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§1

タイトルのとおり、最終的に人類滅亡というハピエンになるお話です。


主人公及び作品自体の思想・クセが激つよのため、ご自身と異なる考えを流せない・流さない方は絶対に見ないでください。


普通に文章が未熟なのは目をつむってください

続くかも未保証

その日私は治験バイトの後に口コミで評判のよいラーメン屋に向かっていた。駅前は電気屋や飲食店が立ち並び、人通りが多い。


地図がまともに読めない私にはグーグルマップのナビゲーションだけが頼りである。歩きスマホにならない程度にチラチラ画面を見ながら進んでいた。


「キャーーーー」

「ワーーーー」


そこへ突如女性や男性の悲鳴が聞こえてきた。

若い人がはしゃいでいるというわけではなさそうで、まじで恐怖を感じる悲鳴である。

なんだ?

悲鳴のした方に顔を向けると大型トラックが猛スピードで近づいて来る光景が目に入った。

え?


まさかトラックが暴走してる?ぶつかるのか?

考えられたのはそのくらいだった。


・・・・・・

・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・

・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・

・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・



「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい」



誰かが痛がっている。

誰か?

違う。私の声だ。

身体中が痛くて痛くて痛くて何がなんだかわからない。

視界も悪い。

血の生臭い匂いと焦げ臭い匂いがする。


どうやら私は怪我をしたようだ。

ピクリとも動けない。

どこを怪我しているのか把握できない。


次に段々と痛みが引いてきた。

猛烈に寒くなってきた。

だがまだ痛い。


死ぬのだろうか。

やっと死ねるのだろうか。


私はずっと死にたかった。

当たり前だ。

週のほとんどの日に毎日ほぼ全ての時間働かされてさらに働くための準備。これらが生活のほとんどを占めている。仕事で心配事やミス、嫌なことがあれば休みの日もそのことで頭がいっぱいになる。何も面白くない。何の意味もない。何の価値もない。クソみたいだ。

では労働がなければ幸せなのか?そんなことはない。将来への不安、孤独、貧しさetc。労働がなくても様々な感情がある限り不幸だ。


働いて、食べて、排泄して、働いて、食べて、排泄して、働いて、食べて、排泄して、それをいやいや繰り返すだけのうんこ製造マシーンが私だ。


こんなことはなるべく早く損切りするのが良いことは重々承知している。だが、1歩が踏み出せない。その勇気を絞り出すことはなかなかにエネルギーが必要なことだ。ぐずぐずと死ねなくて、ここまできた。


トラックにはねられて、失血死なのだろうか。それとも脳や心臓などの重要な臓器が損傷したのだろうか。いずれにせよ、外傷で死ぬことになるとは予想していなかったな。というか、本当にすっぱりと死ねるのだろうか。いわゆる、植物人間になったりしたら本当に最悪だ。いろいろ体の機能が欠けるのも非常に困る。そもそも治療に時間もお金もかかるだろうし。ただでさえ頭が悪くて本当に日々大変なのだ。これ以上大変になるのは無理だ。私には耐えられない。


頼む、ここまできたらすっぱりと殺してくれ、この状態から生き残るのは勘弁してくれ、頼む頼む頼む頼む


こんなに痛くて見た目も凄惨な死ぬ方をするとは思っていなかった。できれば清潔な布団の上で痛みや苦しみがない状態で眠るように枯れるように逝きたかったよ。うまくいかないものだ。死刑囚でもこんな痛い死に方はしないだろうに、何で私がこんな死に方なんだ、少々理不尽に思う。


そんなことをつらつらと考えているうちに私の意識は途切れた…

私は無になった。



・・・・・・

・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・

・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・

・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・☆・・・・・


…ず ゆず…

起きよ



もう朝か。最悪、全然寝た気がしない。今何時だ。何曜日…

てかアラームこんな女の人の声みたいなのに変えたんだっけ?

声優さん誰


起きなさい!


ヒッ、強く呼ばれてビックリした。

アラームじゃないのか?ここは…病院??


「ここは死後の世界。そなたは死んだ」


ん…?


