06.ありふれた「成長」と「罠」と「お宝」
時計のない世界で時刻は推定でしかないが、おおよそ朝の11時頃にダンジョンに入り昼の1時頃に出てきたと思う。キャンプ場所に戻って結界の中に入ったとたんどっと疲れと安堵が押し寄せ、へたり込み遺跡の壁にもたれかかった。水筒を1本空にし、シオンを見やる。シオンは膝を抱えるように背を丸めて座り、自分の手を見つめていた。最初にパーティを組む条件で『殺す覚悟』を持つと約束したが、現代日本の女子高生にその重みや意味が理解できるわけがない。実際に刃が相手の肉体に斬れ込み、血飛沫を浴び、血と内臓の匂いにむせて初めて実感するんだろう。裏世界の魔物だろうと命に変わりはなく、それを自分の経験値のために奪うエゴイズム。その罪深さを、シオンは初めて実感しているのかもしれない。なにか言葉をかけたいような気になったが我慢した。シオン自身で決めなくちゃいけない問題だと思うからだ。そしてその問題はボクにもかかってくる。命を奪う行為に悩むシオンを見て、チュートリアルでバーチャルな魔物をリアリティなく殺すことに慣れてしまった自分に気がついた。あまりに屈託なく魔物を斬り殺してはいなかったか。そのうち殺すことに慣れ、殺すことに快感を覚えるようにならないとも限らない。殺戮中毒者になる気はない。自分を戒めようと思った。手の平を見詰めていたシオンがぎゅっと手を握る。顔をあげボクと目が合うと立ちあがってボクの横に座り直した。
「『殺す覚悟』ってこんなに重いものだったんだね」
「懲りた?」
「いえ」
シオンはなにかいいかけて口ごもり、唇を結んだ。生存のためでなく成長の糧とするために他の生命を殺す行為なんて、どういいつくろっても言い訳になる。生贄を要求する魔王みたいなものだ。ボクが前に気がついたことをシオンも気がついたのだろう。
「ならパーティ継続だ」
シオンが水をあびたいといったので見張りを引き受ける。たっぷり時間をかけ水浴びしたシオンが交代してくれたのでボクも水浴びした。シオンは倒れた柱の上で光玉を圧縮する練習をしている。重力魔法は放出系とは真逆で圧縮吸引系なのでなかなかに難しいはず。髪も身体もサッパリした後、服と下着を水洗いする。暑くもないのにかいた汗で下着もシャツもベトベトだった。平気なふりをしていたが、内心情けないくらいにビビっていたのがバレバレだ。革鎧や防具を外せて身体も心もサッパリすると急にお腹が減ってきた。シオンに魔法の練習がてら火起こしを頼み、ボクはトカゲが解体した獣肉をステーキサイズに切り分けた。塩胡椒してふたりの鍋ケトルを同時に火にかけ、じっくり焼く。こんな危険な場所で寄生虫や食中毒で動けなくなったら死に直結するからウエルダン一択だ。ソースとして肉汁に醤油を混ぜてかけてみる。サラダがわりに生の水葉芋を添えて。じゅうじゅうと焼きあがった獣肉にひと口かぶりついてシオンと目を見交わす。
「うっもーひ」
ハムスターみたいに頬を膨らませたシオンが歓声をあげる。ゴリゴリに火通ししたというのに噛むまでもなくフワッと切れて、口の中に肉汁を溢れさせ淡雪のように溶ける。醤油との相性も抜群だった。
「うまいね。これなら干し肉にしてみる価値あるな」
「干し肉なんて作れるの?」
「薄めに切って塩水にひと晩漬けて日陰で2〜3日干すって読んだだけ。だけどやっってみる価値はある。保存食になるから」
「じゃあ、食べ終わったら干し肉作りにチャレンジね」
銀座のミシュラン級ステーキ店より美味な肉を使った干し肉なら、素人作りでも美味いだろう。銀座のミシュラン級ステーキ店なんて入ったこともないけどね。まずは肉を干すための干し台作りだ。洗濯物干し場として使っていたV字に横たわる倒壊石柱に何本も木の枝を渡す。上に葉のついた枝を乗せて屋根にする。これで日陰確保。日陰の中に葉を払った木の枝を立てかけ、小枝を軽く削って串になるようにする。これに百舌鳥の早贄みたいに肉を刺し吊るせばいけるだろう。その間、シオンは洗った鍋ケトルに塩水を作り薄切り肉を漬けていく。塩水を作るのにボクの塩の瓶半分がなくなった。肉を漬けた鍋ケトルを日陰に置いて、獣避けに結界魔導器ごとリュック類を日陰スペースへ入れる。これで今日できることはひと通り終わった。夕暮れまではまだ時間があるしいよいよゲットした覚値を振り分ける。
***********2日目
名前:シオン
【ステータス覚値:0/9】
筋力:3+2 敏捷:9+1
知力:8+1 精緻:6+3
生命:5+2 感覚:9
**************
***********4日目
名前:ミナト
【ステータス覚値:0/9】
筋力:5+2 敏捷:10
知力:10 精緻:2+4
生命:5+2 感覚:8+1
