01 スカラベと始まらないゲームの始め方
2xxx年、新しいVRゲー厶が発売された。その名も「クローズドフリーダム」。キャッチコピーは「あなたを最高の自由に誘おう」であった。
そのゲームについて、 謎が一つあった。それは、何故か理由の書かれていない、無数の星一レビューであった。
私は、それに興味を惹かれ、このVRゲームを購入した。
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このゲームのキャラクタークリエイトには、今では一般的になった対話型AIが使われているようだった。
「おはようございます。あなたの望むキャラクターネームを入力してください。」
「スカラベ。スカラベでどうだろうか。」
「とても良い名前でございます。スカラベで検索...ヒット0件。承認されました。この名前は決して変えることのできないものゆえ、ご注意ください。」
「承知した。キャラクターの身長を、できるだけ低くしてもらえるか。」
「1mピッタリが下限となっております。これでどうでしょうか。」
「とても良い塩梅だ。」
「ありがとうございます。ステータス画面をご覧になられますか。」
「宜しく頼む。」
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name: スカラベ
レベル: 0
称号: なし
物攻: 10 物耐: 10
魔攻: 10 魔耐: 10
俊敏: 10 技量: 10
生命: 10 持久: 10
魔蓄: 10 魔回: 10
魔法: 未習得
スキル: 未習得
杭: なし
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「魔蓄、魔回について教えてくれ。」
「魔蓄は、体に蓄えられる魔力量のうち、使える魔力量でございます。魔回は、一秒に幾つ魔力が回復するかを表します。」
「杭とは、なんだろうか。」
「地面に突き刺すことで、リスポーン地点となります。レベル1でもらえます。」
「このゲームには、マルチプレイモードと、オフラインモードがあるようだが、それぞれについて教えてくれないだろうか。」
「マルチプレイモードはお察しのとおり、沢山人がいるオープンワールドの中でのプレイモードでございます。オフラインモードは、ゲームの中で人に知られたくないことをやるというと語弊がありますが、訓練や実験用としてお使いになれます。禁忌事項に関してもお聞きになされますか。」
「ぜひ頼む。」
「このゲームのなかで、スキルや魔法といったものをお創りいただけますが、停止性の証明ができないものは、マルチプレイモードでは使えないということでございます。正常停止ができる魔法やスキルのみが、使ってよいものとしております。オフラインモードでは、存分に使って構いません。物品等は、自由に移動させることができます。以上でキャラクタークリエイトは終わりになります。スカラベさん、よいゲームライフをお過ごしください。」
「ありがとう。楽しんでくるよ。」
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