神力なのですかそれ
「こ、これは……入り口か何かでしょうか?」
手を入れてみると、明らかに壁があるはずの部分より奥に入ります。
それはつまりは、ここに空間が存在しているということです。ただどこに繋がっているかは不明です――が、こんなことができる人に宛はひとりしかいないわけでして。
「女は度胸って言葉をどこかで聞いたことがありますし、行ってみます!」
思い切って飛び込んでみました。
***
「およっ!? ……あれ? ナルちゃんじゃないですか~! どうしたんですか」
「あなたを探してたんですよ」
不思議な空間の中には不思議な空間が広がっていました。そして、亀の中に入るかのごとく謎の空間の中に謎の小部屋――いえ、結構広い部屋があって、そこでのんびりと神様がしてました。
ていうか、完全に現代娯楽にうめつくされてるのは気のせいですかね。マンガとかライトノベルとかゲームじゃない娯楽で。
「何かありましたか?」
「いえ、バグを倒したのはいいんですけど、そもそも神力の出し方がさっぱりなんですよ」
「感覚で!」
「…………」
「ちょっ、無言でやめて! そのスパナは駄目ですから! 私が常時神力込めてるやつだから、痛いやつだからぁ!」
何でそんなもん床に転がしてあるんですか。
閑話休題。
「えっと、それでなんでしたっけ。神力の使い方でしたね」
「そうです」
「とりあえず変身して衣装が変われば使えます!」
「……」
「ストップスパナ! 実際、私はそんな感じなんですもん! 今は神格とか信仰が上にあるから、常時変身状態で入れますけど、神力少ない頃は体力とか持ってかれるから、常時は無理なので結局変身するしかないっていうか!」
「そうなんですか……でも、私服にしか見えないのですが」
「まあ、あなたの元の世界じゃそりゃ私服に見えるでしょうが! 他の世界では異質だったりして、私の元いた世界では異質だったんですよ! でも、たまにそれこそプリティなワンピース系の人とかもいますから、やってみないとわからないですね」
「ちょっとそれはかんべんしてもらいたいですね」
「精神改造します? それくらいなら簡単にいけますよ」
「遠慮しおきますし、転生した意味なくなるじゃないですか」
「それもそうですね~! ニャルぽっかり! あははは!」
ぽっかり? うっかり? ていうか、軽くニャルって言ってる。
「おっと、名前言っちゃいましたか! まあ、アダ名みたいなものだし大丈夫大丈夫!」
ニャルで始まる神様……覚えがないからわからないです。くっ、悔しい。
「まあその変身状態で、魔力なり物理なりすれば神力が働きますので、それでバグを倒してくださいな」
「はい、とりあえずわかりました」