**************
ボクは初期振り分けの反省から精緻性を優先して4ポイント振った。補正を経て精緻の各項目が9になる。誤差は63%に減少し、筋肉を1.5倍緻密にコントロールできるようになり、筋肉と脳の間を行き来する単位時間あたりのフィードバックループが1.5倍に増える。感覚は戦闘にも索敵にもあらゆる面で有意なので1ポイント振る。筋力と生命力中の特に持久力をあげたいので2ポイントずつ振った。シオンはバスケ少女の特性により筋力や敏捷性に最初からアドバンテージがあるため総筋力値が+2の5でも脚力や腕力などの項目が8〜10ポイントになってる。魔法のために知力に1振り、敏捷性にも1振る。生存性を増すために生命力に2ポイント振った。ボクが精緻性を低くしたためにとんでもなくズレた切り込みをするのを見て精緻性は重要だと思ったのか、バスケアドバンテージがあるにもかかわらず精緻に3ポイントも注ぎ込んでいる。食休みをして素振りと立木斬りつけ訓練を行い、汗かいたので2度目の沐浴をした。いい季節に当たったようで湿気がなく暑くも寒くもなく微風が吹いて洗濯物がすぐ乾く。焼いておいた肉とキノコスープと携行食スティック4分の1ほどで夕食とした。食後は剣の研ぎに精を出す。
「ミナトって大学生だったよね。ウチは大学なんてまだ先だと思ってたから進路とかなんにも考えてなかったけど、ミナトは大学でなんの勉強しようとしてたの?」
シオンが剣の研ぎを軽く終わらせて鞘にしまいながら聞いてきた。
「物理学。特に興味があったのは量子力学っていう分野だよ」
「うわ。聞くだけで頭がこんがらかりそうな世界だ」
シオンがヒップバッグからサバイバルナイフを外しこちらはやや慎重に研ぎ始める。
「ボクは身体的には障害だらけ、6割の人には知的障害も現れるっていう病気だったんだ。ボクの場合は精神的な遅滞が起きず軽度のサヴァン症候群的な現れ方をしたみたいで記憶力や計算力が人より強いんだ。おかげで入試は楽だった」
「サヴァン症候群?」
「うん。まあ簡単にいっちゃえば特定の分野だけ突出した能力が見られる症候群だよ。計算とか暗記とか芸術的感性とかが突出して優れてるけど、社会性とかコミュニケーションとかがよろしくなかったりって感じ。自閉症や発達障害と関係してる場合がある」
「あ。なんかネットで見たことある。一瞬だけ見た風景を写真撮ったみたいに記憶して細密に描けちゃう人」
「写真記憶っていうやつね。ボクは計算とか記憶が人よりいいって面もあって理学系を選んだわけ。その中でも量子力学の世界は不思議さと驚きと未解明の謎がいっぱいでね。とにかく面白いんだ。ボクたちがここに第2の生を授かれたのも量子力学のおかげだし」
「不思議?」
「いちばん不思議なのが『観察』っていう現象。概念っていった方がいいかな。光や電子って観察されないときはボヤンと雲みたいな状態の波なのに、観察された瞬間粒子として振る舞う。観測されないうちは波状態と粒子状態が同時に重なり合っている状態だっていう。そんな不思議状態は光子や電子みたいな超ミクロな世界の話かと思ったら、シュレーディンガーって人が提唱した思考実験で『シュレーディンガーの猫』っていう有名な話があってね。マクロな世界でもそういうどっちつかずの重ね合わせ状態になり得るって示したわけ」
「猫?」
「残酷とかいいそうだな。あくまで思考実験だからね。放射線検知器に毒ガスを組み合わせて、放射線を検知したら毒ガスが放出される仕掛けを作るわけ。その仕掛けと1時間に1個だけ放射線を発する放射性物質を箱の中にセットし、最後に猫を入れて蓋しちゃう。放射線は1秒後に発せられるかもしれないし1時間後かもしれない。放射線が出たら仕組みが働いて毒ガスが充満し猫は死んじゃう。さて、そしたら蓋を開けて観察するまで、箱の中は猫が生きてる状態50%と死んでる状態50%が重ね合って存在することになる。ミクロの世界の量子状態をボクたちの現実サイズにまで拡張できちゃうわけ」
「残酷なオヤジね。そのシュレーディンガーオヤジ。生きてるか死んでるかどっちつかずの状態って。そんなの変」
「そういう変なことが溢れてるんだ。量子力学の世界って。だから面白い」
「猫飼いたかったなー。ママが猫アレルギーで」
話はそこから友達の飼っていた猫の話と通学路の塀にいつもいたボス猫の話になり、魔法使いが連れている使い魔の黒猫話から魔法と魔法イメージの関係の話になる。他愛のないJKトーク。まさか自分がJKトークに参加するなんて思っても見なかった。日が傾き始め、一番星が光る。
「あ。じゃあさ。思いついたんだけど。ウチがいまそこの柱の裏に隠れたとしたら、ウチは死んだウチと生きたウチの重ね合わせってモノになるのかな。分身の術みたいに」
