表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

二節 ソウサク

~王宮にて~


「大変です魔王様!モモ姫が行方不明です!」


 その声と共に、王宮内に緊張が走る。

 最初に反応したのはモモの母で魔王…ナゴミ=デアイダル。

「ちゃんと見張っていなかったのか?…って何で私が魔王様役なの!?本当に何で!!?ていうか、私の名前デアイダルかよ!!」

「お…落ち着いて下さい青梅さん…じゃなかった魔王様!」

「落ち着けるかよ!魔王って何すればいいの?台本薄っぺらいし不安すぎるよ!!」

[そんなに嫌なら代役いるよー?]

「え、花子…あれ、あんた役あったっけ?」

[無いけどwwwちょっとやり直してみようか]



take2

~王宮にて~


「大変です魔王様!モモ姫が行方不明です!」


 その声と共に、王宮内に緊張が走る。

 最初に反応したのはモモの母で魔王…ラン=デアイダル。

「はい、新穂さん!チタンの酸化の化学反応式を書いて下さい」

「え、えーとCH2…あれ?ブタンでしたっけ?チタン…IVですから酸化させて…二酸化…?三酸化…?」

「ちょっと待った!先生何授業やってるの!?春雨は本当に授業のときにちゃんと受けてないのにノリノリだし!」

[どうしたの配役無しさん]

「いや…もういいや…私がやります」



take3

~王宮にて~


「大変です魔王様!モモ姫が行方不明です!」


 …その声と共に、王宮内に緊張が走る。

 最初に反応したのはモモの母で魔王…ナゴミ=デアイダル。

「ちゃんと見張っていなかったのか?今度から気を付けるように」

「すみません…」

「でも大丈夫あの人もう星だし」

「…え?まさか殺されたんですか?」

「…あ。大丈夫あの人ひょっこり帰って来れるから」

「…そ、そうですか僕の心配しすぎでしたかね」

 ハルが少しほっとした表情になる。

「出来ればあの日も心配して欲しかったけど」

「……」


 ナゴミはしばらく考え込んで、こう告げた。

「明日の12時以内に帰って来なかったら捜索開始。えーと…ポ、ポキポキ隊?何やってんのあいつ…そいつらに捜してもらう」

「ポキポキ隊ですね!了解しました。ポキポキ隊長ヒナタ=アンリーフに伝達しておきます!」

「あー…あとそのときにはちゃんと仕事するようにと伝えること」

「え?…あ、はい了解いたしました…?」


 待つこと約28時間。

 モモ=デアイダルは帰って来なかった。


 更に7時間後、午前7時――…


~訓練生ルーム~


 ハルが向かった部屋にいるのは、言うまでもなくポキポキ隊長ヒナタ=アンリーフ…


「ん?どした?はるさ…ハル」

「え?キクノ?」

 ではなくキクノ=タテシナだった。ヒナタはなんかの理由でいない。何でだよ

「…それでキクノさん、あなたの隊でモモ=デアイダル姫を捜索するようにと魔王様より御司令です」

「いや…まさか…!ポキポキ隊についに仕事が来たのか!ポキポキを知らないクズを捜せばいいんだな!じゃあ手柄はモモにハイドローポンプだよな?!!」

「なるほどいいですね!見付かったら僕もやりたいです!」

「まじか!速く見つけようぜ!」

「おいちょっと待てよ脱線すんな、歯二詰マル クズ菓子チーズ味」

「グスッ…そのあだ名やめろ…」

「じゃあなんだ、きくのんとかが良いのかよ空気糞悪餓鬼」

「グスッ…読めねえ…」

 キクノに悪口ばかり言う彼は、ハクヤ=タテシナ。キクノの兄だ。

 実は強いなどという噂もあるにはあったが、嘘か真か。確認する術はないから噂のままなのだが。

 なにせこのやる気の無さ、眠たそうな半目。必ずどこかのパーツがパジャマというのもそのだらしなさを表している。

 確認しようにも本人がどうやっても本気を出そうとしないのではどうにもならない。永遠の謎だろう。


「ポキポキ買ってきたー…あれービャクヤだーなにやってるのー?」

 窓から飛んで入ってきたこいつこそがヒナタ。収納に収まりきらないポキポキを抱えて部屋に入ってきた。

「…珍しく名前合ってると思ったけど合ってないねー」

「あ、ヒナタさんおかえりなさい。その…ハクヤさんがどうしたんですか?」

「ハクノ?あーそうそうそんな名前だったーあひゃ。じゃあビャクトーちょっとこれ冷凍してー」

「早速違うし…あ、それでヒナタさん!あなた達、ポキポキ隊でモモ=デアイダル姫を捜索して下さい!!」

「あひゃー」

「それ返事なんですか!?わかりづらいですよ~!」

「あっひゃーあっひゃーあっひゃーあっひゃー…」

「…え?ちょっと…」

「あっひゃーあひゃあひゃあひっひゃーーあーあっひゃーひゃーーやーああっひゃー…」

「ど…どうしたんですかヒナタさん!!大丈夫ですかー!?緊急手当しましょう!!保健室行きましょうね!行きましょうね!?」


 こうしてモモ=デアイダルの捜索が始まった(?)。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