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第2章―はじまり(2)

  2


 燃えたつような不気味な夕闇のなか、日向 炎は馬を走らせていた。

 前方にそびえ立つ鞍馬山は大量の黒煙を噴きあげ、咆哮しているかに見えた。都から消火活動の民衆が長蛇の列をなしている横を、疾風のごとくかけぬけていく。

 胸騒ぎがする。本家の者たちは皆無事に山を下りただろうか。この速度では屋敷が灰塵と化すまでに到底間に合うまい。しかし何としても間に合わせなければ。隼の速さが欲しい―

 その渾身の想いが頂点に達したとき不思議な現象が起きた。足元に風が生まれ身体がふわりと馬を離れた。その瞬間、炎を乗せた風は一気に音速に達し、一直線に鞍馬山を目指した。

 凄まじい山火事である。熱風が暴れ、火気を帯びた灰が踊り飛び、頬をかすめるたびチリチリと音をたてた。炎は唇に二本指をあて短い呪文を口走った。神通力で結界を張ったのだ。軽く跳びあがり、上空から火炎の中心に突入した。

 三百年に及ぶ歴史を誇る日向本家の巨大な屋敷が、もはや間取りも判別できないまでに崩落していた。一面の火の壁が視界を遮断する。

 「誰かいるか!」

 返事はない。

 炎は、よろめきよろめき灼熱の海を徘徊してまわる。突然何かに足をとられ、がくんと体勢を崩した。見るとかつて屋敷の中心に鎮座していた大黒柱の残骸だった。

 「ここは大広間だ…」

 その時、炎の心臓はドクンと高鳴った。微かな弱々しい、だが確かに、そしてそれは最も聞きたくなかった声だった。

 「炎…」

 全身を戦慄がかけぬけ、全ての思考が停止した。火の海からどろりと焼けただれた細い腕がのぞき、小刻みに震えながら必死に何かを訴えている。炎は生気を失い、その場に膝から崩れおちた。母親が柱の下敷きになって燃えている。 手足はあらぬ方向に折れ曲がり、下半身の半分は断絶しているのに、不思議に顔だけは綺麗に残っており、柔らかな春の日差しのように微笑んでいるのは異常な光景だった。

 「母…上、これは誰にやられたのですか!」炎は力を込めて母の手を握りしめた。

 「逃げるのです…」充血した唇がそう言った。

 「これは父上の罠…あなたを…殺すつもりです…いいですか…良く聞きなさい」

 「母上!これ以上話してはいけません!」

 「あなたの本当の母親は…私じゃ…ない…」

 後頭部を叩きつけられたような衝撃を覚えた。

 「あなたは…魔界の頂点に君臨する魔神・龍毅と…閠呈様の間にできた子供なのです…閠呈様はあなたが生まれた時…あなたの血に宿る魔力を固く封印しました…。しかしその封印は…あなた自身によって解かれてしまった…」

 瞳に絶望の色を隠しきれない息子を見あげて、母は金色に輝く涙を流し、持てる最後の力を振り絞ると、その手の中に碧い宝石を握らせた。

 「遠い時空の彼方へ隠れるのも自由…本当の母を訪ねるのも自由…とにかく逃げなさい…できるだけ遠くへ。今のあなたでは…閠呈様に勝てない…」

 炎は凍りついたように動けなかった。この世で一番愛した人が、生命のわずかな残り火をいま静かに絶やそうとしているという現実だけが、絶対的なものとして迫ってきた。

 「決して一人だと思ってはいけませんよ、炎…。世界は個人が想像も及ばないほど広大で…あらゆる出会いに満ちています…」

 「そんな…」

 「炎。愛しています」

 「……母上?」

 「……」

 「母上」

 「……」

 「母上―――!!」



 暗く冷たい水の中で、誰かの声がする。このまま永遠に闇に沈んでいたい。俺は生きることに疲れた。頼むから俺を呼び起こさないでくれ。


 いや、駄目だ…


 俺には生きる目的がある。俺は生きて、生きてこそ――


 

 目のまえの輪郭は薄くかすんでいき、記憶の深層の泉に波紋が生じた。

 蝉の声が断続的に聞こえている。見知らぬ部屋の光景。状況を把握するのにわずかな時間を要した。炎は寝床を起きあがると、窓辺の簾にそっと手をかけた。空は東から白んで外気は澄みわたり、数羽の雀が軒をはねていた。眼下には細い川が流れ、渡ったむこうに枝垂れ柳が揺れており、川に沿って人気のない通りが閑散と横たわっている。

