moss green
彼が森に入ってから少しあたしはゆるくなったかもしれない
あたしは彼を愛し続けることに懺悔していた
彼の昨日のあしを食べ尽くしていたの
眩しい彼は嫌い
真っ暗い彼が嫌い
眩しい闇は好き
真っ暗い光が好き
彼はもう らぶじゃなく らいくになったってあたしにいったから
たしかにいったからそれがしんじられないっていうか
にくらしくてたまらなくなってだから
あたしは彼の不安定が好きでどうしようもなくて
彼の歪みが気持ちよくてカビが生えてきて
こんな開いちゃってなくて
こんなビヨーンでなくて
あたしは苔でいられたのに
破滅する彼を全身全霊で愛して
苦悩に喜びのうたをうたってる死人に似た人になって
ラッピングした哀れみたちをあたしはきつく抱き締めて
窒息しそうになって泡になってしまったから
ねえ
あたしの知らないあの森が彼を愛せるわけないでしょう