最後のお茶(200文字小説)
掲載日:2016/11/29
「アタシたちおしまいなの?」
彼から別れを告げられた。
「ああ。あとこの荷物だけだ。もう来ないよ」
決意は固い。
洗面台に、仲良く並んだ歯ブラシとヒゲ剃り。
アタシは涙をこらえて彼の荷物をまとめる。
「お前のお茶、うまいな」
いい香りが漂う。
お茶だけはまだ好きでいてくれるみたい。
「トウモロコシのヒゲ茶か?」
最後だから教えてあげない。アタシのささやかな抵抗。
ゆっくり焙煎して香ばしさを出した。
カマのアタシのヒゲ茶。
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