 思い起こせばここに居室をさだめて三日になるのだ。数日前まで死闘のさなかにいた自分が、にわかに安穏な未来で暮らしている現実は、依然として受け入れがたかった。

 炎は窓辺にもたれかかり、もう何度見ただろうあの夢をぼんやりと反芻していたが、無性に頭から水をかぶりたい心境になって、寝間着のまま下の階へ降りていった。

 薄暗い厨房からは明かりが漏れていた。小気味よい包丁の音につられ、通りぎわに一瞥すると、見覚えのある少年の後ろ姿が見えた。炎は彼について、ここの女将の息子でみどりの幼なじみだという説明しかされていなかったが、勤めはじめて丸三日、まだ一度も会話はなかった。

 炎の勤務態度はいたって真面目だったが、少なくとも彼の信用が自分にないことを、炎は暗黙のうちに感じとっていた。しかし炎も淡泊な性格であるから特に意に介すことはなかった。だから、しばらくの間舜に視線を固定していたのも、何気ない気まぐれと、今日が店の定休日にあたる月曜だという疑問からだった。

 視線に気づいてか舜が振り返ったとき、双方とも視線を交えているのに変な空白があった。

 この二人、姿顔立ちこそ別人だが、かもしだす雰囲気がよく似ていた。

 「こんな早くに何をしてるんだ」

 奇妙にも、二人は同時に同じ言葉を発していた。

 「俺は…徹夜で新メニューの開発だけど」

 「俺は…目が覚めてしまって顔を洗いに」

 柄にもなくおどおどして二人は目語した。

 打ち解けるきっかけとは解らないもので、舜は喉にひっかかった魚の小骨が抜けたような顔をした。

 「そういえば挨拶がまだだったな。俺は渡瀬 舜。ここの料理長を目指して修業中だ。シュンでいいよ」

 「日…ヒューガー・エド・エン」

 炎はお国柄、片仮名を発音しにくい様子である。だが外国人になりすました今となっては好都合かもしれない。

 「エンと呼んでくれ」

 「タンザニアとコロンビアのハーフだっけ」

 「よくわからん」

 「面白いやつ」舜はふきだした。「そうそう、みどりから伝言預かったんだ」

 「何と?」

 「今日の夜、予定空けとけってさ」

 空ける間でもなく予定はがら空きだった。

 「お前、みどりと付き合ってるのか」

 「半月程」

 「知らなかった」

 舜は何故かショックを受けているように見えたが、そもそも二人の解す「付き合う」という単語の意味には恋愛関係と知人関係の隔たりがあった。

 「まぁ、楽しんでこいよ」

 「何かあるのか?」

 「今夜は鴨川の花火大会だろう」

 花火とは何なのか気になったが、炎はみずからぼろを出す言動は一切しなかった。

 この三日間、千年後の未来人を相手どった炎の立ちまわりは鋭敏を極めた。仕事の内容は客との会話が中心だったから、政治の話題は出るわ海外状勢の話題は出るわで、もちろん炎には何のことやらさっぱり理解不能だが、客が口にした単語を一言一句逃さずすべて記憶し、うまく文章を組み直して、なるべく相手に同調した形で口を合わせたり、それが困難な局面では、相手が食いつく別の話題を用意し、気分を害さないよう巧みに話を逸らしていく。まったく舞妓のみどり顔負けの芸当は、この類まれなる頭脳をもってこそ成しえた。

 音無では基本的に女性が接客を担っていたので、女将にとって心配の種だった炎の性別だが、こちらもあまり問題ないようだった。炎の生まれついての麗容と、さざ波を彷彿とさせる上質な身のこなしには、客もみな一目置いたのであった。

 始めは気が乗らなかったが、このころはこの生活にも楽しみを見出していた炎だった。振り返ればこれまでの人生、日向という一本のレールに固執を余儀なくされ、考え方も狭くなっていたように思う。自分の意思で実行した時渡りではなかったが、千年後の未来がこんなにも平和な様子を見ると、どこか卓越した見方にさせられるのだった。

 舜のふるまってくれた創作料理がなんとも個性的で、思わず苦笑した炎であった。



 新橋のたもとにかがみこみ、川底を悠々と泳ぎまわる錦鯉に目を凝らしていたみどりは、下駄のからんころんと鳴る音を聞くと、ぱっと笑顔を見せた。

 こちらへ歩いてくる浴衣姿の少年は、透き通るような緋髪をそよ風になびかせ、襟元を整えながら、心なしか満足そうである。浴衣は濃茶色に細い風紋をあしらったシンプルなデザインで、舜のものを借りたと推察して、二人は割と仲良くやっているのだろうと思われた。

 「やっぱり炎には和装が似合うね」みどりは感嘆の声をあげた。

 「シュンが着ていけと」

 「店では和装なんでしょ?」

 「ありがたいことにな」

 みどりは可笑しくてくすくす笑った。ズボンが股にすれて窮屈だと言って腰ばきしていた姿が目に浮かぶ。

 「みどりもよく似合う」

 みどりの浴衣には、藤色に大柄の菖蒲が描かれていた。炎が形のよい口元をゆるめたとき、みどりはある種の緊張をおぼえた。考えてみると、つい半月前の彼からは、このような穏やかな笑顔を想像することもできなかった。一瞬、彼の微笑みに堕ちていく女性が何人いたのだろうと、不謹慎なことを考えた自分がいた。