「毒ガスと放射性物質忘れてるけど、まあ考え方は合ってるかな。でもそうならないのはこの世界のすべて、ボクもシオンも草木もそこらの空気の原子もぜんぶが女神ルキナの観察下にあるからだろうっていう考え方も一説としてある。重ね合わせはあくまで観察されていないときっていうのが前提だからなんだけど、量子論の世界ってまだわかってないことだらけなんだ」
「覗き屋女神か。プライバシー侵害で訴える。あ。ちなみに死んでるウチと生きてるウチだけしか許されないの?」
「うーん。いや、笑ってるシオンやあくびしてるシオンなんて感じで可能性の及ぶ限り無限・無数のシオンが重ね合うこともできると思うな。量子コンピュータなんて計算結果の多重重ね合わせで普通のコンピュータを凌ぐ計算能力を得るって仕組みだし」
「じゃあ、女神ルキナの見てないところだったら忍法分身の術ができるのかー」
「いや、忍法分身の術とか叫びながら無限の分身状態で現れても、観察された途端にシュッてひとりだけのシオンに収斂しちゃうなきっと。そもそもこの世界を造った女神だからね。目の届かないところがないんじゃないかな?」
「使えないじゃん量子力学!」
ふたりしてあははと笑った。量子力学が作り出した人工知能女神が量子力学的観察により世界を作り出し、量子力学で作られたゲートから量子テレポーテーションによって世界の境界を超えてボクは生まれ変わった。量子力学は充分使えるけどね。話が途切れ、シオンは魔法のイメージトレーニングに励み出した。ボクは日が落ちる前に池の対岸の土手で一面に群生している白い花みたいのを調べてみることにした。革の胸鎧やコルセットは外したまま、剣を帯びヒップバッグを締める。結界魔導器をともなって用心しながら歩く。近づいてみると花のように見えたのはたわわに実った白い実だった。
『ovo buterburo。卵蕗。場所を選ばず荒地にも密生する重要な植物タンパク源。葉と茎は蕗に酷似した味と食感を持ち煮物や炒め物に。実は割ると卵のような黄身と透明ゼリーが現れる。卵より濃厚な味。食用』
「え。卵?」
思わず口に出た。フキ部分も食べられる。大発見だ。さらに左手奥。低木のもつれた天蓋の下、常時日陰になりそうな場所に巨大なモヤシみたいな植物がモサモサと密生していた。こちらも触ると食べられるとわかる。
『cevalvosto fazeolo。土筆モヤシ豆。日陰に群生。地下茎で繋がり頭部の豆状カプセル部が生育すると割れて胞子を撒く。高タンパク質。食用』
ナイフを抜いて卵蕗を4本切り取る。それぞれに6個卵の実が生っている。土筆モヤシは根元にナイフを入れ、大量にゲット。鍋ケトルが入っていたいちばん大きな布袋に詰める。木々を通して奥の方にも左手一帯に卵蕗の群生と土筆モヤシの密生が見える。携行食スティックがなくなっても栄養面で困ることはなさそうだ。シオンの元に戻り首尾を報告する。土筆モヤシを水洗いして生で齧ってみる。アスパラのような青味があり、豆部分は甘く茎は淡白で瑞々しい。サラダにもなるし炒めても美味そう。卵の実を割ってみるとまさに卵そのものの白身と黄身がたゆんと揺れ、啜ってみると濃厚な黄身の味が広がった。シオンにも差し出す。
「あ。おいしー」
「明日、鍋が空いたら目玉焼きを作ろう。蕗は生だとちょっと固いな。これは煮てみる」
「わあ。楽しみー」
シオンは見た目ではいろいろ吹っ切れたようだ。それでも魔物との戦闘は精神的にも肉体的にも疲弊させたのだろう。夜になって間もなく眠ってしまった。ボケボケしながらも塩をつけた指で歯磨きは忘れないところが文明人の証。そういうボクも命のやりとりで死にかけるなど初めての経験で、芯がずしっと疲れていた。硬い石畳にマントを敷いただけだというのに朝まで爆睡してしまう。この世界にきてからじつに快眠だ。シオン3日目。ボク5日目の朝。ボクたちは携行食スティックと水葉芋と土筆モヤシ豆の生サラダで簡単に朝食を済ませた。
「ダンジョン入るけど、どうする?」
「いく」
という簡単な会話でシオンはあたりまえのように同行した。ひと晩の間に罠が増設されているかもしれない。昨日通った道だが油断せず、エコーロケーションで探り探り進んだ。十字路を左に折れて昨日の部屋に向かう。入り口横の壁に背を当て、そっと覗き込む。焚火は消えているが空気は光るし暗視能力もあがってるしで、最低限の視野は確保できる。奥の水場までは見えないが部屋の中ほど、魔物の焚火跡あたりまでは見て取れた。魔物はいないように見える。昨日のままだ。昨日放置した大きく切り分けられたブロック肉。焚火の跡。転がった槍と棍棒。まだ血肉のついた骨の山。積み重なって盛りあがる内臓。念の為に光球を飛ばして明かりを確保し、ゆっくり部屋に入る。焚火跡に達したとき、視野の隅で何かが動いた。先に気がついたのはシオン。
「ミナト。なんかいる!」
