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最強の無能力者  作者: まさかさかさま
第一章・動き出す指針
36/65

時旅 葉・七話

 最近、後輩が出来た。

 中等部に進学してからもう二年目になり、新入生が大量入荷されたことによって、その中から、私を慕ってくれる、可愛い可愛い後輩が一人出来たのだ。

 いや……後輩? 後輩なのかな? いや後輩ではあるのだけど、どっちかと言うと妹みたいな存在? ……もしくはライバル? とにかくまあ、後輩。そういうこと。

 で、この後輩というのが良くも悪くもとても可愛い子で、具体的に良く言うと“天真爛漫で元気な子”、具体的に悪く言うと“兄を誘惑する不純な子”である。

 天真爛漫だけれど純粋ではない、可愛い後輩。なんだか、これぞまさにブラコンというような性格をしている。生まれるべくして生まれた天賦の妹キャラ。

 異無 美唯(ことなし みい)

 そう、あの無愛想暴力野郎の妹だ。

 兄と同じ、吸い込まれるように濃い、強く強い、闇のような真っ黒な瞳と髪の色。髪型は、肩に掛かるか掛からないかの長さで切り揃えられていて、右サイドに十字を模った赤い髪留めをつけている。

 彼女は神屠学園屈指の治癒系超能力者であり、その筋では知らぬ者はいない、“世紀の天才医少女”として名を馳せている。何が凄いって、あの歳で既に正規の“医能力者ライセンス”を獲得しているということだ。“医能力者ライセンス”は、“異能力者ライセンス”同様、大学部を卒業し、治癒専門のライセンス認定試験を受からなければ手に入らないのだけれど、美唯ちゃんはその多大な功績により、全ての過程をすっ飛ばして学園から“医能力者ライセンス”を授かったのだという。

 十字を模った赤い髪留めには、“医能力者ライセンス”を持っていますよという意味が込めてあり、誰かが大怪我をした時などすぐに対処出来るようにという目印だ。

 だけれど、どれだけ天才的な医能力者であっても、歳が歳なので、せめて中等部卒業までは神屠学園に通わなければいけないらしい。

 劣級十五組の生徒である私とは比べることすらおこがましい天才医少女だけれど、それでも美唯ちゃんは私の可愛い後輩だ。後輩ったら後輩である。

 現在、七月上旬。

 日に日に気温は増していき、夏の兆しが見えて来た今日この頃。

 私が屋上からの飛び降りに失敗し、保健室で良人に殴られたあの日から、もう一年と少しが経過していた。

 あの小等部の卒業式から、一年と四ヶ月が経過していた。

 時は必ず過ぎ去るもので、そして時は去っていくとともに心の傷を癒してくれる。

 私はもう、彼――――白令 深夜の呪縛から、完璧に解き放たれていた。

 まだ少し浮いているけれど、徐々にクラスメイト達から避けられるようなことも少なくなってきていて、私もそれを快く思っている。

 私はもう、グレてはいなかった。捻くれてはいなかった。

 ちゃんと、しっかりと、地面を踏みしめ、確固たる自我を持ち、生きることが出来ていた。

 やはり持つべきものは友だ。

 暖かい人間関係。

 人との関わり。

 掛け替えの無い、馬鹿な会話と馬鹿な笑顔。

 それが私を癒してくれた。

 良人が、火巻が、美唯ちゃんが、私を日の差し込む暖かい屋上に連れ出してくれた。

 今日も私達は屋上で、和気藹々と昼食をとっていた。


「兄貴、私の弁当美味しい?」

 美唯ちゃんが愛しの兄に向かって、聞いてはいけないことを聞く。

 ちなみに美唯ちゃんは私達とは違って、特級一組の生徒なのだけれども、わざわざ昼休みのたびにお忍びでここまで来ている。

 中等部は、十五あるクラスを五クラスずつ、三つの校舎に分けられていて、一組~五組が中等部第一校舎、六組~十組が中等部第二校舎、十一組~十五組が中等部第三校舎となっている。だからつまり、美唯ちゃんがこの第三校舎の屋上まで来るのには二校舎分もの移動距離を行かなければならないのだから、それを苦ともしない彼女のブラコン魂は敬服に値する。

「う、ううん、まあ……凄い味ではあるな」

 良人が目を逸らしながら曖昧に答える。確かに凄い味ではあるけれど。

「どれぐらい美味しい?」

 美唯ちゃんの、期待が篭った視線にたじろぐ良人。

「え、ええ? そ、そうだな……凄い美味し、そうではある、な」

 美味し“そう”て。確かに美味しそうであるけど。可愛い妹に嘘を付けない、変なところで誠実なやつだった。

 ていうかそんなんで誤魔化せるとでも思ってるのだろうか?

