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少女改変-オルタードマン-  作者: あやちん


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108/193

【108】新しいこと覚えたらそりゃ試すでしょ

 残ったレベルアップ特典を見てみる――。



※_異空間接続Ⅱ―識閾しきいき境界認知をもって至れり―  


  かんなぎの対となる場への識閾下で認知することによって実となってそこに至りせしむ。



 ――なんだこれ? まじなんなん?

 異空間収納の記述とも違う。全然違う。


 異空間収納のときはこんな記述だった。

 ※_異空間接続―()()()()()()



 今回のは前に比べれば具体的な文言っぽくなってて、しかも補足っぽい説明文まで付いてる。ひえん様も少しは俺に気をつかってくれたのかと思いきや。


―識閾境界認知をもって至れり―

巫の対となる場への識閾下で認知することによって実となってそこに至りせしむ。


 もう俺一人のオツムじゃ無理。彩如にも一緒に考えてもらお。二人がかりならワンチャン!


 アプリ画面の記述をメモにとり彩如さゆきに見せる。


「よ~し、私がんばっちゃいます!」


 ちなみに俺、ごく普通な私立大卒。彩如、高卒のまだ未成年女子……である。


 二人してうんうん悩む。

 難解だけど頑張って悩む。困った時のネット検索は引き続き役に立ってくれてる。


 ああ、甘いもの食べたい。


 気付いたことは彩如が書き出してくれる。ほぅ、役に立つじゃん。感心感心。


 早速検索すると『識閾』は、ある意識の出現または消失の境界……とか出る。意識ある状態からない状態。意識の範囲。刺激によって感覚や反応が起こる境界。そんな感じのよくわかんない説明が出てくる。それを踏まえて改めて見直す。


 ―識閾しきいき境界認知をもって至れり―


 『識閾……意識とかの境界、意識の範囲』を『認知……知って。捉えて』、それを『もって』、『至れり』だから、どこかに着く感じ?


 なんかちょっといい感じじゃね?

 このまま補足の文言も確認だ。


『巫の対となる場を識閾下で認知することによって実となってそこに至りせしむ』


「巫の対となる場って……佑奈様がいるところに対する場所ってことでよくないです? それでそこを意識の範囲、佑奈様の意識の内におく……留めることで認知、ようは取り込んじゃって!」


「うん、取り込んじゃうことで『実』となる……と。ふむふむ。で、そうなれば……」


 ちょ~っと、キタコレ!


 至りせしむって、ようするに。


「「到着!」」


 はもった。


 彩如が俺の手を取って上下にフリフリしだした。ちょっと、おま、あんま興奮すな!


「収納空間って、佑奈様が意識を向け、触ったりすることで認識して収納してる感じなんですよね? 今回のもそれの流れっていうか派生なんだとすると、識閾境界とか識閾下っていうのをしっかり認識することで対となる場ってところと()()()を介して繋がっちゃうって感じじゃないんでしょうか?」


「う、うん。そ、そうだね?」


 なんかもうこれ、言葉遊びになってきたな。


 っていうか今更だけど……、そもそも『異空間接続()』なわけだし。これって初めから半分答え出てたよね?


 後ろの言葉を切り抜いて余計なこと考えすぎちゃった感じじゃね?


 むなしすぎだわ。


 異空間接続のⅠである収納は異空間に留まってたけど、異空間接続Ⅱはその先に抜けちゃって違う場所に至ると。



「はぁ……、ようはこれ、転移能力なわけね」


「あはは、それしかない気がします」


 くくっ。なんか無性に笑えてきちゃったぞ。



 だったら。だったら初めからそう書いとけや!



 ひえん様! いや、『暖かき存在』!


 こんなん、ぜんぜん暖かくないわ!




 抑えきれない憤りを心の中で爆発させた俺が、この後、壮大な頭痛に見舞われたのは言うまでもないことである。



 だが後悔は微塵もしていない。してたまるかっつうの!




***



「じゃあここで待ってますから思い切ってやっちゃってくださ~い」


 彩如さゆきが早速試してみようと言い出して、今こんな状況になってる。


「お、おまえなぁ……。はぁ、ま、いいけど」


 彩如と二人してもらった力の解釈に勤しんでなんとかそれっぽく紐解いたあと、時間とともに前もそうだったけど俺の中で『異空間接続Ⅱ』の扱いについてジワジワ自然と理解が出来てきた。さっきまで二人して悩んでたのは何だったのかってなる。


 ま、結局そういうことなんだよね。待ってたら自然と理解できてしまった。なんかめちゃ悔しいし、負けた気分だわぁ。


 ま、それはともかく。そうなると今度は得られた能力について、ちょっとでも早く知りたい、使ってみたいって……、思ってきちゃうわけである。主に彩如が!