剣を抜きざま目をやると打ち捨てられた赤黒い内臓がたゆんと揺れた。その下になった腸のとぐろ、だと見えた何かがずぞぞっと滑り動く。赤白い腸に見えたが全長1mにもおよぶ長い蟲だった。ズルッと血の糸を引いて先端をボクの方に向ける。ひとつが握り拳くらいある体節が10個ほど連なって、そのひとつひとつの節からイトミミズみたいな触手が左右8本ずつ伸び出しずりずり床を擦って体躯を動かしている。総毛立つほど気持ち悪い。ぎちゅっという歯軋りみたいな鳴き声をあげ、血肉まみれの先端を高くもたげた。
「蟲!」
シオンが悲鳴のように叫ぶ。ボクも虫は嫌いだ。
「内臓食ってた。強化されてる。シオン。気をつけて」
多分速いだろうと予測した通りだった。糸触手を操って驚くほどのスピードでボクへ迫ってくる。先端の丸い部分が頭なのか。ディスポーザーみたいな口が丸く開いていた。心臓がぎゅっと縮んで全身が総毛立つ。驚きはしたが怯んではいなかった。左横に飛び退きざま手にしたロングソードを振る。ステータスをあげた効果か、ロングソードの先端がジャストヒットして、長蟲の3分の1ほどを斬り飛ばした。宙を飛んでシオンの足元に転がる。シオンが喉奥で小さく悲鳴をあげ脚を引いていた。ボクの足元に残った3分の2がじたばたとのたうってまだ動く。と。ミチッと音がして蟲の体が体節から引き剥がれていく。一瞬で体節1個1個が独立した蟲になった。
「きゃあ」
視界の端に尻餅をついたシオンが見える。最初に切り飛ばした蟲の前部が切断部の死んだ体節を残して3つにバラけてシオンに向かっていた。助けるどころではない。ボクの方には6個もの分裂した蟲が迫ってくる。あまりの気持ち悪さに下半身から力が抜け、おしっこ漏らしてしまいそう。元オトコのプライドでかろうじて耐えた。剣を振るが的が小さくなったため当たらない。4回振ってかろうじて1匹断ち割ったくらい。こういう状況だとロングソードは取り回しが難しい。鞘に戻す間はないのでそのまま手を離して床に落とした。ガランガランとけたたましい音を立てる。蟲が一斉に剣の方へ正面を向けた。地下生物だから音と振動に敏感なのだろう。腰のサバイバルナイフを抜いて斬りつける。3匹を切り伏せた。足に飛びついてきたやつを振り払おうと脚をあげ、結果として踏み潰してしまう。グチュっと気味悪い音をたてて蟲がトマトみたいに潰れる。外殻は硬くない。赤や白やらの内臓をぶちまけるオゾマシイ感触が靴底から伝う。最後の1匹も踏みつけて殺した。詰めていた息を噴き出しながらシオンを見るとシオンが最後の1匹を石で潰し終えたところだった。
シオンのブーツの踵は左右ともネトネトの赤白マダラで汚れ、1部は頬に飛んだようでそこから左襟にまで得体のしれないどろっとしたモノが垂れている。ボクは靴底全体がドロドロのグチャグチャだ。あたりをうかがい他に脅威がないことを確認して尻餅をついた。剣を拾って乾いた水葉で刀身を拭い背の鞘に戻す。内臓の臭いなのか蟲の消化物の臭いなのか、とにかく生臭い。
「シオン。大丈夫?」
「うー。気持ち悪いだけ」
「触りたくないけど‥‥」
知識は武器だとの信条で断ち割った蟲に触る。さすがに踏み潰したグチャグチャに指を突っ込む勇気はなかった。
『konektanta insekto 連結蟲。魔界の生物。雑食。ダンジョンの清掃役。雌雄同体の結節が2個連結して生殖。子蟲を次々に連結して共生体となる。傷つけられると分裂して逃走する。攻撃性は低いが強化状態時は攻撃性が強まる【強化状態】』
シオンもイヤイヤ触っていた。警戒しつつ壁にもたれて休憩をとり水を飲んだ。魔物の分解消滅が始まり身体の芯がブルブルと震える。ステータスパネルを開いてみるとステータス覚値が4ポイント増えていた。シオンも身体のウズウズを感じたのだろう。ボクの手の動きを見て自分のステータスパネルを開く動作をしていた。
「覚値が4ポイント増えてるね」
「うん。最初の連結していた状態で1匹としてカウントされずに、分裂した状態で10匹としてカウントされたみたい。強化状態は経験値3倍増しのはずだから、通常状態なら200ポイントって感じか。それが3倍増しで600。そして10匹分で6000アップってことだと思う。すると昨日のトカゲの分と合わせてボクたちの稼いだ経験値は18000になって覚値13ポイント分に達したってことだな。たぶんこの計算で合ってるはず」
蟲が分解して魔素に還元されるにつれ生臭さも消え、柑橘系オゾンの清々しい香りとなって気付け薬のような効果を発揮する。へたった疲労感がわずかに回復しステータスを振り分ける気力も出た。じっくり考えて後で振り分けるのもいいけど、ここはダンジョンの中。賭け金は自分の命なんだからステータスの強化を出し惜しみしている場合じゃない。ボクが振り分け動作をしているのをみてシオンも振り分けていた。シオンは筋力と敏捷と精緻と感覚を1ポイントずつあげたようだ。ボクは知力と敏捷と精緻と感覚を1ポイントずつあげる。
************3日目
名前:シオン
