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勇者を切実なほど必要としている魔王

魔王を討つために。

一行は、つまり神官と王様と勇者は。


 当然のように馬車に乗り込み、城の外へと移動を始めた。乗っている馬車は、先ほどとデザインが異なっており、より一層豪華さを増している。勇者本人は説明を受けたわけではないが想像するに、先ほど勇者と神官が乗っていた馬車は国賓などを乗せるための馬車であり、今乗っているのは王家専用なのだろうと察しをつけた。


 ちなみに、四人の乙女は各々が軍馬にまたがり馬車の周囲の護衛に参加している。当たり前だが、四人の乗っている軍馬も相応の巨体を誇っていた。並みの軍馬であっても威圧感はあるが、彼女らの騎馬は完全に怪獣である。人間を頭から食べそうな勢いだ。それほど巨大な馬でなければ、馬が物理的にその場で潰れていただろう。


 また、馬車に乗るにしても標準体型から大きく逸脱している四人が馬車に同乗した場合、馬車がやたら狭くなるか、あるいは彼女らに合わせたがゆえにこちらが小人になった気分になって不便をするだろう。


 そうなると、より一層彼女らの普段の生活が思いやられる。日本でも長身の外国人が電車に乗るときに難儀をすると聞いたことがあるが、彼女らの生活はそれの非ではないだろう。王宮は基本的に何もかも大きいので不便はないだろうが、それ以外では足の踏み場にも困るはずだ。その自重で床も踏み抜きかねない。


 そんな、たださっき会っただけの『可哀想な四人の乙女』の境遇に同情を禁じ得ない勇者に、神官と王は語り始める。つまりは、おとぎ話と現実。その両方を語るというものだ。


 その内容は疑うに値しない。


「勇者の冒険は、それはもう壮大でした。なにせ二千年前です。そもそも人類が地図を埋め尽くしていたわけではありませんし、言語の疎通さえ困難を極めていました。それに関しても、そちらの世界でも同様だったのでは?」


「え、ええ……」


 戸惑いながらも、勇者は肯定する。確かに、人類史はつい最近まで冒険の歴史だったのだ。今の冒険といえば山を登ったり海を渡ったりだが、基本的に営利目的ではない。少なくとも、それによって国家レベルで利益が発生するわけではない。


 人工衛星が天空から大地を見下ろして、それこそ地球の裏側までリアルタイムで把握できる。そういう時代であるから、地図にせよ海図にせよ現在位置さえも、一切疑う必要性がなかった。


 だが、二千年前である。仮に、この世界の文明の水準が地球と同程度であったとしても、羅針盤さえ開発されていない可能性がある。


 大航海時代、つまりは西洋文明が他の文明を蹂躙した時代であるが……それとて命がけである。国家の存亡をかけた、現場の人間が死ぬことが前提の、無謀な挑戦が欧州諸国で行われていた。


 水は不衛生で雨任せ、未開の地に向かう故に海図も存在しない、食料の保存もままならず医療の技術も未発達。栄養不足、病気の蔓延、船上火災、転覆。救援の連絡などできるわけもない。


 未踏など存在しない地球でそんな世界は、もはや宇宙空間にしかないだろう。


「わたしの世界も、ここ百年で一気に発達しましたからね」


「ふむ……そちらの技術史にも興味があるな。もはやこの時代に冒険のロマンなどどこにも残っておらぬ故に」


 一種、寂しささえ感じられる、王の私的な一面。彼の心中は童心に帰っていた。


「勇者の冒険の舞台は、実在の場所ばかり。それはつまり若年の余にとって物語が実在性を帯びたことであり、興奮を覚えましたものよ。あの胸躍る活劇は実際にあったのかと!」


 実際にあったことなのだ、と思った若年と、実際に起きてしまった今ではだいぶ受け止め方も違うであろう。勇者自身、夢に描いていた異世界に召還されても、ちっとも興奮できない。


 身だしなみを整えることも許されないまま、予告なく他国の主要機関で主要人物と会見し、ヒロインの登場かと思ったら護衛モンスターが現れた。これで、よく知る異世界召還ものに共感しろという方が無理だ。


 よく考えてみれば、納得できることばかりだった。


 そう、王様とは基本的に偉いのである。もちろん、暗君や暴君もいるのであろう。ものすごく無能で、一切尊敬できるところのない王だっているのであろう。だが、今回自分の目の前にいるような、国家の顔としての重圧をこなす為政者だって、いても不思議ではない。むしろ、なるほど、王であると納得するほどだ。


「だが……時の流れとは残酷なものだ。勇者の武具の封じられたダンジョンはとっくに整備され、観光地になり……勇者の武具は博物館の展示物になりさがる始末。勇者を魔王の城へ誘うための、空を飛ぶ月の船の材料となる知恵ある人語を介する獣も、とうに乱獲され絶滅していたと」


