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少女改変-オルタードマン-  作者: あやちん


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【17】元男帰還し決意する

 色々あって帰るタイミングを逸していたがいい加減マンションに帰りたいと思う。


 正直、向こうにいる理由も会社を辞めてしまった今となってはほとんどない。株トレーディングは別にPCやスマホさえあればどこでも出来るわけだし。かと言って今帰ってくるのもなんか負けた気がするし。


「まだまだこれからだ、これから!」


 何がこれからなのかは俺にもわからんけど、何しろこれからだ。まだ二十三歳。地元に帰ってくるには早すぎだよな!


「何がこれからなの?」


 う、しまった。独り言を妹に聞かれた。はずい。


「べ、別になんでもない……」


「ふ~ん、そう。で、ほんとに今日戻っちゃうの?」


 昨日、晩ご飯の時に家族に帰るって告げておいた。母さんはや妹はやれやれと言った感じだったが、父さんの悲嘆にくれた様子はなかなかウザくて対応に困った。


「戻る。変更の余地なし」


「そっか。でもなぁ、心配だなぁ。ナンパされて泣きながら電話してきて、母さんに迎えに来てもらうくらいだしなぁ……」


「うっ、それは! っていうか別に泣いてないし。つ、疲れたから迎えに来てもらっただけだし!」


 結局ナンパされ、ビビッて帰ってきたことは母さんや妹にしっかりバレてしまった。まぁお情けで父さんに告げ口されなかっただけマシだけど。二人もさすがに父さんの耳に入れば鬱陶しいと思ったんだろな。


「せめて週末まで居たらいいのに。学校あるから見送りにも行けないじゃん」


「まだ二日もある。もうそんなに待てないし、向こうにもそろそろ戻らないとマズイし」


 マジでやることないし、マンションにもずっと帰ってないわけだし心配だ。……とか色々理由づけてるけど、ぶっちゃけ家に居るとわずらわしすぎるから早く一人の生活に戻りたいってのが本音だ。


 家族と会うのはたまにだからいいのであって、毎日会ってるとやっぱ、まぁ、めんどくさい。



***



佑奈ゆうな、今度はお盆、ちゃんと帰ってきなさいよ。それまでだって別に何度帰ってきてもいいんだからね。それと、一人暮らしだからってだらけないで、身だしなみもきっちりしなさい。あと……」


「ああもう、わかった、わかったって、母さん。もうそれ何回も聞かされたから。耳タコだから!」


 澪奈みいなを学校へ送り出し、父さんも半泣きで仕事に行った。俺が男の時も家族って意味では大事にはしてもらってたけど……、こんな露骨な愛情表現はしてなかった。父さんの娘大好きぶりには呆れるしかない。


 ま、これも俺が可愛すぎるからいけないのかもな!


 罪な元男だぜ、俺って美少女は。いや二十三歳で少女はないか。美女と言うべき。でも見た目は完全少女なんだよなぁ……俺。美少女。


 はぁ、さっきから何考えてんだ俺。


 ばっかみてぇ。



「ありがと、母さん。気を付けて帰ってね」


「佑奈も体に気を付けて、何かあったらすぐ連絡入れるのよ。くどくなるけど身だしなみにも……」


 また始まりそうだ。


「わかったわかった。それじゃ!」


 最後は逃げるようにして駅まで送ってくれた母さんと別れた。

 

 あとは行きに来た時と同じように電車を乗り継いで新幹線で再び上京、ようやく自分のマンションまで帰り着くことが出来たのだった。



***



「あ~、やっぱ自分のマンションは落ち着くなぁ。何がいいって自分しかいないってのが最高。自分のペースで自分の好きなように過ごせる」


 何してようが文句言われないし、ましてや怒られたりなんかするはずもない。


「やっぱ帰省なんてするもんじゃないよな~」


 今回だけはどうしても帰らなきゃいけなかったから、やむなしだけど。そのせいで節目ごとに帰ることを約束させられちまったのは痛手だった。


 けどなんだ、女特有のアレとか……、説教くらいながら再教育という名の俺にとっての初めて講座されたし。服とか最低限の身だしなみとかもしつけられてしまったし。


 男の尊厳は粉みじんになったけど、それなりに成果もあったから良しとしておこう。



「さって、久しぶりにMy趣味部屋のPCさんのご機嫌伺いでもしてみよう。一週間以上放置しちゃったから立ち上げんのちょっと怖いな」


 ずっと閉め切られてた部屋は電子機器のある部屋特有の独特な空気感になってて、換気のため窓全開にして部屋の空気を入れ替える。高所にあるマンションの部屋からは眺めのいい景色が堪能できるけどあまり景色を楽しんだことはない。ちょっともったいない気もするけどそれが俺。


 空気が入れ替わったところでPCの電源を投入する。独特の鈍い起動音と共にPCが無事立ち上がってきた。


 まず確認することと言ったらメールに決まってる。一週間分の、たまりにたまったメールたち。色んなショップがらみの広告メールが溜まっていて、即ゴミ箱行き。ごくたまに混じってる仕事がらみのメールを選り分けしつつ、《《例のメール》》がないかも念のため確認する。


「ま、あるわけないか……」


 やはりというか、なかった。LV3へのアップ時、スマホに入ったメール。もしかしてPCにも? と思って確認してみるもやっぱ無かった。着信しててスマホで見たから消えたのか、そもそもスマホにしか来なかったのか? 今となっては確認しようもない。


「まったく……、どうなってんだろねぇ、この改変オルターとかいうってわけのわからない能力。神宮に参拝いったとき確かに変なイメージが頭に入ってきたりしたんだよな……、まったく理解できなかったけど」


 男から女に変わる。それだけでも驚天動地の出来事だけど、その姿が謎のイラスト投稿サイトにあった二次元美少女キャラの姿だなんてマジ意味が分からない。


 これがどこかの神様の仕業っていうのならいい加減なんらかの反応が欲しいわ。


「ま、神の奇跡に答えや理由を求めちゃいけないのかねぇ……」



 しがない普通の人間にはこの力がなんなのか、とか、なんのために、とか。わかるはずもない。


「神のみぞ知るってやつだな……」


 う~ん、どうにも独り言が多くなっていけない。これも帰省したせいかね。人恋しさの裏返しだとか思いたくもない。自重しよ、自重。なんにせよ、平凡かつ普通な一般人の俺は地道に生きていくのが性に合ってる。今までがちょっと異常すぎた。


「よし、今日から俺らしく地味に引きこもって生活していくぞ~」


 しょうもない決意をした俺は、トラウマになりかけていた二次元イラストサイト巡りをまた再開することにした。いつまでも避けていては負けた気がする。


 つい先日、ネット怖いと現実の本屋に逃げ、『ナンパ』などという恐ろしい目に遭い俺は悟った。俺にはやっぱ二次元が合ってる。いくら自分自身が美少女になろうがそんなの関係ない。


 二次元こそ至高!


 リアルは危険で怖い。


 もう二度と浮気はしないぞ、おー!

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