「えへへ、ありがとっ」

 誤魔化せた。

 にっこにこしながら嬉しそうな妹。

 ぎこちない笑顔で箸を進める兄。

 ……なにこの兄妹。

 何だかいたたまれず、私は美唯ちゃんに軽く耳打ちする。野郎には気付かれないように、である。

「あのね、美唯ちゃん。ちょっと言い難いのだけれど……弁当作る時に味見とかってしてる?」

「してるよ? した後からわざとあの毒々しい味にしてるんだよ、葉姉」

「わざと!?」

「当たり前じゃん。料理が壊滅的な女の子なんてイマドキ流行らないし、そもそもいないよそんなの」

「わざと!?」

「うん、わざと。兄貴がどこまで音を上げずに、妹のことを思い遣って優しい嘘をつき続けていられるのか、試してるの」

「えっと、それじゃあ、あいつが弁当不味いって言った時はどうするの?」

「私達の愛はそこまでだったってことだねっ」

「美唯ちゃん、恐ろしい子……」

 “天真爛漫だけれど純粋ではない”とは、つまりこういうこと。

 軽くヤンでるような気がする。というか普通に引く。

 この子に好かれるということは、果たして嬉しいことなのかどうなのか……。

 まあ、良人本人は満更でもないようだし? 私は暖かく見守るよ? 美唯ちゃんを応援するよ? 仲睦ましい兄妹で何よりだと思うよ? ……本当だってば。

「……チッ」

「何で怖い顔で舌打ちするの? 葉姉」

「何でもないわ。何でもないの。別に妹爆発しろとかそんな物騒なことは思ってないから安心して」

「怖いよっ。あからさまに脅すのやめてっ」

「夜中あなたの寝床をテロしたりなんかしないわ。だから安心して寝てて。永遠に寝てて」

「殺意っ! 殺意を感じるよっ!?」

「同じ屋根の下だからって調子こいてんじゃないわよ。こちとら同じ教室の下よ。なめんな」

「何を張り合ってるの……ていうか葉姉、私にそんな嫉妬するぐらい兄貴のこと好きなら、いい加減告白すればいいじゃん」

「っんな!? 馬鹿言わないのっ! 私があいつに何を告白するって? 私はただ異無のことを誰よりも意識しているってだけなのに!」

「葉姉、それは愛だよっ、それが恋なんだよっ」

「ええい、うるさい後輩! だまらっしゃい! ……て、ていうか、そもそも? もし私がいけ好かない異無の野郎に? そういう感情を持っていたとして? それで、もし告白的なあれやこれやをやらかしたとして? それを美唯ちゃんは黙って見過ごすの? 超絶ブラコンの美唯ちゃんは、兄が他の誰かと付き合ったりするのを許せるの?」

「うん。私は止めないよ、告白。むしろ葉姉が兄貴の彼女になるんだったら大歓迎だよ。言っておくけど私、そういうの全然気にしないから。むしろ禁断度が高ければ高いほど興奮するもん。兄貴の彼女もろとも兄貴を愛するよ。三人でどろっどろの不純異性交遊を満喫しようっ!」

「うわあっ、……ごめん、普通に引く! 美唯ちゃん、なんて恐ろしい子……」

「なになに? 内緒話? 楽しそうだね、僕も混ぜてよ」

 横から火巻がわいて出てくる。さすがに気付かれたのだろう、というか気付かれない方がおかしい。

 あの鈍感馬鹿は“?”と頭に疑問符を浮かべながらこちらを見ているけれど。なにを野郎が小首なんか傾げてるのよ。

 とにかくやつは放っておいて、三人でガールズトークを開催する。

「あのね、私と葉姉で兄貴を誘惑して、三人でどろっどろの不純異性交遊を構築しようって算段なんだけどね、柚喜さんも一緒にやる? やっちゃう?」

 そんな会話ではなかったような気がする。

「なにそれ面白そう。でもって、やるのイントネーションがなんとなくいかがわしいね?」

「そんなことないよ。今のイントネーションにベットイン以上の意味は込められてないよ」

「もろいかがわいいじゃん!」

「イカ可愛い?」

「イカは可愛くないけどさ!」

 小首を傾げて妙な聞き間違えボケをかます美唯ちゃんに、火巻が元気よく突っ込む。

「ていうか、え? 時旅さん、美唯ちゃん、良人と不純異性交遊を構築する算段って、つまりそういう意味でのあれ? イン・ザ・ベット?」

「わ、私に振らないでっ。何がイン・ザ・ベットよっ」

「むふふ、顔赤らめちゃってまあ、いいから告白しちゃえばいいのにさ、良人に。でもって早く結婚しちゃえばいいじゃん」

 にへらにへらしながら言う火巻に、美唯ちゃんが追従する。

「そうだよ。それでもって子供増やしまくろう! 三人で!」

「そして異無ランド建国さ。ネズミーランドばりに設けるんだ」

 うああああ、話しがどんどん危ない方向にいいいいっ、


「いん、ざ、べっと? コトナシランド? 何の話だ」


 “気乗はしないが、たまには空気を読んで話しに参加してやるよ”みたいな気だるげな表情で、横合いから疑問を投げかけてくる良人。

 だからあんたは何一つ空気読めてないから!

