表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女改変-オルタードマン-  作者: あやちん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/191

【11】家族でお出かけ

 GWも終わりに近づき、世間ではUターンラッシュも落ち着いてきたわけだが俺はまだ実家にいた。いやまぁ、帰ってきたのが中頃だったってこともあるし、会社勤めでもない俺は慌てて帰る必要もないってこともある。


 俺の主な生計は株トレーディングで得ている。ノートPCとスマホがあれば自宅でなくともなんとかなるのである。

 大学を出てすぐに入った広告代理店で上司とケンカし、とっとと会社を辞めてしまいマンションに引きこもっていたところで父さんに試しにどうかと勧められ、やってみたら、たまたまうまく行ったのがきっかけだ。最初の運用資金は言い出しっぺの父さんが出してくれた。家族に甘々のダメ親であるが感謝するしかない。

 もちろんいつもうまく行くはずもなく浮き沈みは当然あるが、それでも資金を溶かしきることもなく生活に困らない程度、プラスアルファの収入を得ることには成功している。

 すねかじりだとか何だか、色々言われようが気にしない。使えるものは使えばいい。俺はそう割り切っているのだ。まぁそんなこと言われるような人付き合いをそもそもしてないけど……。


「あら佑奈ゆうな、おはよう。随分早いじゃない。……ふふ、今日はまぁ頑張ってちょうだいね。可愛い娘が帰ってきてパパ張り切ってるから、適当に相手してやってね」


 朝も早い時間、目が覚めて喉の渇きを覚えた俺は、部屋にあったペットボトルが空になってることもあり、仕方なく食堂へ向かった。そこには朝食の準備をしてる母さんがいて、顔を合わせるやいなや、にやけ顔でそう言われたわけだ。


「うへぇ、めんどくさい……」


「そんなこと言わない。たまに帰ってきた時くらい相手してあげて。佑奈、パパには色々良くしてもらってるでしょ。ご機嫌とりくらいしてもバチは当たらないんじゃない?」


 優しい声でそう突き放され、ぐうの音も出ない。


「そ、そうだけどさぁ……」


 どうやら今日一日、父さんの相手をさせられるのは確定みたいだ。くぅ、男の時でも別に仲が悪い訳でもなく、むしろ会社を辞めた時も手助けしてくれたくらいなんで嫌いな訳では全くない。


 ただただ、その、家族に向ける愛情表現が日本人的でないと言うか、アメリカンと言うか。何しろスキンシップ過多でウザ暑苦しい!

 今回は改変オルタードするっていう、必要に駆られた要件があったから自ら会いに来るという選択を取らざるを得なかったが、出来れば会う機会は極力減らしたい相手なのである。


 いや、マジ嫌いではないんだ、マジで。


「おお佑奈~! おはよう。朝から佑奈の顔が見られるなんてパパはなんて幸せなんだ! 今日の外出はパパ断然頑張っちゃうからな~!」


「うにゃあ!」


 そう考えてるそばから来た!


 俺の後ろからいきなり現れた父さん。あんた隠密スキルでも持ってるのか? まったく気付けなかったわ。


 しかもあろうことか俺の脇に手を差し入れ、思いっきり持ち上げてくれた。いわゆる高い高いってやつだ。いや俺もう子供じゃないんだから。二十三の大人でしかもその、女子だ。外で大人の女性にこれやったら即セクハラで訴えられる案件だから!


 父さんはなかなかのスポーツマン体型で、中年にありがちなポッコリ膨れたビールっぱらってこともない、上背もある筋肉質な体の持ち主だ。なので不本意ながら成人した女……ではあるものの、標準よりチビっちょい俺など簡単に持ち上げることができてしまう。


「ちょっと父さん! 恥ずかしいって。降ろしてよ!」


「佑奈。パパでいいんだぞ、パパで。昔は佑奈もそう呼んでくれてたじゃないか?」


 こ、このおっさん、聞く耳もたねぇ。パパ呼びしてたのなんて小学校の低学年くらいまでだっつうの。澪奈みいなは今でもパパ、ママ呼びだが俺は絶対そう呼ばんからな!


「やだ。っていうか、早く降ろして。もう、おりぇ……私、子供じゃない」


「うぐっ、そ、そうか。残念……だが、仕方あるまい。でもせっかくだから久しぶりの!」


 ようやく降ろしてもらえそうだと、油断したその時。


「ぎゃ~!」


 う、うそだろ!


 俺をすとんと下に降ろしてくれたのはいいが、このくそオヤジ、まさかの『ほっぺにチュー』攻撃をくらわせてきやがった。

 いや、驚いて顔をずらしかけて、あとちょっとタイミングズレてたら下手すりゃ口もとにニアミスするとこだったぞ!


