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全国の田中さん佐藤さん鈴木さんetcごめんなさいm(__)m

ちょっと初めのほうから編集していくことにしました。編集済みの前書きには「済」と書きますので確認お願いいたします。話の流れは変えない予定ですが……


「田中太郎さん、あなたはトラックに跳ねられて死にました」


 今、俺の目の前にいる神様っぽい人からそう告げられた俺こと田中太郎はひとまず周囲を見渡し、神様っぽい人物に視線を戻しつつ問う。


「……それで?」


 俺の問いに鳩が豆鉄砲食らったような顔で硬直する神様。

 よくよく考えなくとも鳩に豆鉄砲くらわすとかとんだヤンチャだなとか、目の前の神様の腹筋がすごい割れてるとか、こういった場合出てくるのって絶世の美女か幼女って相場が決まってるもんだと思ってたけど違うのかとそんなことを考えていた。


 そう、目の前の人物は一言で表すなら美術の教科書に出てくる石膏像に神々しさをプラスした男性だ。

 顔の作りとか髪の色とかその他色々表現はあるんだろうが、生憎俺の語彙はそこまで表現力に特化していない。


 そんな野暮なことを考えていると神様が一度咳ばらいをして


「まさに情報通りの捻くれ者のようだね。そんな田中太郎さんにはこれから異世界に渡ってもらいます」


 まあ正にテンプレの展開だな。

さて折角だしチートの一つでもぱぱっと貰って「俺tueee」でもしようかね。高校生のこのタイミングでよかったと思うことにしておこう。60過ぎて「わしゃtueee」しても面白くないしな。


 そんな思案にふけっていた時に、残念そうな声で神様から告げられる。


「すまないが田中太郎さんが考えているような世界への転移、又は転生は今回行う予定はないんだ」


 ごめんね。とギリシャ風石膏像、もとい神様がすまなそうに謝ってくる。


 そうか、俺tueeeしてみたかったんだが仕方がない。さらりと思考を読まれたのもまあご愛敬だ。


「……それで?」


 さすがに二度目のこの態度にはくるものがあったのか、さっきまでの仮面の笑顔が苦笑いに変わっていく。

 

「やはり君の捻くれた性格はファンタジー世界なんかじゃ治らないと確信したよ。剣と魔法の世界なんかに君を連れて行ったところで君は一人(・・)で行動するのだろうね」


 諦め半分更に諦め半分。めっちゃ諦められた。

右手を額に当てて、やれやれと頭を振る仕草が妙にしっくりくるのがちょっとだけイラっする。イケメン許すまじ。


「……君には剣や魔法なんかのファンタジー要素ゼロの世界に行ってもらう。これは決定事項なので悪しからず。更に言えば文明なんかは今の地球とほぼ同じだから不便もなくていいと思うしね」


 そう言って俺の後ろの方を指さして


「そこの扉をくぐればその世界に転移出来るからお好きにどうぞ。質問があるなら今のうちにね。答えられる範囲なら答えてあげるから」


 なるほど、流石に前情報なしに送るという鬼畜プレイはないらしい。

それなら聞けることは聞いておこうとしよう。


「それじゃ一つ。俺が向こうの世界に行くのは確定みたいだが、俺は何をすればいんだ? 倒す敵もいないんだろ?」


 ファンタジー世界なら魔王を倒してくれとか色々あると思うけどそんな要素ゼロの世界に俺は何を求められているのかが引っかかる。

 しかし返ってきた言葉は


「べつになにも」


 だ。

まさか本当になにもないのか? 訝しむ俺の表情を見て神様は静かに首を振る。

相手が「なにもない」と言っているのだからそうなのだろう。


 さて、もう話すことも無さそうなので新しい世界へ旅立つとしますかね。

先程教えてもらった重厚な扉へ手を掛けてチラッと後ろを振り向くと、先程とはうって変わって笑顔で手を振る神様がいた。

 なんだかんだで良い神様だったなと思いながら腕に力を入れていざ扉を開き光に包まれていく。






 



 そんな田中太郎を見つめる神様は、漸く終わったと言わんばかりに深いため息をつく。


あべこべ世界(・・・・・・)で君の人間不信もとい女性不信が治ることを祈っているよ。さて私も仕事を続けるとしようかね。それでは次の人」





 




人物の容姿に関してディスりたいわけではなく、自分では書けないのでこんなタイトルになってしまいました。

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