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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
一章 少年との出会い

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白い少年

少年を回収しようと、ゴウライが近づく。


ぴくっ


少年の手が動いた。


「。。。バカな。。。」


ゴウライは驚きと共に少年を注視した。


体の骨は砕いた。すでに回復魔法の効果は消えている。

意識も戻っていない。なのになぜ動く?


手が動き、腕が上がり、体を支える。

体の調子を確かめるように、少しづつ動きを大きくする。


立ち上がり、肩を回し、鼻に詰まった血を吹き飛ばす。


「ぺっ!」

ビシャッ


地面に血の塊を吐き出し、下からねぶる様に睨んだ目をこちらに向けた。


「おい、おっさん。ガキにこの仕打ち。。。大人のすることかよ」

口調が少年のものではない。


「。。。お前は誰だ」

ゴウライは得体のしれない存在に戦慄する。


「誰でも関係ねぇ。。。俺は怒ってんだよ。てめぇは許さねぇ」

話すうちに、少年の髪が金色から白く染まっていく。

髪が逆立ち、白い光に輝きだす。毛先から細かな光塵がこぼれ出し周囲に溶ける。


「ひゅっ!」

短い呼吸音がして、少年の体が目にも止まらぬ速度で突進する。

白い臨光を撒き散らしながら。


男は油断したわけでは無い。

しかしその突進を目で追うことが出来なかった。

突進の勢いのまま体当たりで巨体を吹き飛ばす。


ずざざざぁぁぁ


かろうじて倒れこむ事は耐えたが、尋常な力ではない。

死にかけの少年が出せるはずのない力を目の当たりにして、ゴウライは焦る。


目を向けると、その白い少年は翠脚鞭の体制で、すでに蹴りを打ち下ろしている。

「ばかな!」


魔法は解け、すでに撃つことは出来ないはず。

とっさに、すべての気を高め衝撃に耐える。


クリーンヒットした翠脚鞭の威力は人の体を内部から破壊する。

しかし、相手は崩山拳の使い手。ただの人間とは違う。

この世界の拳法使いは、魔術とは別のやり方で精霊の力を体に取り込む。

呪文のプロセスを排除して単純な身体強化のみを瞬時に行う。


ゴウライは長年の修行により、内臓を含めたあらゆる部位で形質変化を可能とした。

この蹴りの性質から、土は論外、水も火も役に立たない。

風の性質のみが威力を拡散出来る。


瞬時にそう見抜いたゴウライは全身を風と化す。

ゴウライの全身を翠色のオーラが包む。

すべての細胞が風の性質となり、受けた波の衝撃に逆らわず体外に流す。


ぱぁん!

空気の壁を穿つ音。

錐もみ状の衝撃は波となって体内に食い込むはずが、そのまま素通りして後ろの地面を塵に変える。


どごう


俺は、ゴウライに叩き込んだ蹴りの手ごたえのなさに舌を巻いた。

(一瞬で同調しやがった)


大技を封じられたのは驚いたが、まだ手は残っている。

技の反動を受け流し、回転しながら距離を取り、次の手を思いつく。


着地し、起き上がる。

ゆっくりと近づきながら、魔力シリンダーを形成する。

今の俺は無尽蔵に魔力を溜めることが出来る。

これの意味するところをすぐに実践した。


今なら力の圧縮と解放を繰り返す事が可能だ

体の不調は魔力で強制的に治す。

小さな子供の体への負担は計り知れないが、今は無視だ。

後でいくらでも怒られよう。


この男を退ける。今はそれだけに集中する。


両脚と両腕に魔力の圧縮炉を形成する。

魔力を構造物質に変換し足の形をした炉が作られる。

冷却フィンを重ねたような形で、そこからは熱ではなく余剰な魔力が放出される。

充填された力が外にまであふれ出し、白色の臨光が輝きだす。


魔力シリンダーは魔力の圧縮と放出を繰り返す内燃機関エンジンとなり、身体能力を爆発的に上げる。

少年の体は動物としてのことわりから外れ、工業機械の理論で動き始めた。


クィィィキィィィーーーーン


放出される魔力の残滓が音となって鳴り響く。


「Go!」


人の領域をはるかに超えた速度で、ゴウライに突進する。

超高速移動による摩擦で地面が溶解しどす黒く炭化する。


バァン!

突進し、すれ違い様に拳を叩き込む。


ゴウライは、目で追うことの出来ない攻撃に反応することが出来ない。

全身を風の性質にすることで、ダメージは最小で済んでいるにもかかわらず。

ただ受けるだけで意識を持っていかれそうになる。


このままでは、いずれダメージが蓄積することを予想し、反撃の機会をうかがい始める。

少年が超高速に慣れていないためか、直線的な攻撃しかしてこないことを逆手にとりカウンターを狙う。


そしてその時が来る。


ゴウライは次の攻撃のタイミングを予測し、カウンターの一撃を準備する。

気を練りこみ、火の性質を拳に乗せる。


しかし、俺はそれを読んでいた。

わざとタイミングが取れるように、単調な攻撃を繰り返す。

カウンター返しにより一気に相手をねじ伏せるつもりで。


次の一撃、腕に収束した魔力を解放し、腕を使っての翠脚鞭(翠手鞭)を放つ。

しならせた腕から波動を手刀の形で一点に放出させる。


「はぁぁぁぁぁ!!!」

「うぉおおおお!!!?」


ゴウライが俺の企みに直前で気づく。

だが時遅く、放たれた大砲は止まらずに発射された。

ゴウライが瞬時に拳同士をぶつけ合うように狙いを変えた。


カ、カカッ!!!ゴッゴォゥン!!


雷鳴のような音が響く。


それは、巨大なエネルギー同士のぶつかり合いとなり、周囲に破壊をもたらす。


力がぶつかった瞬間、衝撃により周囲が土埃で見えなくなった。


未だ勝敗は分からず、時が止まった。


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