【ステータス覚値:0/13】
筋力:5+1 敏捷:10+1
知力:9 精緻:9+1
生命:7 感覚:9+1
***************
************5日目
名前:ミナト
【ステータス覚値:0/13】
筋力:7 敏捷:10+1
知力:10+1 精緻:6+1
生命:7 感覚:9+1
***************
息も整い動悸も収まってシオンと目を見交わす。げっそりはしていたがまだ活力はあるようだ。
「なんか‥‥ドタバタだ」
つい口に出して呟く。
「スマートじゃないわー。ホント。頭で考えるのと実際は大違い。ドタバタだよー」
お互いに引き攣りながらも笑いが浮かんだ。
「シオン、まだ行ける?」
「うん。でもちょっと。揮発して消えたけど顔とかブーツとかちょっと拭かせて」
「ううう。確かに汚れてる気がする」
シオンが水葉を出して顔を拭く。ボクも水葉3枚を使って顔と手とブーツを拭いた。それからふたりしてどっこらしょと年寄りじみた掛け声を発して立ちあがり、部屋を出て十字路まで引き返す。十字路を右、南方向に行けば出口。左の北方向と正面の東方向はまだ足を踏み入れたことのない場所。北方向に伸びる通路は入り口から進んできた通路の直線的延長でメイン通路っぽい。メインイベントは最後に取って置くことにし、正面の東方向へ進む。通路は魔物部屋への通路と対称なのか20mほどで左に直角に折れた。角から覗き込んだ先は魔物部屋への西通路とは違い、まっすぐ奥に伸びた通路の右壁面に幾何学模様を掘り込まれたドアが何個も等間隔で並んでいる。手前のドアふたつは薄闇でもなんとか見えた。その向こうはうっすらドアの輪郭。闇に溶け込んで奥にもドアが続く様子。動くものはない。気配も物音もしない。壁に耳をつけて反響音を聞いても脅威になりそうな音は聞き取れない。
「ドアに仕掛けはないみたいだ。順番に手前から見ていこう。ドアに向かってシオンは左。ボクは右に立つ。ボクがドアを開けるから、シオンは光の球を用意して投げ入れて」
なんとなく声を顰めて話してしまう。ガンアクション映画なんか絶対に観ていないだろうシオンはドアの左右に分かれて立つ意味をわかっていないみたいなので追加説明をした。
「ドアの真っ正面に立つと、開けた瞬間に中から槍かなんか投げつけられたらもろにやられちゃうでしょ。ドアを開けたらひと呼吸待って、なにも起こらないのを確かめてから光を投げ込んでね。中を覗くのもサッと一瞬だけ顔を出して見る。ってくらい用心しても用心し過ぎはないと思う」
「わかった」
シオンの表情が引き締まる。そんなシオンに目で合図し、いちばん手前のドアの両横に張り付く。ドアの左にシオン、右にボクが立つ。右手に光球を出すシオンが身体を半回転させて投げ込みやすいポシションだ。ボクの側の表面に取手のような突起がある。つかんで軽く押し引きしてみた。押し開きのようだ。建てつけは軽い。シオンが光球を用意し、ボクがドアをトンと押し開ける。ドアは滑らかに開き軋み音などは生じない。部屋にはなんの動きも生じなかった。ひと呼吸おいてシオンが光球を投げ込む。素早く頭だけ出して覗き込むと5メートル四方ほどの小部屋。何もない。ふたつ目の小部屋も同じ手順で中を見た。エコーロケーションで探ると天井付近になにかモヤッとした質感を感じたが動く様子はない。床もデコボコした感じ。ちょっと警戒しつつドアを開け、シオンが光を投げ入れると同時に天井を確認した。部屋のサイズは前の部屋と同じ。天井に感じた質感は石組を突き破った木の根だった。天井の半分くらいが脱落してボクの脚より太い2本の主根が伸び、そこから生えた無数の側根が枝のように拡がった状態が目に入る。床には天井の瓦礫が散乱していた。
そしてみっつ目の小部屋。エコーロケーションで部屋のサイズは同じだろうと見当がついた。天井のあたりにデコボコしたした変形。根による圧迫変形だろうか。奥の床上に小さな塊を感じ取ったが、どこにも動きは感知できないし罠の機構も感じられない。手順通りドアを開け、一拍置いてシオンが光を投げ入れた。真正面の部屋の奥、床の上にぽつんと石の箱が置いてある。石棺と呼ぶには小さい。30cmほどの立方体で、蓋と側面に彫られた紋様が人工物だと告げている。いかにも怪しげな石の箱に気が引かれ、天井の変形のことなどさっぱりと忘れてしまった。さすがにシオンも学習したようで、無警戒に飛び込まない。ボクは入り口に立って棒を伸ばし、棒の先で床石をコツコツ押し叩いた。罠らしき構造をエコーロケーションで感知しなかったとはいえ、念には念を入れる。1歩踏み込み杖を伸ばして床石を叩いたとき、顔にフワッと空気がそよいだ。天井から大きく平たい何かが落ちてきた。落下で圧縮された空気の揺らぎを顔で感じたのだ。伸ばした棒に肉色の物体がばさっと重く覆い被さる。