 「そのはなびとか言うのは何なんだ」

 「読んで字の如しよ。見てのお楽しみ」

 西の山稜にわずかな輝きを残し、空は光の透らない海底へと沈んでゆく。鴨川は両岸をぼんやりと暖色に縁取られ、幻想的な夜景を演出している。

 どこまで歩いても人込みの絶えないのを見て、炎は驚愕した。

 「国中総出で見に来ている。はなびとはそんなに偉大なのか…?」

 「あっ。あんず飴」

 屋台の列の中にみどりの後姿が消えた。

 みどりがあんず飴を購入している間、流れる人間プールの中で炎は身の置き場に困っていた。みどりは嬉しそうに戻ってきた。

 「三つくれた。炎、二つ食べなよ」

 「それよりここを移動しないか」

 「そう言われても」

 炎は長らく躊躇したが、段々と顔が青ざめはじめ、瞳孔が肥大していき、震えはじめた。

 何かが切れたようにみどりの手首をつかむと、

 「見なかったことにしてくれ」

 言うが早いか、とんと地面を蹴って宙に踊り、とん、とん、とまるでそこに階段があるかのように空中を昇っていって、商店街の屋根の上へみどり共々ふわりと降りたった。

 その途端、炎は屋根瓦にどっと崩れると、呼吸困難が解消したように肩で息をした。

 唖然としたのはみどりだった。たった今何が起きてどうしてここにいるのか、狐にでもつままれたようである。

 「駄目なんだ」

 ようやく脈が落ち着いた炎は、苦々しく言った。

 「閉所恐怖症なんだ」

 「そういう問題じゃなくて・・・」

 その時だった。

 

 ドン!


 音の大砲が心臓を射ぬき、夜空に大輪の花を咲かすと、せきを切らしたように次々と花火が上がりはじめた。連続する爆音が骨の芯までびりびりと伝い、絶えることなく星屑がばらまかれては降り注ぐ。二人は瞬きさえ忘れ、その光景に魅了された。赤、黄、緑、青、白。百合、朝顔、紫陽花、枝垂れ桜。それは盛大な空の宴だった。

 「…綺麗だ。とても…」

 ようやくこぼれた炎の呟きは、深い響きを含んでいた。

 炎は17年の生涯で、これほどの感銘を知らなかった。そして改めて実感する。自分は千年の時を越えこの時代に流れついたということを。

 無意識に懐に忍ばせた青い宝石を握りしめていた。烈烈な母の最期がよみがえる。時空石。この石がどういったルートで母の手に渡ったのか、もはや知る術もない。ただ、決してこの世に歓迎される存在ではないと思う。持ち主が使いかたを誤れば…末恐ろしい。どんなに時を巻き戻したい衝動にかられても、決して私欲の為に過去を変えてはいけない。母はそうかたく諭して死んでいった。

 「私、花火が好きよ」みどりは懐かしむように目を細めた。

 「ここにいる何百、何千の人達と、同じ空を見てるこの瞬間だけは通じてる気持ちになれるの。花火が終われば、皆それぞれの生活に帰っていくんだわ」

 炎はみどりの瞳に宿った光をじっと見ていた。この娘は平和な世界で愛をたくさん受けながら育ったのだと、そう思った。

 その時、炎の頭の中でなにか歯車の外れたような音が鳴った。

 職業柄こういうことは幾度もあったので、反射的に炎は「それ」を探していた。闇を切り裂く大花火が炸裂したまさに上方だった。炎の「天眼」はしっかりとその姿を捉らえていた。

 「みどり、ここにいてくれ」炎は視線を固定したまま口早に言った。

 しかし、同じタイミングでみどりが悲鳴をあげたのだ。

 「どうした」

 「あれ…」怯えながら空の一点を指さす。

 「お前、見えるのか!」

 「み、見えるけど、あんな生き物見たことない」

 「妖怪だ」

 みどりは今にも失神しそうな顔で炎を見あげた。「これは夢だわ」

 「こっちに向かってくる」

炎は下駄をぬぐなり隣の高い屋根へ跳び移った。下界にざっと目を走らせる。特に変わった様子はない。誰にも見えていないのだ。

 硬直したみどりの眼が問いかけていた。この少女に対して多少の信頼感は芽生えつつあった。

 「俺は陰陽師。少なくとも人間だが…」言葉を切った。

 「それだけじゃない」

 馬鹿みたいに口を半開きにしたみどりを残し、たやすい動作で屋根伝いに移動していくと、比較的高い電柱を足場にしてばっと空に舞いあがった。一躍で軽く50メートルを超している。引き合うように黒い塊が直滑降してきた。巨大な蜘蛛―みどりにはそう見えた―で、背に身体の二倍近い大きさの羽根が生えている。びっしりと胴体を覆った長い体毛は人間の毛髪を思わせた。額の黄色い一つ眼が発光した時、攻撃が発動されるのがわかった。

