は初級しか使えないんだ。

 たまたま最初から適正があって強い魔法が使える。たまたま貴族の家に産まれた。それだけでいつも威張り散らしやがって。


 でも、それももう終わりだ。俺はアイツの頑張る姿から勇気を貰ったんだ。


「悪いが、今日からはもうお前達の言う事を聞くつもりはない」


「なんだと? もういっぺん言ってみろ」


「もうお前達の言いなりになるのはヤメだって言ったんだよ。話が聞けないのはお前達の方なんじゃないか?」


「言わせておけば!」


 ゴウっ!


 デブが俺に殴りかかろうとした瞬間、俺達の間に突風が吹き抜けた。


「君達、ここは多くの知識を身につけるための場所。決していがみ合う場所ではありませんよ?」


「チッ、行くぞお前ら」


「はっハイ」「待って欲しいでゲスよ〜兄貴〜」


「レスト君、君のお爺様…学園長から問題を起こしてはいけないと言われているはずですが?」


「すみません、テアト先生。でも俺ももう我慢の限界で」


 この学園において、俺の唯一の理解者と言って良いのがテアト先生だ。まだ若いのに女性教師の中でもトップクラスの実力を持っていて誰に対しても優しい。多くの人から慕われる凄い先生だ。


 いつも気にかけてもらっていたからできるだけ迷惑をかけないようにとは常々思っていたけど、また迷惑かけちまったな……。


 それでもコレを機にアイツらが大人しくなればもう迷惑をかけずに済むはずだ。


「……無理も無いですね。たしかにあの子達のあなたへの所業は目に余る。しかし……」


「アイツらは名門貴族の出だから事を荒げる訳にはいかない……ですよね。わかってます。テアト先生ができる限り俺のことを助けてくれてることも」


 今もそうだ。先生が風魔法で仲裁してくれてなかったら殴り合いになっていただろう。


「……本当に、君には申し訳ないです。本来なら君の様な努力をしている生徒を守ることが私達教師の役目だというのに」


「良いんです。先生くらいですよ。そうやって俺の味方をしてくれるのは」


「……きっと学園長も、心の底ではどうにかしたいと思っているはずですよ」


「……だと良いんですけどね」


 先生はただ黙って俺を見つめている。先生も思う所はあるんだろう。

 今思えば、俺が初級魔法しか使えないせいだろうな、ジイさんが俺に愛想をつかしたような態度になってきたのは……はぁ、イコナが羨ましいぜ。


「……テアト先生、今日はもう帰って休みますね。晩飯を食べたら森で特訓しようと思うので」


「……わかりました。無理をしてはいけませんよ」


 俺はただ頷き、そのまま逃げるように寮へと向かった。


 ……イコナは約束を覚えてくれてるかな。それを確かめるためにも今日は少し早めに行って待つとしよう。

本当はもう少し細かく学園生活描写したいところもありますが、それをしてるとただでさえ遅れてる旅立ちが余計に遅れそうなので…最低限レストの状況が伝われば幸いです。

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