エリスの正体
その夜。
王宮の一室に、四人だけが集まっていた。
灯りは落とされ、窓から差し込む月明かりだけが、部屋を照らしている。
最初に口を開いたのは、アマミだった。
「エリス」
穏やかだが、逃がさない声。
「説明していただけますわよね」
キーラも腕を組む。
ヒサナは、不安そうにエリスを見た。
エリスは、少しだけ困った顔で笑った。
「・・・やっぱり、忘れてなかったか」
そう言って、彼女は初めて──杖を床に置いた。
「約束。この話は、ここだけ」
三人は迷わず頷く。
エリスは、軽い調子で言った。
「アタシね、妖精のハーフなんだ。だから少し変わった魔法が使える。あと、大陸の魔力核を作ったの、妖精族だよ」
沈黙。
アマミは、すべてを腑に落とした顔で息を吐いた。
「瞬間移動・・・人類史に記録がない理由、ですわね」
キーラは短く言う。
「だから、詳しい核の話を知ってた」
ヒサナは、胸に手を当てた。
「・・・だから私のこと・・・」
エリスは、視線を逸らさずに答える。
「全部じゃない。でも、知ってる伝承がある。魂と核が繋がった存在の話」
ヒサナの喉が鳴る。
「それが私?」
「可能性は高い」
エリスは、はっきり言った。
「そして、その存在は、国に管理されたら、壊れる」
キーラが即座に言う。
「だから、守る」
アマミも頷いた。
「四人で、ですわ」
エリスは、少し照れたように笑った。
「ありがと。この事は東・西・南・北の四人だけの秘密」
ヒサナは、小さく息を吐いた。
「・・・秘密、多いね」
「仲間の証だよ」
エリスはそう言って、いつものニコニコした顔に戻った。
こうして──
四人の物語は、新しい段階へと進んだ。
静かに、確かに、世界の裏側で。
本編に登場するキャラクター
ヒサナ、キーラ、アマミ、エリスは
「キャラクターデザイン鳴海月花」の表記があれば創作、商用利用可能です。