 一番聞かれてはいけない人物に聞かれてしまった。話題の中心ではあるのだけども。


「「「ぎゃあああああああああああああああ!?」」」


 三人とも、あまりの不意打ちに悲鳴を上げる。

 “きゃあああああ”じゃなくて“ぎゃあああああ”である。女三人集まれば姦しいなんて言うけれど、私達が集まっても全然姦しくなかった。かしましいというより、けたたましい。

「ど、どこから聞いてたのあんた!?」

「? イカ可愛い、辺りからだが。……あれか、イカの話か。イカの話なら結構得意だぞ」

 “よかったバカで”、と三人で目を合わせ、胸を撫で下ろす。

「俺、あれだぞ、イカれたイカのイカしたトークなら――以下略――」

「ごめん異無、そのギャグは素直にウザい。以下略とか口で言ってんじゃないわよ」

「イカだけに、な」

「黙れ」

「イカしてるか?」

「黙れ」

「イカれてるか?」

「黙れイカレ野郎」

 これ以上恥を上塗りしないでほしい。

 ていうか何でイカトークに限ってそんな熱意もってんのよあんた。

「……っんだよ、せっかく話しに乗ってやったっつうのに」

「異無、あんたが乗ったのはただのイカよ」

 自分で言っておきながら意味わかんないけれど。

 会話がひと段落し、しばらく四人とも昼食の相手をする。

 私はスーパーで買ったオカズをそれっぽく盛り付けただけの簡易弁当を、良人は特性愛妹弁当を、火巻は相変わらず賞味期限切れのオニギリを、美唯ちゃんはその有り余る財力によって購入したっぽいデラックス弁当を、互いにぽつぽつ言葉を交わしながら食べる。

 ……なんというか、弁当一つでそれぞれの市民階級が一目瞭然ね。美唯ちゃんの輝くデラックス弁当と火巻の見るも無残な賞味期限切れオニギリを並べると、なんだかいたたまれなくなってくる。

 ちなみに美唯ちゃんは、治癒能力によって学園に多くの支援活動を行っている。だからこその医能力者ライセンス、だからこその財力。……その財力で、良人に美味しいもの食べさせてあげればいいのに。

 なんて思っていると、

「良人は幸せものだねえ、毎日こんなに美味しそうな弁当を作ってもらってさ。恨やましいね。ああ恨やましい」

 賞味期限切れオニギリをもそもそ食べながら、恨みがましい目で良人の弁当を睨みつける火巻。どう聞いても“羨ましい”ではなく“恨やましい”と言っている。

「どうした火巻、そんなに見詰めて。言っておくがこの弁当は誰にもやらんからな」

 ――――美唯の名誉を守るために、と続きそう。

「いいじゃん、一個だけちょうだい」

「やめろ。つうかやめとけ。これは責任を持って俺が全部食う」

「そ、その豆ひとつだけでもいいからさ。ね? 僕だってたまには賞味期限の守られた食べ物を口にしたいんだ!」

「やらんと言ったらやらん! お前には一個もやらん!」

「なにさケチ! 豆一個で意地になっちゃって! ケチンボアメンボ!」

 ……アメンボ?

「やかましい!」

 スパンッ、

「へぶらりぃっ」

 ……へぶらり?

