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四節 ツイラク

「さて、はじめるぜキクノ!おねーちゃんが負けてやるからな!」

「おおー!さっすが姉ちゃん太っ腹!」

「ってそれじゃやる意味無いよな…」

「え?姉ちゃんが負けてくれるって言うんだし意味あるぞ?」

「意味分からない…」

「ていうかお前誰?」

「雲月鷹だよ、あわ…」

[ちょっと待ったー!ww]

「ひぃ花…子…!!!…!……ぶくぶくぶく」

「ちょ…おい、キクノ!?」

[気を付けてね鷹くん今のあなたはイーグル=クラウドなんだから( ˙-˙ )w]

「いや鷹くんって言っちゃってるし…」

[とにかくイーグルくんなんだから( ˙-˙ )]

「あ…ああ…分かった俺はイーグル=クラウド、暗号化による魔術を…ってこれさっきも言わなかったっけ」

[言った言ったww]

「じゃあもう名乗る必要無くないか…」

「ていうかイーグル、キクノ泡吹いて気絶してるし、ハクヤも寝てるし、ヒナタはずっとポキポキ食ってるし…どうすんだこれ?さすがの姐さんもこれは負けてやれないぜ…」

「自称姐さんやめろよ」

「えー、いーじゃねえかよ」

「まあいいよ…これは待つしかない」

「いやハクヤ相当寝るぜ?弟ナメてもらっちゃ困るよ」

「それ自慢!?」


*****


 待つこと五時間。その間暇だったサユリとイーグルは交代で掃除しに行ったり食事したりしていたが、ついに変化があった。

「んん…うん?小百合…じゃなくて姉ちゃん…おはよ~…ふぁぁぁ…」

「おっ、意外だね…キクノよりハクヤが先に起きるなんてね」

「こいつどんくらい気絶してるの~?」

「もう五時間くらいになるかな…ハエが寄って集って来てたよ」

「ふ~ん…ハエホイホイがそんなに起きないなんて珍しいね~クズコバエ」


「…キィ!!!?」

 突然キクノが飛び起きた。どうやらハクヤの悪口によって目覚めたようだ。てか駄弁ってないで早く初め…てください


「おおすごい変な声だな奇声怪獣コバエはハエ意外に悪口センサーもあるんだー、悪口好きさん?SっていうんだっけーMっていうんだっけー…キクノだからKかな。カスのKだね。教頭のヅラ飛ばしでもいいかなぁ、泡吹きヤンキー」

「悪口止まらないな!?グスン…グスッ、グスッ…ヒック、グス」

「お前の吹く泡やらもらした尿やらヨダレやらも止まってねえぞ泥吐き小学生」

「うわぁぁぁん」


「…じゃあ二人とも起きたし、初めていい…よな?」

「ああ勿論だ。だろ?キクノ、ハクヤ!」

「ん?あー」

「ん?あー」

「ん?あー」

「三人揃って同じ答え…だと!?」

「ヒナタも参加するのか…?」

「ん?あー」

「よっしゃ姉ちゃんが思いっきり相手してやるぜ」

「負けてやるは何処へ置いてきた…」

「どっかだよ…キクノ、ハクヤ、改めてヒナタ!」

「おう…」


「…来な。」

「…ハッ」


 始まるなりいきなりサユリに飛びかかったのは、妹キクノである。

 右手を突きだし、上から殴りかかる体制だ。重力の関係もあり肉弾戦を好む魔法児にとってよけ力を活かせる戦法だ。全身の力以上のパワーで攻撃を繰り出したキクノだったが、これはサユリもお見通しだった。両手で抑えて足を少し曲げると、ほとんどの圧力が床に行く。床はその衝撃でミシミシと音を立て、若干凹む。


「姉ちゃん相手にその程度で行けるとでも?」

「思って…ねえよっ!!」


 拳をガードしていたサユリの両手をキクノがその場で蹴飛ばす。

 キクノは空中で蹴ったせいで自分もサユリが動いたのと同じけらいの距離バックしていたが、宙返りしてどっしり着地。

 蹴られたサユリは後ろへ後ろへと床から火花をあげながら進み、飛び上がったところで床に激突、立ち上る煙を避けて一瞬で飛び出したサユリは蹴り返す。行動が全て速い。

「ぐっ…」

「…ファーストバイク!」

 蹴られてキクノがよろめいている間にファーストバイクを召喚し、乗り込んだ。

「『インスタラ』!!」

 そう叫ぶなりすぐライダー姿になったサユリ。

「ここからが魅せ所だぜ、これがライダー魔術師サユリだよ!」

「うっ…なんか残念な男児向けドラマ番組みたい…」

「ふっふっふ…残念なっていうな。見てみるといいぞ!」

「そこどうでもいいから!『ファイスト』…!」

「おっ、魔法には魔法だよな、キクノ」

「ああ、この状態でそのバイクには勝ちずらいしな!あとあたしのこれファーストじゃなくてファイストだから間違えるんじゃねえぞ!!」

「間違えたこと無いって」

「あ、間違えてるの姉ちゃんじゃなかったか」


「おーキクノー、ファーストやったのか」

「お前か」

「ヒナタ…間違えるなよ!」

「うおーポキポキアターックーー」

「「!!??」」


 上からズトズト降ってくる巨大なポキポキの雨。ポキポキそのものみたいにサックリ割れてしまったりするのだが直撃すればまあポキポキなりに痛い。

 意外とそれが何回も繰り返されると地味に強いダメージになっていくのだ。

「ちょっとヒナタ…あたしも痛いから…!ストップ!!」

「んー?どしたー?」

「やめろー!!」

「止めろ!!!『プルアップ』!!」

「あー!ポキポキがー」

「ふう…止んだかぁぁぁあうあうああぁぁあ!!!!?」

「うわぁぁ!?」

「なんだ!?」

「あーーれーーー」

「床…が…!」


 どっさり、と五人は落ちた。

 床が落ちてしまったのだ。


「え?ここは一階の…あれ?外が見えて…えぇぇぇぇぇ!!?」

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