猫様
「決めたにゃ!」
「っ!?」
猫がでかい声出すからビックリしたじゃねえか
「お前と一緒にいれば美味い焔が食える違いないにゃ、だからお前についていくにゃ!」
「それは光栄です」
やめて下さい。面倒なんで
「じゃあちゃっちゃと契約するにゃ」
「ちょっと!こいつは私の契約者よ!この泥棒猫が!」
「ありゃ?にゃんでぼっちのクリアがここにいるんだにゃ?」
「ぼっち言うな!!今はちゃんと契約してるわよ!!」
「にゃはは〜、別に奪ったりしないにゃよ?時々焔を食べさせてくれればそれで良いにゃ」
「本当?」
「毛並みに誓って」
「……なら良いわ」
えー、もうちょっと粘れよ
毛並みに誓うってなんだよ、重いのか軽いのか分かんねえよ
「じゃあやるにゃ」
カプッ
指先を甘噛みされた
ミシッ!
甘噛みじゃねえっ!?骨が軋んでやがる!?
「これも試練ですか…!」
痛えよ!さっさとはなせ!
「これで良いにゃ」
ようやくか……きついわ
『条件の達成を確認』
今度は何だよ
※※※
炎神ツァラトゥストラの分霊ネネとの契約により条件が達成されました
咎人+が咎の火に変化します
※※※
咎の火?人じゃなくなった?
「ああっ!?」
あっつう!?
全身が焼けるように熱い
ってか
実際燃えてやがる!?
くそっ!
消えろ消えろ消えろ消えろ!!
「何をばたばたしてんのよ?」
「狂ったかにゃ?」
見えてねえのかよ!?
クソクソクソクソクソクソクソクソ!!!
あ
慣れた
わけねえだろうがあ!!
死にそうなくらいもえてるんだけどぉ!?
「もしかしてあなた今……身燈してるの?」
「なんにゃそれ?」
「ええ、神に身を捧げる為に自己を燃やす狂気の沙汰よ……いくら聖炎があるからって……そこまでして身を清めるなんて……」
ちげええええええええ!!
そんな坊さんみたいなことじゃねえええ!
いいからこれをなんとかしてくれえ!!
「んー、それならもっと楽に燃えられるようにしてやるにゃ」
まじか!?ありがてえ!!
なんでもいいから助けてくれ!!
「えーい」
ヒュボッ!!
ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
火の勢いを強くしてどうするう!!?
ってあれ?痛くない
スッゲー……火の勢いが増したら熱くねえやあ……ハハ……
第三度火傷じゃねえか!!!
でも多分これでも死なねえんだよなあ
じゃあいっか
「ありがとうございます」
結果オーライだ……良しとしてやる
「にゃははー、感謝するんなら後で美味い飯を食わせるにゃー!!」
「分かりました」
チッ、感謝の言葉で満足せえや
『補足説明 咎の火』
※※※
己以外には見えぬ炎で焼かれ続ける存在。その火で死ぬことはない。高い再生力を持つ為に痛みを失うこともない。当然他の火よりも強力な神の火である為に他の火で焼身することは不可能
※※※
罰が一個追加されただけじゃん!?
強くはなったのか!?
『戦闘力の上昇は3パーセントです』
予想はしてたさ……
「それじゃあ地上に戻るにゃ」
猫が光った!?
「うっ!?」
クソが、眩しいじゃねえか
「ここは……?」
どう見ても来た時の場所じゃないんだが……平原?
「にゃはっ!ちょっとずれたにゃ」
どこだよ……
「ここは……あれね、なんか不浄の気配がたくさんするから街が近いわ!」
どんな判断基準だよ……不浄の気配てなんだ
「にゃっ!あれを見るにゃ!」
あーん?
おおっ!あれは馬車的なサムシング
さっさと道を聞いて森に帰ろう
「すみません……お尋ねしたいのですが」
早く道を教えろ
「あんだぁ?罪人みてえな顔しやがって」
おっさんの方が犯罪者面だけどな
「まあいい、お前みたいのでも足しにはなんだろ。おい」
「「「へい!」」」
ぞろぞろと子分が出て来やがったな
これはまさか
「山賊のマーウー様に声をかけるたあ運がねえな。大人しく奴隷になるか死ぬか選びな」
うーわーマジかー俺の戦闘力皆無なんだけど……
「キヒィ!我慢できねえ!」
ほら、下っ端の動きにも反応できねえ
刺されるのかー
痛いのは嫌だなー
ザグッ
「ほらほらあ痛えだろう?」グリグリ
…………あ?
痛くねえ、全く
つーか、火傷のせいで痛覚麻痺ってんじゃん
「悔い改めなさい」
死ね
「嘘だろっ!?ぎゃあ!?」
とりあえず鎖でぶん殴って見た
ぶっとい鎖で殴ったのにたんこぶで済んでやんの
不殺だもんなー
どーっすっかなー
「あんたら私のに何してんの?」
「にゃはは……黒焦げにゃ」
後ろから底冷えのする声が聞こえたけど無視しよう
俺は悪くねえ
カッ!
山賊の子分どもは光に飲まれ
ゴォっ!!
マーウーだかいう親分は骨も残さず焼かれた
「これで足ができたわね?」
怖っ…