重さで杖が毟り取られた。どう見ても人間大の巨大なヒトデだ。ヒトデのように5つに分かれた触腕を縮めて杖を包み込む。柔らかく蠢き動く。明らかに生物。天井に張り付いていたのだ。エコーロケーションの探知では生物の存在など感知できなかった。天井に張り付いていたときは石化でもしてたのか。ヒトデに取り込まれた杖がバキッと折れた。ようやく獲物じゃないと気がついたヒトデが杖の残骸を吐き出す。吐き出された杖の残骸が部屋の奥に飛び、床でカランと音を立てる。その音で天井の別のヒトデが目覚めた。もう一度ふわっと風が押し寄せ、天井の装飾みたいだったもう1体が剥がれて落ちる。床直前で唐突に落下速度が鈍り、ゆるっと着地した。杖の残骸に覆い被さる。
そのあたりで左手がチリチリし始める。ヒトデが落ちてきたとき触腕の内側に生えたモシャモシャしたモップみたいな部分がボクの左手の甲を掠め、革手袋と手袋から露出した手の甲と指を粘液みたいなもので濡らした。指にピリピリした感覚が生じたと思ったら急に肘の上までの感覚がなくなる。左手がだらっと垂れた。目の前のヒトデから重力魔法を使うとき特有の空間の引き攣れみたいな皮膚感覚が生じた。魔法を使う魔物か。おそらく重力魔法による体重軽減だろう、ぼてっと肉厚なヒトデは絶対にボクより重いはずなのに、風に翻る木の葉のようにふわりと捲れあがり物理法則無視で直立する。背の高さはボクくらいだが星形で左右に広がるぶん大きく見える。星形の中心にある牙だらけの口をボクに向けた。ボクの頭くらいすっぽりと飲み込まれそうなほど大きな穴。何列にもなった無数の牙がギリギリと歯軋り音を立てた。残飯みたいな臭いの息が吹き付ける。生きたディスポーザーだ。咥え込まれたらボクの頭など瞬時に粉砕される。背筋に怖気が走った。
「シオン、下がって。こいつ前面のモジャモジャしたところに毒がある。触っただけで麻痺する。こんなの2匹同時に相手するのはまずい。ボクが誘導して部屋から出すので1匹出たらドアを閉めて」
そういいながら後ろを振り返らず後退りして通路に出る。シオンが左にいるのを視界の端に捉えてボクはジリジリと右へさがった。ヒトデの動きは鈍い。最初からそうなのか起き抜けだからか。重力魔法を使うようだが単に重い自重の相殺にだけ使っているようだ。重力魔法を駆使して縦横に飛び回り痺れ毒を撒き散らされたら、太刀打ちできなかったかもしれない。知能はないようだ。星形の体躯を拡げながら迫ってくるからドアに引っかかってもたついている。斬りつけると柔らかくスルッと刃が入った。しかし肉厚なので切断とまではいかない。3度連続で斬りつけて左腕を半ばから斬り飛ばしたが、痛みを感じないのか怯む様子もなくドアをくぐり抜けようと身体を捻じ込んでくる。ずるりと身体が通路に出た。わざと音を立てて注意を引いたのが功を奏して、ボクの方に口を向けノタノタと追ってくる。
「もう1匹が近づいてたら無理に閉めなくていい。シオンは気配を殺して後ろから攻撃して」
「大丈夫。ヒトデ君たち動きが遅い。もう1匹はまだ奥よ。ドア閉めるね」
シオンがドアを引いて閉める。その動きでシオンに注意が向かないようわざと声を出した。
「こいつら、痛覚がないみたい。斬ってもぜんぜん怯まない」
ヒトデの戦法はひたすらのしかかろうと迫るだけ。のしかかられて下敷きになったら、全身に毒液をなすりつけられて動けなくなり一方的に食われてしまう。でもこの鈍重で単調な動きでは敏捷を11にまであげたボクにとってただの木偶でしかない。斬り刻んで右の腕も根本から斬り飛ばす。内蔵なのか緑色のデロデロした管が切り口から垂れ、さすがにヒトデが立ち止まり身を捩った。そこに後ろからそっと迫ったシオンが斬りつける。口穴の背側にある赤ん坊の頭ほどある膨らみを切り裂く。その一撃でヒトデは絶命した。どうやらそこに中枢があったようだ。絶命して魔法が解け、急に体重を取り戻した体躯がぐしゃっと床に潰れる。噴き出した麻痺液の飛沫を浴びないようにボクは飛び退った。
「ミナト。背中の瘤が急所みたい。そこに刃が入ったら一瞬で死んだ」
「了解。じゃあ、もう1匹も通路に誘き出して前後に挟み急所攻撃だ。申し訳ないけどボクは左手がこれだからシオンに頼む」
「頼まれた。じゃあ、ドア開けるよ」
「気をつけて。そこにいるだろうし」
「任せて」
シオンがドアを押し開ける。もう1匹はドアを開ける知能もないようで、ドアの目前にぼやっと立っていた。20cmほどドアに隙間を開けると、ヒトデはスイッチが入ったかのように動き出す。ドアの隙間に腕先を捻じ込んできた。最初の1匹より頭がいいのか偶然なのか。それともようやく寝起きの呆けが治ってきたのか。
「ほらヒトデ。こっちだ」
