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少女改変-オルタードマン-  作者: あやちん


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121/195

【121】車窓にて。みーなとめぐの想いとか

 お姉ちゃんと会ったのはママの実家、おばあさまにのところに行って以来のことで、それから一ヶ月とたってないはず。


 それなのに、どうしてこんなにも私はお姉ちゃんと変な距離感、感じてしまってるんだろう。


 もちろんLINIE(リニエ)でのやり取りは今も続けてるし、これからも当然続けていく。それは間違いないんだけど。胸にわだかまる漠然とした不安感がどうしても消えてくれない。


「みーな、どうしたの? なんか元気ないね」


 帰りの新幹線で隣の席に座ってるめぐがスマホを触る手を休め、私の顔を覗き込むようにして声をかけてきた。


「え? その、別になんともないけど……」


「みーな、嘘はいけないよー。ゆーなさん、あ、爰姫さまか。心配なんでしょ?」


「佑奈! 佑奈だから! お姉ちゃんは。爰姫なんて呼び方、絶対いや……だから」


「おおぅ。そ、そうだね。ゆーなさんだよね。うんうん。私も絶対それでいいと思うな。ゆーなさんだって言ってたもんね。だったらそんなに悩むことないじゃん」


 めぐは単純でいいよ。


 私は未だに今のこの状況に気持ちが追い付けてない。はた目には落ち着いて見えてるかもしれないけど。


 そう簡単に割り切れるわけない。


 ママの実家、佐久目家。おばあさまの要請で守護六家とかいう、佐久目家も入ってる古い家柄の集まりが懇意にしてる、()()()()()の巫女になれって送り出されたお姉ちゃん。でもそれはアルバイト感覚でって話だったはずなのに。


 お姉ちゃんがおばあさまに言いくるめられて送り出されてしばらくたったある日。


 国からの発表で『ひえんのやしろ』の存在が公表された。驚くことにそここそがお姉ちゃんが送り出された所だった。


 『ひえんの社』は古くからこの国を守ってくれていた由緒あるお社なんだそうだ。ずっと非公開で、国の上の方のごく一部の人たちしかその存在を知らされていなかったお社。


 昨日も会った斎姫いつきひめ様は、そのおやしろの神様、日爰ひえん様からの神託を告げる巫女であり、先読みという神秘が使えるとっても偉くて尊いお方らしい。


 その神秘のおかげで、この国に起こる災いの多くを未然に防ぐことが出来ているのだとか。そんな力の存在は公然の事実ではあったものの、具体的なことについては正式に知らされたことはなかった。


 だから国から公表された時はやっぱりか! と、それなりにTVとか騒いでたのは記憶に新しい。世間は今更かって感じだったけど。


 そんな国でも数少ない尊いお方。国中で噂になる神秘の力、異能力を持つそんな偉い斎姫様に続く立場に……いつの間にかお姉ちゃんがなっていた!


 そもそも公表するきっかけになったのは、そのお姉ちゃんが富士山頂で登山家の写真に写り込んでしまったせいなわけで。私もめぐから聞いて見た、あの写真だ。


 あれが世間でバズってしまい、国のお偉いさんまで知る事態となったそうで。


 そんなことならこの際、公表してしまえと。斎姫様の言葉、なによりひえん様より神託すら下ったそうで、お役所仕事とは思えない迅速さで公表され今に至ってると。


 お姉ちゃん、ほんとそういうとこだよ。わきが甘いと言うか、何も考えてないと言うか……。




 爰姫えんひめ


 お姉ちゃんは今そう呼ばれ、斎姫さまに次ぐ第二(かんなぎ)の立場にいる。すっごい偉い人に祭り上げられちゃった。



 あのお姉ちゃんが!


 



 そんなお姉ちゃんにも神秘の力。異能力がある。




 お姉ちゃん!



 そんな力、いつ。いったいいつから使えるようになってたの?



 私、全然知らなかった。

 聞けば聞くほど凄い力みたいだし、首都を救ったとかわけわかんないことまで聞かされた。あの事件のことはそりゃ私も覚えてるけど……。


 あまりに話が大きすぎて実感わかない。



 神秘以外でも……、しばらく見ない間に見た目すら変わっちゃってたお姉ちゃん。なんかもう、人以外の何かになっていってしまうようで不安に感じてしまう。


 そう思ってしまったことは認める。



 だから言いにくいってことも理解できる。少しくらいは。



 けど……。

 そんなに私は信用できない? 怖がられるとでも思った?


 口止めとかもされてたのかもだけど。

 家族なめんなと言いたい!



 結局、写真撮られてなし崩しで公表する羽目になっちゃってさ。いつもいつも家族に心配かけて……ほんとおバカなバカぇだよ!




