君には、戻れない
一年間で大切な日って、何回あるんだろう?
私にとって、今は一回だけだ。
一樹が空に上がっていってから三回目の冬が来た。
今、こうやって一樹のお墓の前で手を合わせていることが、楽しかった日を思い出させてくれる一番のシチュエーションだよ。
あなたが放課後に声を掛けてきてくれたから、一樹っていう存在をかけがえのないものだって気付かせてくれたよね。
ホントに感謝してるよ。
あなたから告白してきたのに私の方が、好きになった感じになってたよね。
みんなは受験のことで、いっぱいいっぱいになっている感じだったけど、あなたといれる今の時間の方が大切だって思ってた。
あなたは頭が良いから、進学先は決ってたけどね。
私、あなたの奥さんになるから進学なんか関係ないって思ってたよ。
二人で見に来た防波堤からの夜景。。。
すごいきれいな景色でさ、隣りに一樹がいたから余計に感動しちゃって泣いてしまったよね。
あの時は、困らせてしまってゴメンね。
あなたと一緒にいた半年間は、おばあさんになるまで大切な思い出にしてるだろうな。
でも、あなたが・・一樹があの交差点で・・・・ぬくもりをなくしたことは忘れたいよ。
でも、忘れられないし、忘れちゃダメだと思う。。。
笑った顔すら、想像もできない、あなたの空っぽになった体は私には一樹だって理解できなくて、ただ泣くしかなかったよ。
小さな白い箱に入ったあなたの骨を見たけど、それでも亡くなったなんてわからなかった。
わかりたくなかったよ。。。
でも、頭では理解してたみたいだね。
あなたより、素敵な人はまだ現われないよ。
あなたの軌跡を見てた私には眩しいくらいの姿残して、急に暗くなったから、もう明るくならないかもね。。
しばらくは、一樹の背中を胸に抱くことにします。
超短編で、早い読み終わりでしょうが、作品の印象を残すために凝縮しました。
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