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歪んだ感情
翌日。
石をヒサナに押し当てた瞬間。いっきに魔力が吸われる。
「・・・あ・・・」
ヒサナの声が、震える。
止まらない。
魔力は、石に吸われ続ける。
減らない。供給が、止まらない。
その瞬間。
グリードの瞳が、わずかに見開かれた。
(本当に、尽きない・・・)
喉が、鳴る。
これは、理論の裏付けではない。現実の証明だ。
(これは記録すべきだ。管理すべきだ、失わせてはいけない)
思考が、完全に一方向へ傾く。
「・・・グリードさん・・・ちょっと・・・」
ヒサナの声。
それが、彼の意識を現実に引き戻した。
(まずい)
慌てて石を離す。
遅れは、一瞬。だがその一瞬で、すべてが決定的になった。
ヒサナが崩れ落ちる。抱きとめながら、彼は理解してしまう。
(私は、もう戻れない)
冷静では、いられなかった。
だが、狂っている自覚もない。
ただ、選ばれた場所に立っている。そう信じてしまった。
本編に登場するキャラクター
ヒサナ、キーラ、アマミ、エリスは
「キャラクターデザイン鳴海月花」の表記があれば創作、商用利用可能です。