大声で叫び、足を踏み鳴らしてヒトデの注意をボクに向ける。背中の瘤がドアを通り抜けたところで、壁に張り付いて気配を殺していたシオンがみごとに一刀両断した。脳なのか内臓なのかわからない灰色のドロドロをぶちまけながら自重で潰れる。どう見ても死んだと思うが念のために背後の膨らみを2度刺しておく。その間にシオンが再びドアを閉めた。
「天井見た。あと4つも張り付いてるよ」
ボクは壁にもたれて座り込んだ。剣を置き、乾いた水葉で手の粘液を慎重に拭き取った。痺れた左手を揉む。
「大丈夫?」
「うーん。ポーションに毒消があるけど、1本しかないから焦って使いたくない。このまま少し様子を見て、痺れが悪化するか治るか見極める」
「わかった。無理しないでね」
5分たってヒトデが霧散する前に触っておく。
『stono mara stelo。石ヒトデ。魔界の生物。重力魔法による体重軽減と背の吸盤により天井に貼り付き、下を通る獲物を待つ。エネルギー節約と擬態のため体構造のほとんどを石化して待機状態となる。獲物が下を通ると石化を解除し落下して、内側全面に突起する管足から分泌する麻痺液により獲物を麻痺させ捕食する。その習性によりダンジョンにおける生体罠として利用される』
1体目のヒトデが霧散する前に痺れていた指が動くようになり、ヒトデが消えると麻痺毒も消えた。
「麻痺治ったよ。本体が消えたらそれが分泌した毒も消えるみたい」
「よかった。魔物の血なんかも本体から離れているのに本体と一緒に消えるもんね」
「部屋の奥の石の箱も気になるけど、あんまりリスクなく経験値が稼げるのが嬉しい。残りも片付けよう」
「休まなくて大丈夫なのね。オッケー。じゃあ次はウチが誘き寄せ役やるよ。魔物の下に石投げて音立てればいいんでしょ?」
シオンもちゃんと魔物の特性を理解している。頭のいい子だ。シオンが崩落した壁の石を見繕っている間にボクは2匹分の魔石を集めた。魔法を使う生物の魔石は大きい。ボクの親指の先くらいあった。
「バスケ部だったから石投げは上手いのかな。ん。任せた。でも、相手がトロイからって油断しないでね。思わぬ動きをするかもしれないし」
「任された」
と自信満々で胸張っていった通り、シオンの投擲は絶妙だった。魔物の真下に的確に石を投げ入れる。それからは単純作業だった。シオンがボクに背を向けるようヒトデを誘導し、ボクが背中の瘤を斬る。それを4回繰り返した。脅威のなくなった部屋の奥に石の箱。ボクたちはエコーロケーションを使いつつ箱の前まで進み、箱そのものにも仕掛けがないことを確認してから石の蓋を開けた。
「わ。金貨じゃない?」
「金貨だね」
箱の中から金貨を取り出し枚数を数えた。
「32枚ある」
「ウチら大金持ちってこと?」
「こっちの世界の貨幣価値、知らんがな。チュートリアルの単位はゴールドで1ゴールド1万円換算だった。こっちも同じで金貨1枚1万円の価値だったらこれ全部で32万円。宿代と飯代とかふたり分なら1ヶ月で消えるね」
「ちぇ。セレブの夢は消えたか。でも、なんで金貨がこんなところにあるわけ。誰かの落とし物?」
「少なくとも元の持ち主はもうこの世にはいないと思う。ダンジョンで命を落とした冒険者の所持品だったんじゃないかな」
「ここに冒険者が迷い込んだってこと?」
「うーん。とりあえず続きの話はひとつ前の部屋に移ってからにしよ。話してるうちにどっかからあのヒトデが湧いて出たら困るし、覚値ポイントを獲得した感覚があったから落ち着いて振り分けもしたいし」
「そーだね。確かにここじゃ落ち着かないか」
ボクは金貨を半分に分け、シオンに16枚を渡して袋にしまっておくように伝えた。ヒップバッグの中でガシャガシャ音を立てないようにしっかり包んでしまう。シオンもそこらへんは心得ていた。隣の部屋に移って結界魔導器を作動させ、壁にもたれて座る。水を飲んでひと息つき、途中で中断した話の続きを再開した。
「このダンジョンがいつからあったのかすらわからないから推測だけど、内外の手付かず感からしたら人が入るのはボクたちが初めてなんじゃないかな。何度かあっちの世界でチュートリアルをやってれば、ダンジョンに侵入するときに目印をつけて迷子にならないよう行動することを覚えるはず。ここに入ってからそんな人為的な印は見なかったし、床の埃が通路の両端に積もってた」
「通路の端?」
「仕掛け罠のスイッチは通路の真ん中にあることが多いし、エコーロケーションしながら進むと壁に耳を押し当てながら壁沿いを歩くよね。そしたら通路の端の埃が踏み荒れるでしょ。でもそんな形跡もなかった」
「なるほどー。でも。じゃあなんで金貨がこんなところにあるわけ?」
「あっちの世界ではこっちの世界の情報がなさすぎて20年も経つのにぜんぜん研究が進んでなかったけど、インドの学者さんの仮説を読んだときに妙に納得したんだ。それに書いてあったのが巣別れ説。ダンジョンコアは生き物である以上繁殖するわけで、親の巣から巣別れするときに親の巣にあった金品や宝石・魔道具なんかを持って新しい巣の好餌に使うんじゃないかって」
