地球
フランス語の授業で書かされたものを日本語に訳してみました。
この子供っぽい文章から何かを感じ取ってくれれば嬉しいです。
地球
人類はこの惑星の王として三千年近く居座った。
ともあれ、彼らはそう思っていた。
火を人類が発明した頃。
地平線は緑に覆われていた。
無限に広がる空は青かった。
夕日は大地を赤く照らしていた。
これらの色が魅せる景色は綺麗だった。
私が想像を超える驚異的な早さで人類は進化した。
たちそびえる灰色の建物のせいで地平線は見えなくなっていた。
青い空はどす黒い霧に覆われ空が見えなくなっていた。
夕日は街が放つ汚い光に潰されていた。
人類の科学力は世界を作ったとされている神の力にさえ近付いた。
私はただ眺めていた。
結局、地球で一番頭がよかった生物は自殺してしまった。
どうやって?
彼らは戦争を始め、みんな爆弾のせいで死んだ。
たしか、それは原爆と呼ばれていた。
彼らは面白かった。
いつも私の事を気にしてくれた。
少し暑くないか?
少し煙っぽくないか?
そういえば自然の心配もしていたな。
彼らはよく誰かを殺すなと言っていたが、まぁ、結局、彼らは自分自身を殺していた。
彼らがいなくなって五百年も経つが、彼らの作ったものは残っていた。
木製の家やコンピューターなどはとっくにの昔になくなった。
だが、石でできた建築は残っていた。
それらももうなくなってきているが。
この小さな建物の床は砂で埋まっていた。
実はこの砂は一階上の床だったのだ。
壁は崩れる。
無音が響く。
崩れかけの壁に空いた穴から夕日が差し込み、砂を染めた。
もうここに生物はいない。爆弾がみんなを殺したのだ。
私はそう思っていた。
だが、ちょうどその時。
可愛らしいうさぎがひょこっと顔を見せた。
私もこのうさぎがどこから来たのかわからない。
人類はよく私や自然の心配をしていた。
だが、人類(そして、私も)自然を侮っていた。
彼女は造り、壊し、また造り、また壊す。
人類は彼女に対してはなにもできない。
人類が心配する必要なんかない。
自然は誰かの手伝いなんて必要なかったんだ。
彼女は一人ですべてを元に戻す。
真っ赤な夕日。
緑の地平線。
青い空。
私はこの美しい風景を眺める。
私は自然が成す美しいサイクルを眺める。
私が死ぬまで眺め続けるだろう。