「絶滅?!」


 驚愕して、思わず声を上げた勇者。無理もないだろう、ダンジョンが観光地になるのは分かる。勇者の武具が博物館にあるのもわかる。どっちも、地球の水準で考えれば当たり前のことだ。


 もっと言えば、別にどっちも自分の仕事に影響を及ぼさない。むしろ、仕事が減ってありがたいぐらいだ。


 攻略本があるわけでも攻略サイトがあるわけでもない、穴に落ちてもダメージを受けるだけというわけでもない。この現実で、実際にモンスターと戦いながら勇者の武具を探すなど、命がいくつあっても足りないだろう。


 まあ、だからこそ勇者は高く評価されるのであろうが、実際にやるのはごめんである。


 だが、月の船の材料になるという獣が絶滅しているとなると、話は全然変わってくる。材料が保管されているならば、あるいは船そのものが現存しているのならばともかく、材料がなければ船は作れない。作れなければ魔王の城に着くこともできないはずだ。


 だが、実際には魔王は捕まっている。どういうことだろうか。


「骨を文字通り竜骨とする天空山脈のグレータードラゴン、翼を帆とするロックバード、四肢をオールとするエンシェントタートル、角をラムとするジェノサイドレックス、樹木故に船体となるユグドラシル、浮袋が浮力となるビッグクラーケン、羅針盤となり魔王の城を示すダークネスサーペント……いずれも、有用性ゆえに我が国が成立する以前に乱獲されております。先代の勇者は彼らに力を示し認められ、墓場の骨や生え変わった翼などを得ていたのですが、人間の強欲さとは嘆かわしいものです」


 恥じ入りながらも神官が説明をしてくれている。ゲームであれば、中盤から終盤への境目で起きそうなイベントである。古典的な展開だが、演出次第では面白いイベントになっていたかもしれない。


 まあ、実際にやるとなったらつらいだろうが。少なくとも今の勇者は、その知恵ある獣とやらに認められるだけの器量があるとは思えないし、認められるだけの器量に成長するほどの試練を潜り抜けたいとも思えない。


 だが、若年のころの王と同じ心境だった。まったく架空の生き物、というわけではなくつい最近まで、それこそ人類史から見れば正確な記録が残っているころまで生きていたのだ。それも、人類に乱獲されて滅びたなど、興覚めも甚だしい。


 物語で現れたであろう、勇者に試練を課す壮大な獣の描写。それは、現代の人類からすれば資源でしかないのだとしたら、陳腐化も著しいとしか言えなかった。


「だが、なんの問題にもならない。先ほども言った通り、貴殿に願うのはあくまでも魔王を討つことのみ」


 王は笑いながら不安をぬぐってくれる。いや、物騒な話ばかりなので不安というか怖いだけなのだが。


 とはいえ、絶滅している獣を再生させるところから話が始まったとしたら、もう勇者の出番はない。それは蘇生魔法の使い手か、あるいは専門の科学者ないし生物学者の領分である。


「我ら人類は既に己の技術によって、天空を支配しておる。かつての月の船がいか程の物かは実際にはわからぬが、それでも空中戦艦などの機動兵器は以前より多数存在し、いまだに技術革新を繰り返し魔王の城の高度にもたやすく届く。また、魔王の城を示す羅針盤はなかったものの、探知魔法の発展により居城が滅びの地とされる、断崖に囲まれた不毛の砂漠地帯にあるとわかった」


 既存の兵器の発展以上に代替技術の新発明こそ、文明の発展の証左である。かつて存在せず、神話に縋るしかなかった飛行船も、技術の発展によってありふれた兵器の一種に成り下がった。


 考えてみれば、さほどおかしい話でもない。魔王の城が異次元空間やら宇宙の彼方にあるのならばいざ知らず、空に浮かんでいるだけならば地球人類でも到達は可能である。


 この世界の人類の魔法文明の発展が、全ての問題が解決したわけではない。だが、それでも解決できたことは少なからずあったようだ。


「しかし、いざ攻撃をしようにも結界によって接近さえも阻まれました。本来の勇者であれば、月の船のラム……他の船を攻撃する際に用いる船の先端に取り付けられている部位で結界を砕くのでしょう。ですが、我らの船にはその機能がない。故に、一度引き上げることとなりました」


「だが、結界の解析は完了していた。確かに強力な結界ではあったが、突破不可能というわけでもない。余が命じるまでもなく、国営の研究所がその結界を中和する結界塗料を発明。それによる加工を施した大陸弾道遠距離攻撃魔法によって、魔王の空に浮かんだ城砦を攻撃。破壊し撃墜に成功した次第だ」