「コウジ?」
「好きな餌って書いてコウジ。誘き寄せるための餌のこと」
「餞別もらって旅立つわけね。魔物にも親子愛があるのか?」
「ダンジョンコアに会うことがあったら聞いてみてくれない?」
「あんまり会いたいとは思わないよお」
「杖も折られちゃったし、ステータスの振り分けをしたらいったん出ようか。昼も過ぎてるだろうしお腹も減ってる」
「さんせー」
ボクはステータスパネルを開いた。
「え。覚値が」
「わお。10ポイントも増えてるよ」
「まさか。あんなに鈍い魔物がなんでこんなに高得点なんだろう?」
「床に降りてからは動きが鈍かったけど、エコーロケーションでもわからなかったし。ミナトみたいに慎重すぎるくらい慎重な人じゃなかったら、上からすっぽり覆われて全身麻痺でナンマイダーになってただろうし。そういう意味で強い魔物だからじゃない?」
「うーん。なんかディスられてるな。まあいいけど。しかし10ポイントか。凄いな。10ポイントついたってことは総経験値が‥‥えーと。41431を超えたってことか。18000だったのが24000増えて42000ポイントになってるわけか。だと、ヒトデ1匹4000ポイントもあるってことだ。強化状態でもないのに」
「魔法使って体重消してたんでしょ。高得点出るわよ」
「魔法か。んー。もしかしたらその魔物の持ってる魔素の量かな。魔法使う生物は当然体内に溜めてる魔素が多いはずだし。うーん。今後の検証課題だな」
「もらえるものはありがたくもらいましょ。ミナトはどう振り分けるの?」
「うーん。だいたいベースの形になったしね。このまま全体に1ポイントずつ振り分けて底上げして、余った分は知力と敏捷と精緻と感覚に振るって感じ。知力を上げてくとユニット魔法陣魔法が使えるようになるはずだし」
「なにそれ。ユニット魔法?」
「ユニット魔法陣魔法。いまボクらが使ってるのはイメージ魔法。イメージだからアバウトでしょ。知力が上がると頭の中で魔法陣を構築できるようになる。魔法陣の構成要素をユニット化しておき必要に応じて脳内で組みあげて魔法を発動すれば、もっと緻密で精密で威力の高い魔法が組めるようになる。チュートリアルではそのとば口までだったけどね」
「結局、全部のステータスが大事ってことじゃない」
「んー。そうともいう」
***********3日目
名前:シオン
職業:冒険者
年齢:17
性別:女
【ステータス覚値:0/23】
筋力:6+1 敏捷:11+2
知力:9+2 精緻:10+2
生命:7+1 感覚:10+2
筋力7 :握力+3【10】
腕力+4【11】
脚力+5【12】
投擲+5【12】
打撃+1【8】
牽引 【7】
跳躍+3【10】
知力11:魔力 【11】
思考 【11】
集中+3【14】
空識+1【12】
記憶 【11】
情報 【11】
観察 【11】
心象 【11】
生命8 :耐久 【8】
免疫 【8】
持久+4【12】
耐撃 【8】
抗毒 【8】
抗老 【8】
敏捷13:瞬発+3【16】
神経 【13】
反射+2【15】
精緻12:誤差+4【16】
筋制+3【15】
環応+1【13】
感覚12:遠視 【12】
微視 【12】
動視+1【13】
暗視 【12】
測視+1【13】
微音 【12】
音析 【12】
音域 【12】
微臭 【12】
臭析 【12】
微感 【12】
振析 【12】
味析 【12】
毒感 【12】
***************
************5日目
名前:ミナト
職業:冒険者
年齢:17
性別:女
【ステータス覚値:0/23】
筋力:7+1 敏捷:11+2
知力:11+2 精緻:7+2
生命:7+1 感覚:10+2
筋力8 :握力+3【11】
腕力+3【11】
脚力 【8】
投擲 【8】
打撃+3【11】
牽引 【8】
跳躍 【8】
知力13:魔力 【13】
思考+3【16】
集中 【13】
空識 【13】
記憶+5【18】
情報+1【14】
観察 【13】
心象 【13】
生命8 :耐久 【8】
免疫 【8】
持久+3【11】
耐撃 【8】
抗毒 【8】
抗老 【8】
敏捷13:瞬発 【13】
神経 【13】
反射 【13】
精緻9 :誤差+3【12】
筋制+3【12】
環応+3【12】
感覚12:遠視 【12】
微視 【12】
動視 【12】
暗視 【12】
測視 【12】
微音 【12】
音析 【12】
音域 【12】
微臭 【12】
臭析 【12】
微感 【12】
振析 【12】
味析 【12】
毒感 【12】
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