 なんかもう、めっちゃイライラしちゃう。つい悔しくってお姉ちゃんの前で泣いちゃったのはちょっとカッコ悪かったけど。



 お姉ちゃん、アレ絶対まだわかってない。

 これからもきっと色々やらかすに違いない。


 まったく……。


 色々あったから眠くなってきた。めぐたちとおしゃべりもしたかったのに……。


 これもみんなお姉ちゃんのせい……だ――――







「ふむ、いい夢みろよー」


「澪奈ちゃん、眠った?」


 背もたれの()から顔をのぞかせ、なっちゃんが聞いてきた。


「うん、もうぐっすり。落ちるの、はっやいはっやい」


 そうとう溜まってたね、あれは。ゆーなさんも罪なお姉ちゃんだ。


「澪奈はお姉ちゃんっ子だから。佑奈さんはあの性格だし。会えばグチ聞かされます」


 凛ちゃんは背もたれの()から顔をのぞかせすまし顔でそう言った。みーなは私の肩に頭を乗せ、気持ちよさそうだ。っていうかちょっと重い。みーなめ。本気モードで寝だしてるよ!


 かーいいやつだ。でもこんな体勢、筋痛めちゃっても知ーらない。


「だよねー! 澪奈、お姉ちゃん好きすぎだよねー! なっちゃんなんか仕事の虫で私のことなんか全然相手してくれないし、お小遣いもくれないし。姉貴なんて全然ありがたくもないのにねー」


「へぇ~、萌美めぐみ。そんなこと言うんだ。じゃあもう今年の夏は泳ぎに連れて行くのは無しでいい? 残念だなぁ、あの民宿にまた誘おうかと思ってたんだけど……」


 え、ほんとに? 行きたい。ぜひ行きたい!


 だから中止、駄目ぜったい!


「あはは、ちょっとしたジョーク。本気じゃないって知ってるくせに。ヤダなぁ? で、なになに、今年も連れて行ってくれるの?」


「そう思っていたんだけど……、今となっては難しい、のかな?」


 うー、確かに。ゆーなさん連れだすのはかなり難易度が……って、あ!


「ゆーなさん、神秘あるじゃん。転移だっけ? 知ってる場所とか、行ったことなくても位置とか認識できたら行けるって。そう言ってた! すごいよねっ」


「それはそうなのかもだけど……、そんな行き方して澪奈ちゃん、喜ぶと思う? 萌美だって。そもそもいくら一瞬で移動できたとしても、勝手に出掛けちゃまずいでしょ、立場的に」


 なっちゃん真面目か! いやでも確かに旅は移動中も楽しい。それ大事!


「あ、そうだ。凜ちゃんもどう? 夏に泳ぎに行こうって話なんだけど。去年、この三人とゆーなさんで行ったんだー。お泊り楽しいよー?」


「ふふっ、そうなんでしょうね? 想像できます。私はおばあさま次第ですけど……、佑奈さんが参加するなら間違いなく許可は出ると思います。でも、いいんですか? 私まで同行させてもらって」


「大丈夫、大丈夫。ぜひ行こう! 絶対行こー!」


 ゆーなさんのことはみーながなんとかする。してくれる。ゆーなさんだって、きっと……。



 そんな楽しい夏の話とか、車窓から見える富士山とか眺めつつ、二時間ほどの新幹線の旅は終わった。


 みーなは結局新幹線を降りる時間までぐっすりだった。


 富士山見たかったって嘆かれた。どーして起こしてくれなかったのって、ポカポカされた。


 かーいいやつ。


 私鉄の特急に乗り換えてから、海に行く話をした。


「行く、ぜったい! お姉ちゃんも強制参加、絶対させるし!」


 みーなの鼻息めちゃくちゃ荒かった。


「お側付きのお二人は必ず付いてくると思います(それにきっとSPの人たちも……)」


「だよねー」


 凛ちゃん、最後のほうにボソボソなんか言った。ま、向こうのアレコレなんか知ったことではありませーん。子供は大人の都合なんか知りませーん。


 あ、でも、ゆーなさんも大人……か?


「ぷふっ」


 全然そうは見えないけどー! ゆーなさんカワイイ!


「めぐ、何いきなり吹き笑いしてんの? 気持ち悪っ!」


「そんなこという? そんなこと言うやつはこうだー」


 わきの下ワキワキー!


「ちょ、やめて、やめなってもう!」


「「あうっ!」」


 二人でワ―キャーしてたら頭のてっぺんを二人してこずかれた。地味に痛い。


「うるさい。他の人に迷惑。大人しくしなさい」


 はい、その通りです。反省します。特急電車の中では静かにしましょう。


 みーなと二人してあやまった。




 ま、とりあえず楽しみすぎるよねー。


 夏早く来て!





 まだなんも決まってないけどネ!

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