「大陸弾道って……そんなものもあるんですか?」


「ふむ……その反応からすると、貴殿の世界にもその概念はあるようだな。実用化もしておるのかな?」


「まあ、あるにはあるけれども、早々は使わないと言いますか」


「であろうな、あの手のものは抑止力として存在するべきであり、容易に使うなどあり得ぬことだ」


 地球という星にあって、人類がもっとも繁栄した理由。それは武器という間合いの利合いだ。


 武器という道具の利点はいろいろある。単純に、素手で殴るよりも威力がある、切りつけるなどの素手では不可能な攻撃手段がある、などなど枚挙にいとまがない。しかし、その最たるものは遠くから攻撃できるという点に尽きる。


 仮に、どれほど強力であったとしても、どれほどの殺傷能力があったとしても、噛まなければ使えない武器があったとしたら、あったとしても誰も使わないだろう。


 弓矢や投げ槍など、危険を冒すことなく接近し打倒できるならば、安全な場所から攻撃できるのであればそれが一番効率的だ。


 それはこの世界でも一緒だったらしい。どの程度の火力があるのか、魔王の結界や城壁の防御力を知らない勇者には、その大陸弾道攻撃魔法とやらがどの程度の物か想像できない。大量破壊兵器にさえ相当するのかもしれないし、それを上回るのかもしれない。


 だが、それは無意味な想像だった。なにせ、この勇者はもはや魔王の城に赴く必要はないのだから。


 魔王の城自体、もはやないのだから。


「当時、我らは喝采を上げた。魔王など原始人さえ滅ぼせなかった、化石程度の存在だとな」


 魔王がどこにいるかわかりさえすれば、実際には城に入る必要さえない。内部の面倒な罠を解除したりモンスターを倒す必要さえない。城そのものを、遠距離から攻撃して破壊してしまえばいい。


 魔王もさぞや驚いたことだろう。月の船ではなく普通に飛ぶ船が現れたと思ったが、結界を破れずにすごすごと帰っていった。所詮は浅知恵だと笑ったのであろう。だがしばらくたってから、何の前置きもなくいきなり城が吹き飛ばされたのだから。


「しかし、魔王と四将軍は生きていた。いや、再生したというべきか」


 忌々し気に、王は眉間にしわを寄せていた。


 無理もない話である。確かに人類はモンスターを武力的な意味では上回ったのであろう。だが、脅威が突如として現れたという点では、それを排除しなければならないという点では、二千年前と真面目さは変わっていないはずだ。


 であれば、魔王が死んでいないこと、その配下である四将軍が滅びていないこと。つまりはモンスターの発生は止まっていないことが明らかになれば、問題は一向に解決していないことを意味していた。


 いや、むしろ悪化していたのかもしれない。もっと言えば、現実を受け止めることになったのであろう。魔王を討てるのは異世界から召還された勇者だけだという現実を。


「編成された精鋭が、再生を始めていた魔王と四将軍を拘束し、研究所に持ち帰った。つまりは、今向かっているところであるのだが……」


 それまで、一定のペースを保っていた馬車が止まった。まさか、王族の乗っている馬車が信号機で止まるわけもない。襲撃者が現れたというわけでもないだろう。あんな屈強な益荒男や、他の精強な近衛兵に守られた馬車を襲撃するなどあり得ない。


 つまりは、研究所に到着したことを意味していた。


 馬車を降りると、そこは先ほどまでとは一風変わった趣の建物だった。


 城にせよ神殿にせよ、異国情緒ないし古風な西洋の雰囲気をもっていた。だが、今到着した建物は、全面が鏡張りだった。正しく言えば、金属製の鏡が建物を覆っていた。その外観の目的が機能的なものだとしたら鏡というのも不適切なのかもしれない。だが、その建物は近代的、閉鎖的、排他的なイメージを持っている。


 当然といえば当然かもしれない。研究対象に余計な影響を与えないために、外部からの干渉は遮断されてしかるべきである。


「お待ちしておりました、陛下。準備は整っております」


 おそらく、研究所の重役であろう。深く礼をして王の一行を迎えたのは、神官や王よりも若い、それでも五十歳ほどであろうしわの有る白髪交じりの女性だった。


 当然だが神官よりも地位は低いらしく、王への礼は神官のそれよりも深かった。


「うむ、では案内を頼むぞ」


「承りました」


 研究所の入り口は、自動ドアでも引き戸でもなかった。一種のエアカーテンであろう、黒い煙のようなモヤが入り口を覆っていた。


 そこへ入っていった研究所職員には少し驚くが、王や神官もそこに入るように促したので、続くことにした。


 ふと後ろを振り向くと、四人の乙女は入り口前で仁王立ちしていた。おそらく、研究所の天井よりも背が高いとか、あるいは計器を壊すとかそんな理由であろう。


 申し訳ないと思いつつも、ここにいても仕方がないので、モヤに入る。思ったよりも粘度が高いのか、抵抗は大きかったがそれでもすんなり入ることができた。


「先ほどの続きだが……我らはとらえた魔王を滅ぼしきるか、あるいは封じるか。最低でもモンスターの発生を防げぬか、試行錯誤を繰り返した」


 一番良い結果が、魔王を完全に滅ぼして復活の心配をせずに済む状況であろう。二千年後にこの国家が存続しているか、この星にとどまっているか、あるいは人類そのものが滅亡しているかもわからない。しかし、あえて過去に課題を残す意味もない。この時代で魔王を討てるのであれば、それが最善に違いない。


