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13.別人になるなら要素が必要?

ご無沙汰の更新でございます!懲りずに読んでくださっている方がいらっしゃったら申し訳ありません。

「まあ!よく来てくれたわねぇ~!」とママが普段着(といっても美しいキラキラ姿ですがね)で、店を訪れた真奈を出迎えてくれた。


というか…賢明な皆さんはすでにお気づきか?

いやいや、あなたが呼んだんでしょう?と真奈は心の中で突っ込みを入れながら…

「…はい。じつはお話したいことがあっ…「あらあ!マヤちゃんじゃないの~!来てたのね~」と後ろから聞こえた声と

ぐぇっ!という真奈の声がシンクロした。


ゴホッ…またかよヘッドロック…。ミカちゃんが後ろから真奈に抱きついていた。

「マ…ママさんに呼ばれたので…」と、ゴホゴホッと咳き込みながら真実を述べた真奈の

背中をさすりながらミカちゃんは

「おもちゃ発見ーっ!」と言わんばかりの(これまたキラキライケメン)顔で真奈を見つめていた


「そうなのよ~。ちゃんと話を詰めておけって凛ちゃんがうるさいからねぇ」と、ママはグレープフルーツジュースを真奈に差し出した。

自分が呼んだの分かってるじゃん…という真奈の心の声が突っ込みつつ…

ストローでジュースを飲んでいると

「どうやらうちの店の常連さまに知り合いがいるとか?」とママが切り出した。


やった!こっちから切り出すタイミングに迷っていた真奈にとっては

渡りに船(どこかでも使ったな…よく助け船出されるよ)。


「話というのは、じつはそのことで…「え~っ。そうなの?あたしの知ってる人かしら~?」と

またもや話の腰を折るぅ…!ミカちゃんさん!

…わざとじゃないでしょうねぇ?と胡乱気な顔でミカちゃんを見た真奈へママが告げた。


「お客様がお越しになる都度、逃げるにも限度があるわね~。知り合いの方にバレるわけにはいかないのだったら…」


よし!ここで!「辞めマス!」と言えば万事解決!


「完璧に別人になりすますしかないわね!」


いや…いやイヤイヤイヤイヤイヤ…!?

なりすます前に、そもそも“辞める”という選択肢はないんですかーっ?!


「そうなのね~。それなら明らかに真奈ちゃんと違う特徴を作らないといけないわねぇ~」

「例えば、凛のようにね?」と、勝手に算段を始めたミカちゃんとママが、ジッと真奈を見つめた。


「凛さんのようにって?」と首をいつものごとくカクンっと傾げた真奈が

例によって「ぐぇっ…!」となるのは数秒後。


ゴホッ…今度はママかよ…っ。


「明らかに違う要素があれば、似てるなぁ~と思っていても別人と認識されるのよ」と

真奈を抱きしめたまま、真奈の頭上からママが言った。


「例えばね、凛だとね?男のはずが“女の要素”という違う要素があることで、あぁ他人の空似だな~と思うわけよ…」と、ミカちゃんが何やら真奈の顔をジッと見つめて

心ここにあらず?な感じでぼそぼそと教えてくれる。


同じ土俵に上げることもなく、初めから“その考えすらなかったもの”として判断される。

要素として考えられるものは、凛のような男女の差。年齢だったり、髪の長さだったり、身長だったり、タトゥだったり……ホクロだったり!


「そうか!ホクロをつけるか…!隠すか!」

幸い?真奈には目立つ場所、右目下に泣きホクロがある。


「右目の泣きホクロをファンデーションで隠すのね!いいアイデアだわ!素敵!」と、ママがグッと腕に力を入れた。ら…そう賢明な皆さんご明察!ぐぇっ…。あ、落ちたな真奈。


「そうねそうね!さっそくやってみましょうか~♪」

ウキウキいそいそと準備を始めるママとミカちゃんを尻目に

「あたしの意見は皆無ですかいな…」と、落ちてまた復活して真奈は慣れたもんです。


はい。あきらめた~。だって人の意見聞かないもんっ!このコンビ!






いつぞやのようにクマ出没はないも、すっかり仕事終わりのほぼすっぴんが、みるみる間に

メイクミラクール!(意味が違う…)

「…う~ん。何か違うわねぇ~」グキッ!と音がしそうな程、真奈の顔を自分に傾けてママが言った。


ミカちゃんの腕は完璧なのに何かが足りない…とママは不満気。



「え~。そう?う~ん。そう言えば、なんだか幼さに拍車がかかったわね~」

コキンッと子気味いい音で、真奈の顔がミカちゃんの方に向けられた。


自分の腕を持ってしても、この童顔はどうにも出来ない…とミカちゃんは不満気。



「…え~と。それは私のせいですかい…?」エイやっ!と首をミカちゃんから果敢に取り返し、元に戻してゴキゴキと豪快に鳴らしながら首を回した。


まったく私の顔が足りないとか、どうにも出来んとか何なんよ!と、真奈はプリプリ不満顔。



「その泣きホクロがあるから、妙な色気があるのかもしれないわね~」と、ふぅ…とため息を吐きながらママが椅子にもたれた。

妙って何さね…、褒められた感じがしな~い。と真奈は水滴が沢山落ちて、コップの底に水溜りを作っているジュースを飲んでいた。にゅるい…。


「そうか!わかった!そうね!そうしよう!」と、突然ウキウキし始めたミカちゃん。

いそいそと真奈の方へ向き合った。


…何よ。結局これなわけ?まっ私としてはどっちでもいいけど…。





「へぇ~…おまえ何か雰囲気変わった?」なんだろ?何が違うんだ~?と、出勤準備(お化粧)を自分で(!?)始めた凛が、マジマジと真奈を覗き込んでいる。

だから近いのよ!いちいち!と

凛の化粧を落とさないように、おでこをグイッと押しながら、凛から距離をとる真奈。


「何よ。のっけからラブシーン?よそでやって」と、二人を引き裂く(?)ように

葵が間を割って入り、準備を始める。

すでにヘアセットとメイクを済ましている葵は、チラッと真奈に一瞥をくれてから言った。

「ふ~ん。それいいアイデアね。知ってる人からすれば別の人ってわけね」考えたわね。と

なぜか感心された…。



ただ、ひだりの目の下にホクロを移しただけなのに…。

自分の顔を鏡に写して、マジマジと顔全体を見渡す。

変な感じ…。いつも見慣れた顔なのに、ちょっと違和感。


何かいたずら成功!みたいなくすぐったい感じ。

クスクス…と一人でほくそ笑んでいる真奈を、気持ち悪そうに遠巻きに見ている凛と葵が

フッと同じ方向に顔を向けた。


真奈がそれに気づかず、一人クスクスしていると

人影が真奈に落ち、「あなたがマヤさんね?」と

柔らかな声が降ってきた。






「な~んだそんなこと?」ってお思いでしょう?意外と違うものなんです。

何を隠そう(いや別に隠してはいませんがね…)作者も泣きホクロがあるんですよ。

なりすます…すっかりそのものになる。本当にそのものであるようなふりをする。

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