「うぅ、あんまりだっ」

 お前のためだ、とでも言いたげな良人。

 それから火巻は、涙目で頬を押さえながらも物乞いを続ける。

「み、美唯ちゃん、美唯ちゃんならこの哀れな僕に施しをくれるよね? ね?」

 見ていて痛々しい。

 後輩に物乞いする先輩という世にも情け無い図が、そこにはあった。

「柚喜さんにはその美味しそうなオニギリがあるじゃん。ちょっと年季の入った成熟オニギリが」

「なにそれ嫌味っ? ひどいっ。なんて後輩なんだっ」

「ええー、仕方ないな。そんなに言うならこの海老の尻尾を進呈してしんぜよう」

「なにそれ嫌味っ!? ひどいっ! 僕の胃が海老の尻尾で満足するとでも!?」 

「嫌味じゃないよ。強いて言うなら旨味だよ。本当に旨味が利いてて美味しいんだから、この海老の尻尾」

「嘘だ! そうやって貧乏学生を見下して楽しい!? 後そのだじゃれは上手くない!」

「上手くない? 旨味だけに、っていうギャグ? それこそ上手くないよ!」

「それは上手くないけどさ!」

「でも海老の尻尾は旨いんだよ!」

「そんなに言うんなら一ついただきます!」

 結局へりくだって海老の尻尾を施してもらう火巻。哀れな……。

「ぱりぽりむしゃむしゃ――――あ、本当だ。以外とイケるね、海老の尻尾」

「それは良かったよ。ちなみに豆知識なんだけどね、海老の尻尾と台所の黒い悪魔の構成物質って同じものなんだよ。柚喜さん知ってた?」

「ゴフッ」

「きゃっ!? びっくりした! きたな! 柚喜さんきたなっ!」

「うぅ、あんまりだっ」

 火巻は涙目ながらも、まだ物乞いを継続する。

 で、当然、残る私の冷凍食品詰め合わせなんちゃって弁当に白羽の矢は向けられるわけだけれど……、

「……この庶民臭いので我慢しよう」

「あんたに言われたくないわっ!」

 スパンッ、

「らいぶらりぃっ」

 ……らいぶらり?

「うぅ、あんまりだっ」

 結局しくしくと賞味期限切れオニギリを貪る火巻。

 なんだろう、見れば見るほどサディスティックな気持ちになる。

 それから私達は昼食を終え、それぞれ弁当を片付けはじめる。


 と、その時だ。異変が起きたのは。


 ふらっ、と。

 立ち上がると共に、美唯ちゃんの身体が左に傾ぐ。


「っ!」

 私は咄嗟に美唯ちゃんを支えようとする、けれど、


 ガシッ、

 と。


「――――っ美唯!!」


 その前に、良人が有り得ない速さで美唯ちゃんを抱きかかえる。


 そう――――有り得ない、速さ。

 いくら良人の反射神経が常人離れしているとしても、あの間合いからこれだけの速さで美唯ちゃんに駆けつけることは不可能だ。

 なのに、良人は私よりも早く美唯ちゃんを抱きかかえた。支えて見せた。

 それは、なぜだろうか? なぜそれだけ速く対応出来たのか?


 ――――美唯ちゃんの身体に異常があることを、予め知っていたから?


 ……。

 私と火巻も、心配げに美唯ちゃんの元に駆けつける。

「おい、大丈夫かっ!? 美唯!」


 良人が――――何をそんなに不安に思っているのか――――悲壮に満ちた表情で声を掛ける。


「……ん、ぁ。……だ、大丈夫だから。平気だからっ、そんな顔しないで、ね?」

 平気なはずがない。

 見ると、額には脂汗が滲んでいる。

 先ほどまでは相当無理をして笑っていたのだろう……。

 心配を、掛けたくなかったから。

「……っ。……そうか。悪かった、取り乱して」

 良人はやり切れないといったしかめっ面で、美唯ちゃんから顔を背ける。

 悔しそうに。

 ……おかしい。

 この反応は、どこかおかしい。

 本来の良人なら、もっと妹を心配するはずだ。こんなに簡単に引き下がるほど、こいつは器用な男じゃない。

「ほ、ほらっ、そんなに心配しないでよ先輩方、葉姉も柚喜さんも。最近ちょっと貧血気味なだけだよ。ただの立ち眩みだって」

 言って、制服のポケットから何か取り出す。


 それは、三錠の白い飲み薬だった。


 ぐいっ、と水も無しに飲み込む。

 すると土気色だった美唯ちゃんの表情が、嘘みたいに良くなる。

 嘘みたいに、良くなる。

「……っふう。これ、私の能力で作った飲み薬。貧血によく利くんだよ」

 美唯ちゃんの異能力――――『念末念糸』。それは、念粒子で精製した糸や粉末により、ありとあらゆる治療を可能にする、学園屈指の治癒系超能力。

 今の薬は、念粒子を粉末状に精製した“念末”と呼ばれる粉末を調合したものだろう。

「本当に、大丈夫なのかい?」

 火巻が念を押すように聞く。

「うん。平気だって。天才医少女のこの私が保証するんだよ?」

 本人が自身を保証したところで、何の保証にもなりはしないのだけれど。

 でも、私と火巻は、その美唯ちゃんの様子に、

「そう……それなら、安心、ね」

「う、うん良かったよ、大事なくてさ」

 ただただ笑顔を取り繕い、そう答えるしかなかった。


 深く聞いてはいけない気がして。

 深く踏み入ってはいけない気がして。


 私は、


 美唯ちゃんの無言の叫びに気付くことなく、


 気付こうとも、しなかった。



「……」



 傍らで沈黙する良人が今日一日中、左肩の怪我を庇いながら過ごしていたとも知らずに。


 異無兄妹の抱える“歪み”を見過ごしながら、



 私の日常は過ぎていく――――、



 ――――終わりに向かって。



◆◇◆◇



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