 父親とは言え男とチュー。俺、女の人とだって、き、キスしたことないのに。

 か、勘弁してくれ……。


「あははっ、朝からパパご機嫌だね。おはよう、パパ、ママ、お姉ちゃん!」


 俺がほっぺにチュー事件で愕然としてたら妹まで現れた。朝っぱらから平穏からは程遠い状況になってきたわ。


「お姉ちゃん、まだジャージ着てる。今日はジャージもだけど、可愛い部屋着とかも買っちゃおうね。なんならパパに選んでもらえば? 案外センスいいの選んでくれるかも」


「ああもう、はいはい。もうどうとでも、好きにして」


 どうせ俺の意見なんてほぼスルーだ。みんなお任せでいいよ。


「もう、やる気ないなぁ。でもだからといって手加減はしない。今まで私一人でパパの相手してたんだから、お姉ちゃんにもそれ相応には頑張ってもらわなきゃ。だから、頑張ってね、お姉ちゃん!」


 それを言われると返す言葉も無い。


「澪奈も手厳しいなぁ。はっは、今日は娘二人に嫌われないようパパ張り切っちゃうからな! もちろんママもだ。家族みんなで楽しもうな!」


 はぁ、ほんと暑苦しい父親だ。

 でも、まぁ、やっぱ家族っていいもんだな。


 もうちょっと帰省する回数増やすよう、努力はしよう、そうしよう。



***


 今日のスケジュールはざっと言えば前半ドライブ、後半買い物だ。前半は父さん、後半は女性陣の意見となりとても分かりやすい。まぁGWも終盤で長距離ドライブなんて嫌すぎるので、なかなか帰ってこない俺の安全祈願みたいな感じで有名神宮まで行くとなった。その周辺で昼食、帰路の途中で大型ショッピンモールに立ち寄って買い物って段取りだ。


 うん、めんどくさい。


 父さんのベンツGクラスの厳ついSUVにみんなで乗り込みいざ出発。俺はまた助手席で、早速父さんの相手をさせられる羽目に。まぁ俺も元男としてはドライブ自体は嫌いではない。むしろ大好きだ。楽しみたいと思う。湾岸沿いの高速を走ればそこそこある距離もかなりこなせるし、渋滞もなく快適だ。まぁ景色は海と臨海部の景色が主でイマイチ風情にはかけるけど。

 高速を降り、神宮手前までくればさすがに混雑もあるけどたいした距離でもなく、ほぼほぼ予定通りの到着となった。


「う~ん、なんか空気が違う気がする」


 日本でも有数、知らない人なんかいないだろう有名神宮だけあって観光客もそれなりにいるけど、なんというかおごそかな雰囲気は独特なものがあっていいな。澪奈の言葉も納得である。とても落ち着く。


 しかしそんな中だと余計俺は悪目立ちする。俺が歩くとだいたい二度見される。おばさんとか年配の人も多いからけっこうあからさまだ。やっぱ都会じゃないこんなところだとピンクブロンドは目立つよな、ピンクは……。


 かといってこそこそするのもいやだ。俺は開き直って、どこであろうと堂々とする! と今決めた。


「澪奈、作法とか出来る? ちゃんとやらなきゃダメなんだぞ~」


「そんなの出来るわけないし。そう言うお姉ちゃんはもちろん出来るんだよね?」


「まっさか~。当然出来ない!」


 わかるはずもない。参拝なんて近所の神社に初詣で行ったくらい。しかも小学生のころだし作法なんて適当もいいところだった。


 引きこもり系社会人をなめないでもらいたい。


「まったく二人ともしょうがないんだから。と言ってもママもこんな大きな神社での作法なんて良くわからないんだけど。パパだけが頼りね」


「みんな任せろ! 昨日しっかりネットで勉強しておいたさ。なに、パパのやることを真似すれば問題ない。だからしっかり参拝しなさい」


 ネットで勉強って……。

 なんだよ、結局だれもちゃんとした作法知らないんじゃないか。


 大丈夫なのかね?


 まぁ、とは言っても別に間違えようと誰に怒られるわけでもない。誰かに笑われても所詮他人。どうってこともない。


 ともあれ、俺の改変オルターがどんな力の元で実現されてるかなんて……まさに神のみぞ知るって感じだし、日本じゃ八百万神やおよろずのかみって言われるくらい神様がたくさん居るんだから、もしかして参拝すればなにかご利益あるかもしれない。


 この状況、なんとかしてくれってお願いしてみるか。



 ま、知らんけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