 ってことで今。


 外で早速検証しようってことで、再び庭に出た俺たちである。


 彩如がすっごく外れのほうまで小路を駆けて行って俺に向かって呼びかけてる状況である。ざっと五十メートルくらい離れてるかな? 石灯籠が立っててわかりやすくはある。


 何気にさっきの小鳥たちが俺の周りにまた集まってきたし、頭や肩にも普通に鳥が止まる。かわいい。


「巻き込んじゃうから離れててね」


 言葉は通じないはずだけど言ってることは不思議と伝わり、ぱっと飛び立ってくれた小鳥たち。かわいい。



『異空間接続Ⅱ―識閾境界認知をもって至れり―』……長い。もう異空間転移……いやいっそ転移でいいだろ?


 結局カイロス殿下と同じ能力ってことじゃん?


 ほんとなんでわざわざ分かりにくい名前付けるんだか? 神様的なプライドみたいなものがあるんかな? よその神と同じ名前やだ~! みたいな?


 いや、さすがにないか。


 ……ないよね?



 行使するにあたって飛ぶ先はよく認識しておく必要がある。まぁ今回は飛ぶ先が見えてるから変な心配もいらない。そういやカイロス殿下もホテルの会場内で飛びまくってたな。


「じゃ、行くから!」


 手を振って声をかけてから転移とぶ


 頭の中にあるのは行く先のイメージ。そこに向かって飛ぶ。


 あのメッセージ流に言えば識閾下で認知した場へ至る……だな。こんな考え方、理解できずに逆に危ないと思うわ。やっぱ転移でいいな。


 

「うわっ」


「お待たせ」


「お、驚かさないでください! もっとこう、なんか前触れとか予兆みたいなもの出してから現れてくださいよ~」


 突然目の前に現れた俺に驚いた彩如が尻もちついた。恥ずかしかったのか、誤魔化そうとわけわからんことわめいてる。


 いやもう、そんなのどうでもいから。


 転移はほんとに一瞬だ。その場から消えて、異なる場所に現れる。そのラグはほぼ無いに等しい。っていうか無いんじゃないか? とすら思う。だから予兆もくそもあるわけない。


「そんなの無理だから。あきらめて。やれって言ったのは彩如でしょ」


「も~、佑奈様がつめたい! まぁいいです。でもでも、すごいです! まじアニメみたいです。転移魔法を使う主人公。サイコーです。胸熱です!」


 いや、魔法って、あなた。別に呪文唱えたり詠唱するわけでもなし……。違うだろ。


 あ、いや、でもまぁある意味魔法って呼んでもいい能力だよな。この力は一体なんなのか? 超能力か、はたまた魔法なのか?


「もう佑奈様、聞いてます?」


「ああ、はいはい、聞いてる聞いてる。でもちょっと落ち着こうか」


「私は十分落ち着いてます。あ、そうだ。これから佑奈様のこと魔法少女って呼びましょう! 子供の頃よく見てたんですよね。佑奈様、空は飛べたりしません――、あ、いたっ!」


 あんまりバカなこと言うから頭小突いてやった。


「佑奈様、痛いです~!」


「おふざけはそれくらいにしといて。だいたい私は二十四歳だし。少女じゃないし。魔法使ってもいないし、空も飛べまっせん! はいはい、もう戻ろ、戻ろ~、お開きね~」


 まじきりないから。あとは一人のときにこっそりやろ。額の石っぽい奴のこととか……。


「は~い。すみませ~ん。でも……、佑奈様、見た目はどうひいき目に見ても高校一年ってところ……」


「え? なんか言った?」


 つい声のトーンが下がってしまうのは仕方ないことだと思う。


「あ、いえ、なんでも、なんでもないです! ささ、お風邪をひいてはいけませんから。戻りましょう戻りましょう! このことはちゃんと上に報告しておきますね~」


 ったく。ほんと調子いいんだから。



 ああ、でも、別に上に報告なんてしなくていいんだよ~?


 知られたらメンドクサクなるだけなんだからね~。



 そう思いながらも口に出して言えない、ヘタレな俺なのであった。

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