2/4
幼馴染と私。
1981年4月
山河高等学校入学式。
校長先生の話が長いせいだ。入学式だというのに男子が早々に眠気と戦っている。
そしてついに、個名が呼ばれる時が来た。
「入学生、起立!」
寝ていたのがバレたのか、教頭先生の非常にキツい声に緊張が高まった。
キレの良い返事や、怠げな返事などそれぞれ十人十色。
「緒形 元臣!」
私の幼馴染の名前が呼ばれる。
彼は小さい頃、目はぱっちりしてるし、笑えばえくぼができる可愛らしい子だった。昔から見ている自分からすれば、元臣という堅っ苦しい名前が似合わない子だ。
でも、時が過ぎ大人っぽくなった今。
名前相当のサッカーの強さ。ここにも推薦で入った。
「須賀 真莉!」
私の名前が呼ばれる。
返事をしてゆっくりと座った。肺に溜まった息を吐き出す。1年だけで5クラスあるこの学校。なのに、奇跡的に元臣と一緒になれた。
学校にも馴染めそうだ。