「死後の世界?…死んだ…?」


周りを見渡すと、なにもない、真っ白な空間だった。白い壁に囲まれているというわけでもなく、ただ白く光って続いている…ように見える。現実味のない光景だ。


そして正面には、これまた神々しい感じに光っている女性の姿があった。

よく見かける宗教画に描かれているような、真っ白でもちもちしていそうなお肌に淡い色で緩く波打つブロンドヘアーだ。美しく整い柔和な顔立ちだが、どことなく寂しげな無表情である。


「我の姿はそなたの中の神のイメージを模しておる」


「はあ…」

確かにすごく神っぽい。

ここが病院でこの人(?)が医者という風には見えないかも。


だんだんと頭が動いてきた。

そうだ、さっきトラックにはねられて大怪我して転がってたはず。それが今はなぜか立っているし、見えているし、どこも痛くない。

ということはこれは夢か…あるいは本当に死後の世界か。



「本来人間にとっての死後の世界などは存在しない。死んだらその精神はこの場所を通るが、見たり聞いたり考えたりといったことはできない」


「えっと、はい」


「今そなたが我と会話ができているのは、そなたに頼みがあるゆえ。ここでの仮初めの肉体を与えたのだ」


「はあ」

なんだこのなろう小説のテンプレ展開は。もしかしてあれらって実話ベースだったのか??


「必要なときに人間と会話するのはたまにあることだ」


「まじですか…」

というか思ったことまで聞かれてる系?


「当然、その肉体は単にそなたのための器にすぎないのだから、発声しようがしまいが、我には関係のないことだ」


「なるほど…」


普通なら意味不明すぎて放心するのかもしれないが、幸か不幸か耐性らしきものがあったのでいったん現状を受け入れることにした。

神様の方を見るとこちらから聞くのを待ってくれている気配がする。


「ええと、では私は何をすれば…?」


「地球上から全ての人間を消してもらいたいのだ」


「はい???」

聞き間違いかな?

今、全ての人間を消せって聞こえたんだけど…


「聞き間違いではない。ひとり残らず消してもらいたいのだ。そなたに任せられるだろうか?」



無理。

とりあえず、できるかどうかと言われたら無理に決まってる。私にそんな力はない。

てか神様めっちゃロックだな。そうか神は人類滅亡を望んでいるのか、いつの間にそんな怒りを買っていたんだ。ドンマイ、人類。もう終わりだよ。来世がんばれ。来世なんかあるのか知らんが。文明が発展しすぎたから地球環境への配慮で1回0に戻す的な感じなのだろうか。ノアの方舟的な。というか私ひとりなのだろうか?まさかそんなことないだろうから、分担するのかな1人1殺?それなら仕方ないが…ひとりくらいならなんとかやれる…か?はあ…死んでまで働かないといけないなんて最悪だ、萎える。それもこれも全て、生まれさせられたせいでこんなことになってる…もう人生やめたい。あっ、もう終わってるんだった



こっちの思考は筒抜けになっているはずだが、神様はこちらを黙って見つめている。どうやら私の理解がいろいろ追い付くのを待ってくれているようだ。さすが神様、コミュ力が高い。


とりあえず1番聞きたいことを聞いてみる。

「分かりました。私はどこの誰を消せば良いのでしょうか?」


「そうではない」

神様はゆっくりと首をふった


「どこの誰ということではなく、全てだ。そして、これ以上増えないようにしてほしいのだ」


ほう、なるほどそういうことですか。てっきり血祭り開催なのかと思っちゃいましたよ。けれどそれなら

「それだと、私が何をすれば良いのかよくわからないのですが…

神様は人間が繁殖できないようにできるのですよね?」


「ああ。人間から繁殖できないように設定することはそれほど難しいことではない。だがな、ある日突然、新しい人間が生まれないようになったら何が起こると思う?」


新しい人間が生まれなくなったら。それは私が生きている間中、何度も想像したことだから、さほど間をおかず答えられる。

「最初は大混乱でしょうけど、徐々に順応して、最終的には都市とかが荒廃しつつ滅んでいくんじゃないですかね」


「それだ」

神様の目がはじめてきらりと輝いた。

「突然繁殖能力を消したりしたら、混乱、荒廃は避けられない。我はそれを避けたいのだ。我は人間の設計に失敗した。人間はどんな状況下にあっても、互いに争い、傷つけ合うことを止めない。だからといって干渉がなくなると孤独になり、狂う。どんな状況下でも苦しみを感じてしまうのだ。我の作り出した生き物にいたずらに苦しませることは我の本意ではない。できる限り苦痛を与えず、眠るように消し去ってやりたいのだ」


「…」


素晴らしい考えだ。

何も反論すべき点がない。全くもって正しい。しかし…

「…んで」


自分の考えなんてほとんど口に出したことはない。意味がないからだ。黙っていた方がましだ。余計なことはするべきではない。しかし、死んでしまったからそのあたりの抑制がうまくできないのだろうか。口が勝手に戯言を吐き出してしまう。


