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愛しき我が子。
2000年6月20日
橋の下。
俺の最愛とする妻が嗚咽を漏らしていた。
雨からくる寒さなのか、それとも悲しさなのか、ずっと震えている。
「ごめんね....ごめんね.....っ!」
ダンボールに入っている我が子に向けて、とめどなく謝罪を続ける。
高校を卒業して間も無く、親の反対を振り払って結婚した。俺はITの学校へ進学。
収入もまともではないのに、こんな結果に至ってしまった。
俺が悪いんだ。
重い。ひたすら重い。罪悪感という鎖に巻かれているようだ。
震える彼女の肩すら、抱いてやることができなかった。