プロローグ
「この世界は退屈だ。この世界の人間は分かっちゃいない!」
思わずそう叫んだのは既に自分が死ぬと悟った時だった。
「俺にはもっとこう・・・戦いが主な時代があっている!こんな学歴社会なんか戦闘狂の俺には合わないのだ!」
そう、俺は戦闘狂のつもりでいたさ、戦いでは常に最前線で戦い、愛用の2丁拳銃で華麗に相手を屠り、血に酔い、地面にくたばった敵には嘲りの言葉を向ける。
そう言って生きてきたのは五日前までだった。
家を追い出された五日前の朝までは。
〜五日前〜
ベッドから出てデスクへ向かいパソコンを起動するとゲーム画面のホームが現れた、ランクは最高ランク、KILL数もかなり多い方だと自負している。高校には通わずに昼夜ゲームをしている。俺は俗に言うニートってやつだ。
「高校なんて行ったって無意味だろ、あんなとこ行ったって人の殺し方なんざ教えてくんないしよ。ネトゲやってる方が有意義だね」
そういつも通りのことを口走りネトゲを数時間続けていた。
そうしているうちに父が来た。すっごい怖い顔で。
「穀潰しはうちにいらん、今すぐ出て行け」
とても静かで冷たい声だったがとても重かった。
胸ぐらを掴まれ引きずり出されて行った、抵抗はしたが運動もここいら何年もしていない抵抗なんざできなかったさ。
問答無用で家から出された。終いには殴られた・・・痛い。
友達なんかいないし頼るあてもない。
なんで友達がいないかと言うと長いこと引きこもっていたのもそうだが虐められていたのが一番の原因だと思う。それで不登校にもなったしね。
きっかけはノートをクラスの不良に覗かれたことだった。俺が描いた愛銃の2丁拳銃などなどいろいろ描かれていたものだった。
最初は軽ぐちを叩かれる程度だった。
だがそいつらは飽き足らずそれをクラスの連中に晒しやがった。
最初はクラス、それから学年、それから全校
一週間後には俺のあだ名は「中二病」となっていた。
それだけなら良いさ、耐えれるしいつかはみんな飽きてくる。
そう思っていたのは浅はかであった。
最初は俺のノートを晒した不良連中に虐めの対象とされていた。
最初の軽グチから悪口へそれから暴力などへと色々されて言った。
立ち向かったさ、殴りかかった。クラスでの休み時間に暴力をふるってくり奴らに対してみんなのいるところで。
見返してやりたかった。
だが俺はとぉっても無力であった。
ボコボコに返り討ちにされたよ。
最後には俺はなんて言っていたかなぁ、許しをこう言葉であった、ひたすらに言っていたよ。
死ぬほどみじめであったな。
次の日から学校を休んだ。
何日かして心を立て直したあと学校へ行った。
教室の扉を開けたらさ、みんなが驚愕の目でこっちを見てきた。
どっかからは
「あいつ転校したんじゃなかったのかよ」
「うわっ、あいつよく来れたなあんなことになったのにさwww」
他にもなんかたくさん言われていた。
心は多分そこで再び折れた。
俺は走って家まで帰っていた。
泣いていたと思う。
そこから俺のニート生活は始まった。
〜現在〜
俺は餓死寸前だった。
5日間何にも食っていない。
水は手に入るが飯はどうにもならない。
田舎に住んでいて山に入っときゃなんとかなると思っていた自分を殴りたい。
ゲームなんかしているよりサバイバル技術を覚えていた方が良かった。
「ああ、クソが」
叫んだ!つもりだが俺の体にはそんな力残っちゃいなくて蚊の鳴くような声であった。
俺は思った。
(ああ、もし次があるなら異世界に行きたい、そこで愛銃と共にかっこよく生きたい、こんなみじめな姿では嫌だ)
目が霞んで来た。
終わりの時だ。
最後の力を振り絞ってまた蚊の鳴くような声で呟いた。
「死にたくない」
鼓動が止まった。
意識がなくなる前に、確実に聞いた声があった。
「面白い、その願い叶えてやるよ」
神(?)はいた。