一節 コムスメ
キャラクター紹介
この番外編での名前/本編での名前
番外編での設定
モモ=デアイダル/出合滝 モモ
魔王の娘。
ナゴミ=デアイダル/青梅 和
モモの家族。
アララギ=デアイダル/四月一日 蘭子
ナゴミの姉。
ハル=レイン/新穂 春雨
モモの護衛。
シグレ=ザウアー/韮山 時雨
モモの護衛。
サユリ=タテシナ/立科 小百合
城の番人。
ハクヤ=タテシナ/月舘 白夜
サユリの弟。
キクノ=タテシナ/立科 菊野
ハクヤの妹。
イーグル=クラウド/雲月 鷹
城の番人。
イクサ=スワード/剣岳 郁
優秀な魔法児。
ハイド=レンジア/粉雪 紫陽花
平凡な少女。
サン=レンジア/粉雪 向日葵
紫陽花の双子の姉。
ハジメ=オンズ/一 一
ヘタレ少年。
ミヤビ=トレーフル/高萩 雅
ハジメの幼馴染み。
アプリコット=ファーゼン/藜祈 杏子
元気な少年。
ヒナタ=アンリーフ/一葉 日向
馬鹿で阿呆。
ここはカンヅキという、特別栄えても寂れてもいないまちである。
まちの中心となる広場では、割と自由にお店が開けるので市場として連日賑わっている。
そんな市場を二人の御付きの者と共に、ご機嫌な様子で歩く少女がいた。
「まったく困ったネ、ドシてこんなにヘンな人らに付きマトワレなきゃならないノネ」
出合滝さんご機嫌な様子でお願いします。
「しかし、お嬢様の身に何かあっても困ります。しかもお嬢様は魔術を使うことができませんので、もし魔術師に攻撃でもされた日には貴女一人では手も足も出ないでしょう。」
「そうだねー、ハルは強くて頼りになるんだしそばにいて損は無いって!」
護衛のハル=レインに共感するシグレ=ザウアー。しかし、モモは更に足を速める。遠くに好物を見つけたようだ。
「自由が…ほしいネ!!!」
「あ、モモお嬢様っ!!?お待ちください!!」
…彼女はモモ=デアイダル。カンヅキの魔王の一人娘だ。
親の魔王の魔術は格別に強力なわけではないが種類が豊富であることで有名なのだが、どういうわけかモモの魔力は無に等しい。
好奇心が強いため、よく何かを見つけては追いかけたりして、行方不明になり家の人に何度も迷惑をかけているのだった。
今日は強力な護衛のハルを付けていたが、モモは無邪気に走って何処かへ行ってしまっ…
「捕まえましたよ!お嬢様、勝手な行動はお止めください!!」
新穂さん捕まえてはいけません。
「え…あ、そうでした!僕としたことが…では、出合滝さんお元気で!貴女と出逢ったことは忘れません!」
「ジャマ者は消え失せロネ」
こうしてモモは遥か彼方へ消えていった。
*****
「ヘ…やっト突いテ来なくナッタダ」
なんとなく走り出したモモはハル達とはぐれてしまった。
「あイツらなんテタタッてヤル…ノロッてヤ…る!!?ナニするね、アンタ誰ネ!!!?」
突然モモは電気魔法で縛り上げられた。それをやったのは、不気味な、闇のような髪の怪しい人物だった。その人はうっすら黄色く光った氷の柱に立ち、常に見下ろす体勢だ。
「名乗る程の事では無い…私は野望を叶えるための一段階として――モモ=デアイダル、お前を捕らえる。それだけなのよ。」
「は…放せネ!!!!」
さらに威力を増した電撃にのたうち回るモモだが、縛った人物は薄笑いを浮かべて、モモを振り払い地面に叩きつけた。
「暴れると痛い目に遭う…小娘、そんなことも分からない?」
「いいから…放せぇぇぇええぇぇえぇぇぇぇっっっ!!!!!!!!」
「……『クルーシファイクロス』」
闇夜を黄色い光が照らし、辺りが明るくなったと思うと、電流を纏った十字架が現れモモを縛り付けた。
「…ちょ…やめろ…………」
「足掻いても無駄。大人しくそこで待ってなさい」
そう言うと、猫の如く柱から華麗に飛び下りて颯爽と消えて行った。
―――誰カアッシヲ助ケロヤ…!