 「急急如律令」

 短い印。炎の手の中から極太の光の矢が発射され、空を疾走する。それが温度二千度にも及ぶ灼熱の光だと認識できたのは、まともに喰らった妖怪のみであるが、果たして認識する暇があったかは疑問だ。全長二十メートルの標的は、一瞬にして灰塵へと帰した。

 着地して、炎は少し体勢を崩した。やはり普段のように上手くはいかないらしい。ふさがったはずの古傷が鈍い痛みと熱をもっていた。撃破しての手応えがあんまり薄かったので、炎は内心首を傾げる。あんな弱小妖怪が群れも作らず何をしに来たのだろう。

 間もなくして、みどりは空中をひらひら降りてくる紙切れに目をとめた。思わずキャッチしたが、焼けるような熱さにたまらず手を離してしまった。紙切れは二人の足元に落ち、瓦の表面にじゅっと焼印のようなものを残すと散り散りになった。複雑な文字が絡まるように連なり、羅針盤のごとく円を描いている。

 「日向の呪札だ」

 炎の目つきがみるまに鋭くなる。

 「何て書いてあるの」

 「血判といって、妖怪を操作した呪術師の名が書いてある」

 みどりはもう言葉も喉を通らない。

 「日向閠呈」炎は押し殺すように言った。「父の名だ」



 翌朝、みどりは熱をだした。幸いお茶屋に指名客が来る連絡はなかったが、体力勝負の舞妓にとって夏風邪などご法度だから、先輩舞妓でもある母は口調を強くしてみどりを戒めた。「馬鹿は風邪をひかない」をキャッチフレーズにしているだけに、覚えているかぎり中学一年以来の発熱である。

 母が出ていってしまうと、部屋の中はしんと静まりかえった。みどりは枕に頬を押しあてて黙考していた。昨夜の出来事のあと、炎は殻にこもったように悶々とし、慎重に選んだ言葉も会話につながることはなかった。しかし、日向 炎という巨大な謎が次第に輪郭を持ちはじめたように思えた。的中率に定評があるみどりの勘が正しければ、炎に致命傷を与え、この時代に追いやっただろう人物は、彼の父で日向閠呈なる男であり、千年の時を越えてなお命を狙って追っ手をさしむけたのだ。

 不意に玄関の呼び鈴が鳴り、弾かれたように布団を跳ねとばしたみどりには、すでに何か予感するものがあった。廊下を弾丸のようにかけぬけ、格子戸を威勢よく開け放つ。しかしそこに現れたのは期待した人物ではなく、言うならば思いつくかぎり最も平凡な客だった。腰に似合わないエプロンを巻いているのを見ると、彼がエースを務める部活動は休みらしい。気付いてか、厨房のスリッパを履いたままである。慌てて飛びだしてきた様子が想像できた。

 みどりを見るなり、舜は叫んだ。

 「エンが失踪した」

 聞けば、今朝方、諸用あって炎の泊まる従業員部屋に失礼したところ、寝具衣類とも整然と片され、極めつけに置き手紙が残されていたという。みどりは間髪入れず舜の手の中の紙をひったくり、ざっと目を通した。達筆すぎる堂々とした行書体で、世話になった礼が書かれていると思われるが、言葉遣いが古風で部分的にうまく解読できない。

 みどりははっとして寝室に駆けもどり、鍵をかけておいたクローゼットを開き、何枚にもかぶせた洋服の山を崩した。あった!預かっていた日本刀である。これを置いていくほど、事は迅速を要したのだろうか。

 「どうしたんだよ!」

 舜の怒鳴り声は、水の中で聞いているようにぼやけていた。みどりの目の前を生死の二文字がちらついた。確信のようなものが迫っていた。このままでは炎が死んでしまう。助けなくては!・・・自分でも不思議なほど、どうにもならない衝動があった。

 残された刀を腕の中に抱きしめ、みどりは強く念じた。


 「それ」が現実になるとは、思いもせずに――


 その感覚は突如として襲ってきた。五臓六腑がぼっと燃えあがり、周りの気圧が急速に変わったのを認識した瞬間、みどりは逆走する超速ジェットコースターに乗っていた。三半器官が悲鳴をあげ、凄まじい力で背後に吸引されていく。三六0度、世界が白み、次いで真っ青に変わっていったが、それを見る間もなくみどりは気を失っていた。

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