 次いで、封じるという結果。二千年前の勇者同様に、魔王を封じてしまえば今まで同様の生活が今後二千年続くことになる。この世界の人類が不老不死の技術を開発していない限り、二千年後というものはほとんど永遠に等しい。


 それができずとも、モンスターの発生を封じることができるのであれば、封印したも同然である。中長期的に費用が発生するとしても、それができるのであれば、もうしているはずだ。それができていないということは、勇者にはもう察しがついている。


「異世界からいらっしゃった勇者殿には申し訳なく存じます。ですが、我らの現在の技術ではなぜ魔王が滅びないのか、なぜ魔王が四将軍を生み出せるのか、なぜ四将軍がモンスターを生み出せるのか。その理由を計測することさえできなかったのです」


 研究所の職員が、前を歩きながら申し訳なさそうに語る。国家の責任者である王以上に、現場で解析を任された彼女は無力さを痛感していたのであろう。


「勇者の武具も、博物館から移送し研究しました。魔王を討つべく、試行錯誤を繰り返しました。しかし、結果は現代技術の敗北という苦い結果です。それ故に勇者様にゆだねることになり、申し訳なく思います」


 廊下に整列している、武装していた警備兵。おそらく、近衛兵よりも選ばれる基準が低いのであろうが、それでも精強そうな武装と肉体をしていた。そんな彼らは、やや装飾の少ない服装をしている。


 そして、そんな警備兵が多く並んでいる場所こそ、研究所の中枢にして世界を滅ぼそうとしている、魔王のいる場所だった。


 警備兵の守っているガラス扉。それの向こうには、やはりガラス製らしき透明の壁があり、その内側に魔王がいた。いや、適切に言えば魔王であろうと推測できるものがあるというべきだろう。


 おそらく、お化け屋敷で見れば『腐乱死体』であると思う、そんな代物が立体魔法陣の中空で浮いていた。


 異世界で初めて見た魔法だが、ちっとも幻想的ではない。そのど真ん中にあるものが、ただのホラーだからだろう。その無意味なリアルさが、現実であると告げている。


「研究所では国家の垣根を超えて、様々な技術を投入し魔王を討伐しようとしました。しかし、結果はご覧のとおり。我らにできたことは、ああして再生を封じることだけでした。四将軍も同様であり、別の研究所で同種の魔法で拘束しております」


 頭部やら、胸部やら。浮かんでいるのは人体の一部らしき残骸だけ。それらのむごたらしさから、研究所の職員がどれだけ必死に頑張ったのか想像ができる。繰り返されたであろう試行錯誤を思うと、吐き気を催す。どれだけの苦痛を伴う実験があの肉体に行われたのかと思うと、この世界の人類が真面目に取り組んでいたのか分かった。


 だが、それを全部ポジティブに受け止めることはできない。四人の乙女もそうだが、やっていることが非人道的に過ぎる。社会のために、世界のために、庶民のために。そして、それらを理由に異世界の勇者へ迷惑をかけないために。


「宇宙への追放も案としてあがりましたが、彼らを封じたまま宇宙へ移送する手段もなく、しかもそれでもモンスターの発生が防げなかった場合、いよいよ打つ手がなくなる。故に……技術者は敗北を認めたのです」


 魔王や、四人の乙女に強いた行為は、決して万人から認められるものではない。万人に強いることのできるものではない。


 だが、それでも、やはり正しいとしか思えないわけで。


 思わず、生唾を飲み込んだ。こみあげてくる、吐き気を飲み込んだ。出そうになる、罵倒の言葉を飲み込んだ。


 どうして、科学文明を享受していた地球人の自分が、動物実験を責められるのかと。存亡がかかっている彼らを責められるのかと。


「なにを……」


 出た言葉は、かろうじて価値のあるものだった。


「何をすれば魔王を封じることができるんですか?」


 魔法陣で拘束されているであろう魔王が人語を介するのか、今提供されている情報の中では定かではない。だが、一つはっきりしていることもある。


 もしも、彼が、彼女かもしれないが、人語を介するのであればこういうだろう。



 くっ、殺せ、と。

世界を救うために。

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