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少女改変-オルタードマン-  作者: あやちん


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【85】久しぶりの茂木クンと佑奈の帰省

 帰省は愛車『きいろちゃん』ですることにした。


 車の運転で少しでも溜まったストレスを解消してやろうと思う。すぐ帰ってこいって言われたけどアレがひどいからって理由で二日後にしてもらった。いや実際、俺は重い方である。ま、それはどうでもいい。


 二日の猶予の間に瑛莉華さん、それに一応橘川課長にも連絡を入れておいた。改変の件でまた話したいって言ってたし予定被るのは最悪だからな。そういや俺の警護してるって話だったけど、俺がこうして帰省したり旅行とか行ったりしたらその警護の人らも付いてくるのかね? それとも場所次第で交代したりするのかね?


 どっちにしても大変だな。


 ま、俺が心配してもしゃ~ないか。頼んでるわけでもないし。そもそも、こっちもずっと見張られてるなんて気持ち悪いこと我慢しなきゃいけないんだ。お互い様だよな。


 っていうか俺を警護しなきゃならない理由ってなんだよ?


 プライバシーが~とか思ってたけど、そんなことよりそっちの方がよっぽど大事だよな。


 俺、誰かに目を付けられてんの?

 恐すぎなんですけど!


 つっても、ぶっちゃけ理由わかんな~いって言うほど、さすがに俺もバカじゃない。改変オルター。橘川課長たちが異能力って言ってるこの力のせいに違いない。


 何でバレてるのか意味不明だけど、俺のこの力のことで何かしらの動きが起こってるってことなんだろ?


 まぁ意味不明っていっても今まで特に隠れて行動したってわけじゃないしなぁ……。実際、橘川課長のとこに引っ張り込まれたんだし。



「ああもう! ただの引きこもりな一般人の俺がこんなこと気にしたって何ができるわけでもない。今まで通り、気にしないでいこ」



 俺は開き直って今まで通りの生活を()()、続ける所存である!





***



「え、もう実家に帰省するの? なんかその、早くない?」


「ほんとだよ……、まだ正月に帰ったばかりなのに。だから私も帰るの超メンドクサイんだけど、ばあちゃんが帰って来いってうるさくて。あ~あ、マジ帰るのヤダ……」


 いつものごとく夜遅いめの時間にコンビニに行き、ストレス解消も兼ねて頂点くじをひきまくった俺。対応してくれてたのは茂木もぎクンである。呆れる茂木クンを尻目に大人買いで連続引きした甲斐もあり、無事目的のカンフー少女フィギュアを入手できた!


 この少女、おかしなことに水被ると男になったり女になったりする変態さんだ。俺、すっげぇシンパシー感じちゃうね。でもこっちは男にもなれるから俺よりずっとかマシだよな……。


 そんなことはまぁいいか。


 で、俺は仕事上がるからと茂木クンにハントされ、これまたいつものごとく、ロビーの待合のソファーに座って話し込んでるわけである。


「そうなんだ。お母さんのほうの実家なんだよね? 旧家で堅苦しいって澪奈みいなさんが言ってた気がする」


「あいつそんなことまでしゃべったの? ったく口軽いんだから。ま、実際そうなんだけど、昔から続く旧家らしくってさぁ、行くと息苦しくて嫌なんだよね。なるべく近寄らないようにしてる」


 母さんには悪いけどね。興味ないから細かいこと聞いたことないけど、かなり古くから続く家みたいだ。


「そっかぁ、じゃあ無理か……」


 そう言って項垂うなだれ、いかにも気落ちしたそぶりを見せる茂木クン。


 え、なに? その思わせぶりな態度。気になるんですけど?


「なになに? 何かあるの? はけはけ~」


 そりゃ突っ込むでしょ。俺は食い気味に顔を寄せて聞きまくる。


「あ、いや。その実は……、先輩かなたにアイススケート行こうって誘われてて。それで佑奈さんも絶対連れてこいって、それはもう鬱陶うっとうしいくらいせっつかれちゃって」


 顔を赤くして体を引きながらも懸命に答えてくれる茂木クン。ちょっと寄りすぎたか、すまん。


 しかしなぁ、アイススケートか。このクソ寒い中、氷の上でシャカシャカ滑る、あれね。



 スン……。



 ま、冬だしね。若いな、高校生。


 けど、茂木クンに奏多かなた、君らスケートできるんか? どっちも運動とは無縁に思えるんだけど?


 俺は当然できん! やったこともない。引きこもり系社会人にそんなこと出来るはずもない。ただし、ドライブは別。


 普段ならキッパリお断りするだろうこの提案。


 だがしかし。


 あえて言おう。


「行く。もちろん帰ってきてからになっちゃうけど。それでも良ければ連れてって?」


「え? ほんとに? 僕どうやって断ろうかって……。ま、マジで一緒に行ってくれる?」


 茂木クンの表情が一瞬で満面の笑顔に早変わり。わかりやすすぎ。


「ほんと、ほんと。でも言っとくけど私、まったく滑れない。それでもいいなら……だけど?」


 最近の嫌なこと、メンドクサイこと、そんなことの気晴らしになるのなら。たまには運動してみるのも一興だろ。転びまくる未来しか見えないけど、少しくらい怪我したって、俺の改変された体ならすぐ治っちゃうだろうし。


 男は……、いや、女は度胸だ!


