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絶欲モンスター  作者: ジラフ
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紅蓮の聖者。2


町人Aの証言


「あれは本当にすごかった!!。教会が燃えちまってシスターが一人逃げ遅れちまったんだ……。だけどないきなり天からなんかが降ってきてよ……そしたらな……あの御方が炎を切り裂いてシスターを抱えて出てきたんだ……俺ぁ天の使いだと思ったね。まあ、妙な格好をしちゃいるが……本当にすごい御方だよ」


町人Bの証言


「私ゃ一生のうちで神様に会うことなんて死んだ時しかないと思ってたんだがね、それが会っちまったんだよ。いやー、惚れ惚れしちまうね。あの炎の中に自分から入ってそれで娘っ子を助けて無傷で出てきちまうんだ。あれを神様じゃないって言うんなら何が神だい。信徒の一人も救わない神がいるもんですか」


町人Cの証言


「ワシは今までいろんな人間を見てきたが……あれほどまでに神に愛された存在を見たことはない……炎など物ともせず人を助け善性を人型に押し固めたかのような清廉な人物じゃよ……」


以上が町人が俺に抱いている印象である


なんか自己犠牲を厭わない聖者みたいな扱いをされている


ちやほやされるのは良いんだが……どんなにもてなされても俺は食えないし飲めないし眠れないし抱けない,むしろ誘惑がある分キツイ


「聖者様!これをお納めください」


またか…酒も肉も食えないんだよ!!


腹が余計減るだけだからやめてくれよ!!


少し軽減されたとは言っても目の前でちらつくとキツイ


「それは貴方達の糧です……私は他者の糧にこそなれ他者の糧をいただくような真似はできません。気持ちだけ受け取っておきます」

あー…食えればなあ…めちゃくちゃ美味そうな肉じゃん…


はぁ……このマスクが外れればな


「是非、うちの家に泊まっていってください。精一杯おもてなしさせていただきます!」

寝れねえんだよ……睡魔自体はあるが、いざ落ちると頭が割れる(ように痛む)


「私は主の作りたもうた自然の方が良いのです……」

フッカフカのベッドで眠りてーなぁ。常に徹夜明けの気分だぜ……


でもって一番キツイのはコレだ


「聖者様!!どちらに行かれるのですか!」


助けた娘さん。

名前はメイリアっていうらしいそいつが俺のそばを離れない


身体が焼けていたから分からなかったが、この人かなりの美人だった


薄桃色の髪と目は蠱惑的に映る、発育も上々だ


しかも、事あるごとにひっついてくる


その質量兵器(むね)を密着させるようにだ


本人曰く


「聖者様に救われた恩は一生を掛けてお返しします!!」


だそうだが


はっきり言おう


精神衛生上非常によろしくないつーか、ムラムラが止まらない


だけど体はピクリとも反応しない、ここが地獄か………!


加えてこの世界の宗教は性に寛容というか産めよ殖やせよが教義に含まれているらしい


つまり


「聖者…様…その……私にお情けを…いただけませんか?」


夜這いをする事がむしろ奨励されている(男からいくと捕まるらしい。理不尽!!)


もう一度言う


こ こ が 地 獄 か


「そんな風に自分を売るような真似をしてはいけません……私などではなく……正しきつがいを見つけなさい」

だーきーてー!!


「聖者様がいいんです!!聖者様じゃないといやなんです!」


「駄目です。この身は神に捧げた身なのです」

だーーーきーーてーーーーー!!!!


「きっと神は……私に愛の試練を御与えになっているんですね……。でも…いつか絶対に振り向かせてみせます!!」


そんなことを言いながら、朝まで俺に抱きついているんだから図太いと言うか……本気というか……


あー、精神がすり減る音が聞こえるようだ…


誘惑がない分森の方がいいなぁ


精霊どもも観光に行って帰って来ねえし


でも…メイリアを無理やり振り切る訳にもいかねえんだよなあ


なぜかって?ははっ……


お告げがあったんだよお!!


『その女性個体は【聖女】の資質があります。故に開花するまで離れることを禁じます。その個体が開花前に死亡した場合……罰があります』


文字通りの天罰が降ってくるんだよ……!


これ以上……これ以上足枷を増やされてたまるか!!


ここがどこかも実はまだ知らないし、話せるけど……文字は読めないし……


文盲なのが痛い……


精霊どもが帰ってくるまで動けないのが実態なんだよなぁ


「あっ!朝のお祈りをしてきます!!」


唯一メイリアが離れる時間だ


かと言って、離れている間に殺されても罰が怖いから結局ついていくんだけど……


「天にまします我らが神よ……日々の糧を我らの生を…ありがとうございます」


祈りの文句を聞いてるだけだと暇なので今日は一緒に祈ってみる


「تيهصهصهنسرسخسمشكىسوسنيكسكجمسىظىسكككشسخصاثاثخيخحضنسزينيخيمستسساعصخسينزيكسمطوطتيح(我が神よ…父なる貴方の偉大なる愛によって衆生は救われるでしょう。忠実なる僕のこの身で全霊の奉仕をいたします)」やっぱり謎言語に修正されるのか……わけわからん……どうしてあんな長い文句になるんだか……


「え?うそっ!?そんなことって……!!」


ん?


なんか明るいなあ


まだ太陽は真上には……きて……ない…けど……発光してる物体がいるぅ!?


UFOだな……ってそんなわけあるかあ!?













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