無題
あなたの車で流れていた曲を、なんだったかな、と思い出す瞬間が好きだ。あの時流れていたのはどんな時だったかな、どこに行った時だったかな。初めて、夜景に連れて行ってくれた時に貸してくれた、ダウンの匂いを思い出す。あの時はまだ何も思わなかったけど、一緒に過ごしているうちに、どこかで気持ちが大きくなっている。そんな自分が
嫌いだ
遊びに行くというLINEが増える。会えない日が続く。気づかなかった思い。いや、気付きたくなかっただけなのか。もちろん彼女なんかじゃないから、言えるはずもない。
関わらないでよ
他の子と遊びに行くという報告。連絡がまめすぎるのもあまり良くないなあ。知りたくなかったことまで知ってしまうから。一晩中考えてしまう。そして、どこかで「帰ったよ」という連絡を待ってる自分もいる。「またゆっくり話そう」そう言ったはずなのに。いつ自分のために他の子の誘いを断ってくれるのだろう。いつ自分のために時間を割いてくれるのだろう。
あなたは言った。自分より前に出会った彼氏持ちの子に、
「最近しつこいんだよね」
執着を嫌う彼に対して、自分はあの子とは違うと、ドライな態度をとっていた。
執着を嫌うところに執着をしすぎたのかもしれない。放っておけばいいのに、執着しちゃって、馬鹿みたい。
こんな文章を書いているうちにも、通知が来るはずがないLINEを開いている。