「なんで今なんですか?なんで私の人生が終わった後にやるの?あと10年でも20年でも早くやってくれれば私はこんなに苦しまないで済んだのに!!」


怒りしか感じない。


「なんで私がそんなことしなくちゃならないんですか?全部あなたが悪いんじゃないか!あなたがいい加減に欠陥だらけの生き物作ったから!!あなたが自分で何とかしてください!私にこれ以上仕事させないで!!」


惨めすぎる。

善行なんてしたことはないし、散々迷惑をかけてきたが、わざと他人の財産を奪ったり、怪我をさせたりしたことはなかった。それこそ下の下の下のスペックだったが、何とか頑張ってきた。これ以上やりたくないことなんかしたくない。何もしたくない。涙がでてきた。

また働かせられるの。いやだ…いやだ…いやだ…。死にたい、もう死んでるなら、消えたい…



「私はやりたくありません!無理です!他の人に言ってください。私はもう終わりにしてください。はやく消えたいです。お願い…消えさせて…」


人前で泣くなんてみっともない。恥ずかしい。呆れられる。だが感情を抑えることができない。今までの苦しみの日々も思い出され、泣けてくる。悲しかったこと、悔しかったこと、辛かったことが何度もリフレインする。もう一瞬たりとも耐えられない耐えたくもない。ただ、無になりたいのだ。やっと死ねたと言うのに、一体何なんだこの状況は!!


いつの間にか神様はすぐ横に来て、みっともなく泣きじゃくる私の肩を優しくなでてくれていた。

「すまなかった」

「よくがんばった」


繰り返し、謝罪と労りをくれた

しばらくそうしており、私が落ち着いてきた頃、


「生き物が死んだ後、無になるわけではない」

神様が静かに話し出した。

「精神がここを通った後、ばらばらになり、他と混ざり合う。時を経て、新たな精神となる」


私は返事をした。

「元の生き物とは全く別の個体になるわけですよね。それなら消えてなくなるのと同じだと思います」


「当然、前の時の記憶は存在しないし、全くの別物だ。確かにその意味では、消えてなくなるという風に解釈することもできるな」


神様は続けた。

「一方で、こうも言える。そなたの一部が再び人間になる可能性がある」



「また人間に…」

嫌すぎる。

なんだそれ、罰ゲームすぎるだろ、人間とか。

いやだったら他の動物とか虫とかなら良いのかと言われるとそれはそれで嫌だが、人間は外れすぎるだろ!!頼むから勘弁してほしい。生きるのに向いてないからやめてほしい。

しかし私の一部と言っても生まれ変わりとかではなく、全くの別物だ。どうでもいい存在ということでセーフなのか?


ぐるぐると考えのまとまらない私に神様が優しく言った。


「先ほどは言い方が良くなかったな。そなたにばかり我の尻拭いをさせようというのではない。よりよい終焉に導くため、そなたに我々のサポートを頼みたいのだ」


「我々?」


「我のような神と呼ばれる存在が複数いる。その者たちを指揮してほしい」


「指揮ですか…」


「ああ。そなたは動かず、指示するだけだ。顎で使ってくれ」


神様を顎でつかう?

まじか…


「どうだろう。ある意味ではそなた自身のためでもあるし、この先の数多の人間たちをさらなる苦しみから開放してやるためでもある」



「理解しました。けど何で私なんでしょうか」


「無論、必ずしもそなたでなければならないということはない。

しかし、我がこれまで適任者をさがしてきたが、そなたがもっとも人間をよりよい終焉に導くことができると確信している。

誰にでもできることではない。期待しているが、深刻に考えなくていい。できる限りのことをやってもらえれば構わない」



「…」

それならやってみてもいい、かな?

手伝いだけでいいし、何の責任もないなら…


「よかった。ありがとう」

神様はほっとしたような表情を見せた。



「生前のそなたの身体は修復が難しい状態ゆえ、作業の間、代わりの器を用意する。


そなたが快適に過ごせるよう、世話するものをつける。地上で目覚めたら、まずはその者たちからこの後の具体的な段取りを聞いてくれ。


我とはいつでも連絡がとれるし、ちょくちょく顔を出すつもりなので心配するな」



至れり尽くせりである。

それでも不安で、余計なことをすべきではないのではないか?やめた方が良いのではないか?と考える自分もいる。

だがどちらかと言えばやってみたいに気持ちは傾いている。


たとえひとりだけでも、私の力で生の苦しみから救ってあげられる人がいるのなら。



神様は優しく微笑み、しっかりとうなずいた。

「ではそなたの精神を地上に送る。また後でな」


私は意識を失った。





残り:およそ81億




主人公がめちゃくちゃごねるので、導入に手間取った…



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