東の魔法使いアマミ・西の魔法使いエリス
事件は、公表されなかった。
国民に伝えられたのは、「王宮内での不正が是正された」という簡潔な報告のみ。
だが、謁見の間では違った。
王は、ヒサナとキーラの前で、深く頭を下げた。
「中立を約束したにも関わらず、我が側近がそれを破った。これは、王の責任だ」
ヒサナは戸惑い、キーラは真っ直ぐ王を見返した。王は続ける。
「ゆえに、改めて宣言する。南の魔法使いヒサナ。北の魔法使いキーラ。今後、誰からも干渉されることはない。監視も、拘束も、管理もしない」
それは、自由という名の、正式な保証だった。
そして王は、視線を横に移す。
「もう二人」
アマミと、エリス。
「今回の事態収拾において、そなたたちの力は無視できない」
アマミは帽子を取り、静かに名乗った。
「東の秋大陸から参りました、アマミですわ。魔道具開発を生業にしています」
王はすぐに察した。
「魔力を使えない区画での、あの爆発」
「副産物です」
アマミが答える。
王は、深く息を吐く。
「今後、国のために、協力を願いたい」
アマミは少し考え、答えた。
「政治利用はしないこと。研究の自由を侵さないこと」
「約束しよう」
次に、エリスへ。
「春大陸から来たそなたは?」
エリスは、いつもの笑顔で答えた。
「通りすがりの者です!」
一瞬、場が凍る。
だが王は、理解したように言う。
「西の魔法使いとして、名を刻む。望むかどうかは関係ない」
エリスは肩をすくめた。
「目立つの、嫌なんだけどな」
こうして──
東の魔法使いアマミ
西の魔法使いエリス
その称号が、半ば強制的に与えられた。
本編に登場するキャラクター
ヒサナ、キーラ、アマミ、エリスは
「キャラクターデザイン鳴海月花」の表記があれば創作、商用利用可能です。




