表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女改変-オルタードマン-  作者: あやちん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/191

【41】だからって俺のすることは変わらない!

 新野見にいのみさんとなんともぶっ飛んだ話をした日の晩、俺は不思議な夢を見た。どんな内容だったかは時間が経つにつれ、うろ覚えになってきてる。


 けれど、これだけは言える。


 夢が事実を伝えているのであれば、俺みたいな能力を持った人間がそれなりに居た。


 ということ。


 なんとも変わった夢。でも妙にリアリティのある夢……だった。


 たぶん俺みたいに特殊な能力を与えられた? そんな奴らの行動をまるで映画でも見ているかのように俯瞰ふかんして見てる俺がいるんだ。レベルアップしていく様子を、小説のあらすじのような感じで見せられる。そうやってある人物の映画が終わると、また新たな人物のあらすじ映画が始まる……って感じで、それは随分長く続いたと思う。


 夢の中の映画が()()()()()は皆同じ。


『持っていた能力を失いただの人に戻る』……ってのはいい方で、『犯罪者として捕まる』とか、最悪の場合、『能力が無くなったことによる失敗で人生がそこで終わった』、なんて奴すらいた。


 最悪の夢見だった。


 鈍感な俺でも気付く。これはただの夢なんかじゃない。


 注意というか、警告だってことに。


 俺も『こいつらと同じになるなよ』っていう……、この力をよこした奴からのな。奴って言うのは畏れ多いかもしれない。こんなこと出来るのは()()っていわれるような存在しか思い浮かばんもん。


 俺自身思い当たることもある。


 いつだったか神宮でお祈りした時もなんか頭に直接伝わってきたことあったし、レベルアップ時のログにもメッセージみたいなの付いてたし。


 ま、全部意味不明で理解出来ずにいるわけだけれども。



「なんも具体的なことがわかんないんですけど!」



 昨日得られた新野見さんの能力情報を信じ、この異能力のカンストがLV5であると言うのなら。


 新野見さんが唯一のカンスト能力者ってことになる。夢は失敗事例ばかりでカンスト者は全く現れなかった。


 いたら出てくるでしょ? きっと。



「はぁ……、めんどくせぇ……」



 こんな感じで、なんともどんよりとした気分で朝を迎えた俺である。


 神様? が能力を与えた俺らに何をさせたいのか?


 もしかして昨日の新野見さんの話とも関係あるのかもしれないし、ないのかもしれない。


「もうマジ、何で俺?」


 そう思うことくらいしかできない。


 凡人の俺には理解しようもないし、正直したくもない。


 ってことで俺は凡人。引きこもり系社会人である。急に生き方変えることなんてできないので普通に生活続けるだけだ。



 ビバ現実逃避!




***



 なんのかのあっても、それでも日々は刻々と過ぎてゆく。

 長かった夏休みも終わり、世の中は通常の暮らしへと戻っていった。


 ま、社会人に学生みたいな長い夏休みなんかなく、暑い夏も仕事をしているわけだが。


 わけだが。


 朝一で日課の株取引をキッチリ済まし、()()()自由気ままな一日が始まる。


 引きこもり系社会人の俺は、世間の流れとは乖離かいりした生活を送っているわけで、日課が終われば自由は確約されているわけである!



「さて、仕方ないから今日も世の中総改変オルタード活動、はじめましょうか」


 たいそうなお題目だけど、やってることはマンション周辺の公園を巡っての『いろんな生き物とお友達になろうツアー』である。ぶっちゃけ、いつぞやのスズメみたく改変オルターで手あたり次第、懐かせていってる感じである。


 まだまだ残暑が厳しいにも関わらず、朝から俺は頑張っている。すごかろう!


 熱中症?


 そんなの気合いでなんとでもなる!


