母の故郷、冬大陸
風が雪を巻き上げ、木々は真っ白に凍りついている。その景色の中にポツポツと灯りがついており、小さな村があった。
「ヒサナ、あそこがボクの村だよ」
幸い、魔物に出くわす事なくキーラとヒサナは冬大陸にたどり着いた。
キーラの村は木造の家を中心に、氷壁で風よけを作った独特の建築。
大きな獣の毛皮が干され、薪を割る音があちこちで響く。
「おい、キーラが帰ってきたぞー!」
村人が叫ぶと、家から次々と人が出てくる。
「キーラ!魔物退治でもして来たのか?」
「南の方に行くって飛び出して行ったんだろ?」
「キーラ姉ちゃん、その人誰〜?」
村人の視線がヒサナに向く。
「・・・!」
ヒサナは緊張で体が強張る。キーラはそれに気づき、ヒサナの手をそっと握った。
「大丈夫だよ」
「・・・・うん・・・・」
ヒサナを見た村長が一歩前に出てきた。
「アンタ、もしかしてエリスの娘かい?」
「あ・・・あの、母の事ご存じなんですか・・・?」
おずおずと尋ねると、村長は笑顔を見せた。
「アンタのお母さん、冬大陸の有名人だったんだ」
「え?」
「猫獣人の旦那に一目惚れしてね、毎日追っかけ回していたんだ」
年配の女性が興奮しながら話を進める。
「一族総出で説得しても、結婚するって言ってね。夏大陸に嫁いで 行ったわ!」
母がアグレッシブ過ぎて恥ずかしい。顔が熱くなる。
大勢の村人に囲まれ、ヒサナはキーラの手を握りながら涙目になっていた。
「ははっ!アンタは控えめで人見知りで、父親そっくりだね。」
「〜〜〜っ!」
どっと笑いが起き、笑いが落ち着いたころ、村長は真剣な表情で言った。
「さて・・・本題に入りましょうか」
本編に登場するキャラクター
ヒサナ、キーラ、アマミ、エリスは
「キャラクターデザイン鳴海月花」の表記があれば創作、商用利用可能です。