 それにしても茂木クンもそんな話あるならすぐLINIE(リニエ)でも送ってくればいいのに。まだまだだな、モギモギ!


「そんなの全然かまわないから! 僕、得意だから教えるし! あ、そ、その、佑奈さんがよければ……だけど」


「う、うん……、まぁ、その時はよろしく」


 得意だと?


 それに、なんなんだ、この甘っちょろい雰囲気は。恥ずくって顔赤くなってしまうわ!


 ってことでなんか微妙な空間になってしまったので、帰ってきたら連絡するからと言って、そそくさと茂木クンと別れた。





***



「ただいま~」


 土曜日も夕方ちかく。長距離ドライブの末、俺はまた帰ってきた。三週間ぶりでしかない実家である。なんともあほらしい。


 乗ってきた『きいろちゃん』はガレージ内に止めてあった母さんの黄色のアウディを追い出して駐車した。オープンカーであり、車上部に空気取り入れ口がデデンと開いてる俺の車は雨に弱いのである。防犯的にも屋根付きじゃないと嫌なんだもんね!


 隣のベンツGクラスと俺のきいろちゃんじゃサイズ違いすぎてうける~。


 ちなみに母さんの派手な黄色のアウディは外の駐車場で野ざらしである。すまない。 


 しかし母子揃って黄色好きとか、これも遺伝か?


「お姉ちゃん、おかえり~!」


 澪奈が早速出迎えてくれた。暇そうでなにより。手を突き出してきたのでタッチよろしくパンッてしてやったら不貞腐れた顔になった。


 はいはい、お土産みやげね。ちゃんと買ってきましたとも。赤い福のお餅。これ甘くておいしいんだよね。大好物だ。


「え~、こんなの近くの駅でも普通に買えるんだけど!」


「うっさい。こんなトンボ返りみたいな帰省でわざわざ土産なんて買わんわ。それ買ってきただけでも喜べ!」


 だいたい、『きいろちゃん』はトランクも狭いんだぞ。俺の荷物だけでいっぱいいっぱいだっつうの。


 あっ。


 今更ながら気付いたけど、荷物。異空間接続使えば楽だったんじゃね? なんか俺、せっかくの力全然使いこなせてないわ……。


「ぶ~!」


 そんな俺の考えなんて関係ない澪奈がぶーたれてる。澪奈を放置して家にどんどん入る。


「おお、佑奈お帰り!」


 リビングから現れた父さんに捕まった。ハグで。


「父さん、苦しい~!」


 で、キッチンから出てきた母さんにたしなめられて解放されるまでがセットだ。


 やれやれだ。


 けど、やっぱ家に帰ると安心できるな。緊張してた気分がほぐれる。その後、久しぶりの一家勢ぞろいでの晩ご飯となった。俺の編み込みツインテールが可愛いとみんなが褒めてくれてなんとも微妙な気持ちになる。


 ふふ、これ出かける前に会いに来てくれた瑛莉華さんがセットしてくれたんだよな。一応自分でも出来るよう教えてもらってはいるけど、難易度かなり高い。めんどい。


 エルフ耳、どうしたもんかね?


 家族の前でまで隠すなんて面倒がすぎる。コスプレとかで一時的ならともかく、ずっとこんな耳だなんてマジ迷惑でしかないよな。まぁ身の回りの人くらいなら改変で記憶をいじればいいんだろうけど……。


 これ、以前の特典みたいに一斉に改変で初めからそうでした~ってことにしてもらえんかな?


 ねっ、『暖かき存在』様?


 祝福で祝福対象困られちゃダメだと思いません? ぜひ対処お願いしま~す!


 ダメもとで心の中で強く願っておいた。


「……ちゃん、お姉ちゃん、話し聞いてる?」


 おっと、話しかけられてたみたいだ。


「き、聞いてるし。で、なに?」


「聞いてないじゃん、それ。まったくもう。ママが明日の予定決めようって」


 つ、ついに来たか。


「佑奈ごめんね。食べながらでいいから聞いて?」



 及び腰な父さんはほぼモブと化していたが、俺は母さんから明日の予定を淡々と聞かされた。


「わかった。じゃあ朝九時出発だね。なんだかわかんないけど……とにかく行くしかないみたいだし。今日は早めに休む」


「ほんとに母さんにも困ったものだけど、佑奈よろしくね」


「うん、まぁ仕方ないし、気にしないで」



 ってことで明日は母さんと二人でばあちゃんを訪問である。父さんと澪奈は留守番という名の逃げを打ってきたので来ない。


 父さん、俺はあんたの可愛い娘じゃなかったのか?



 この薄情者~!

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