 などと、んなバカなことあるはずもなく。実はこんな無茶が出来てるのはあることに気付いたからに他ならない。


『自分の体の周囲温度の改変』


 コレである。


 正直、改変で出来ることはいまいちあやふやで、アプリでログとか確認しても漠然とした表現しかされていない。


 経験則と思い込みで使ってきた感が否めない。


 改変対象者や対象物を注視することにより発動。情報改変であり、物の形とか、三次元的変化はできないイメージ。効果範囲は半径200m圏内まで対応できるんだったか。で、やり直しもさせてくれるけど、自分自身には使えないよって感じだ。


 で、ここにきて、空気改変――。


 できちゃったよ。


 盲点だったよね、空気。


 何気に()()()()の空気、冷たくなればいいのに……と汗かいた体を見ながら考えたら、なっちゃったんだよね、冷たく。


 いや、急に冬みたいに寒くなってビックリ!

 言葉って難しい。


 ともかく、温度変化って科学的にみればどういう扱いか知らんけど、改変的にはOKだったみたい。たぶん、対象に物が加わったLV2から。


 めっちゃ損した気分。


 もっと早く気づけよ俺。


 ま、やる気なかったしね。仕方ないね。



 ただ、LV4になってなかったらある意味ヤバかったかもしれない。改変したものは不変的固定。空気温度を改変したらした温度のまま。元に戻せない。


 それはちょっと困ってたかもしれない。


 だからやり直しが出来るようになった今、それに気付けたのはある意味ちょうど良かったのかもしれない。なんかこんな感じで他にもできること、まだまだあるんだろうなぁ。



 なので今、バケットハットを目深にかぶってキャミワンピにパーカー羽織った姿で外をのんびり歩きながらも、残暑とは無縁なさわやか美少女な俺でいられてる。



 ビバ改変オルター。ありがとう!




「あ、またあの子だ!」


「みてみて、小鳥がどんどん集まって来るよ~」


「ママ~、あのお姉ちゃん、すごいね~」



 公園中の小鳥たちが私が来たことに気付き、みるみるうちに周囲は小鳥だらけになってくる。あまり種類はいないけど、ここ数日間でかなりの数を改変したからな。こうなるのは必然だ。公園に来る常連さん達にも俺はちょっとした有名人になっていて、遠巻きに見に来る人が増えてきた。

 あまり近づくと俺がいても小鳥たちは逃げてしまうので、小鳥と戯れる美少女目当ての人は、ほどほどに距離で留まってくれるので俺としても助かってる。


 素晴らしきかな、人除け小鳥センサー!


 ちなみにハトやカラスとかは改変対象から除いてる。だって、あんな可愛げのない、でかい鳥たちにたかられたらイヤだし。


 カラスやハト好きの人ごめんなさい。


 小鳥たちは頭や肩に遠慮なしに乗って来るし、手のひらを差し出して広げれば、我先にと場所の取り合いが始まったりもする。可愛いけどピイピイ、ピヨピヨちょっとうるさい。


 ウンチとかするやつは即怒って追い払ってたら、俺の体に粗相するやつはいなくなった。案外お利口さんである。


 写真とかも撮られてしまうが、公共の場で撮るなとはなかなか言えない。近くにいる人はそれでも撮っていいか確認してくれる人も多いからまだマシだけど、遠巻きにしてる人たちは自由気まま、勝手なものである。そのためのバケットハットでもあるけど、顔隠すにも限界あるしね。


 ま、公園でこんなことしてる時点であきらめるしかない。仕方ないね。


 ここ最近、午前の二時間ほどを、こんなことをして過ごしてる。で、ランチをこじゃれた店で食べて帰るのが流れである。ちなみにこじゃれた店はLINIE(リニエ)で教えてもらった澪奈みいな推しのとこだ。出たメニューは写真撮って投稿してやる。うらやましがる澪奈に優越感である。クフフ。



 いや、なにこの健康的な生活。


 俺、ほぼプーのはずなのに出歩き系社会人になっちゃったよ。



 我ながら、過去最高にハイペースで改変してると思うけど、まだまだレベルアップしそうにない。



 いったいいつになることやら、だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