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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
一章 少年との出会い

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少年と英傑

癒しの翆風ヒールホーリィウィンドゥ!」

ミリーの魔法が発動し、少年は翠の風に包まれる。


戦いの準備は整った。


俺と坊主は気合を入れ直す。

髪も輝きがさらに増す。


ミリーが掛けてくれた、魔法の効果が続く間に勝負をつけなければ。


アインは走り出した。


いつものように近づこうとするが、隙が無い。

相手は格上、実戦で練磨された技と実力では到底届かない。

こちらを試すような余裕を感じる。

俺たちは、そこに勝機を見出す。


わざと、大技を最初に放つ。

撃ってみろと言わんばかりのその男に。


脚に魔力シリンダーを形成し、力と魔力を圧縮。

圧縮した力を解放し、上空へ跳躍する。

蹴りの威力を最大限活かすため、脚の関節が伸びきる程振る。

脚のしなりが波動を生み、魔力シリンダーに溜まった波動を全開放する。


翠脚鞭


そのインパクトの瞬間ゴウライの目が見開き、吠える。


「はぁ!!」


達人は、その技の弱点を瞬時に見抜き、インパクトの直前アインの体を狙う。


以前ザジの行った翠脚鞭の対策と同じ方法。

初見でこの技の弱点を見抜き、対策をとるこの男の戦闘センスは抜きんでていた。


しかし、俺たちはそこにこそ活路を見る。


俺は魔力シリンダーの全力解放パージを数舜ずらし、わざと失敗する。

音速を超えずに亜音速に留まった蹴速。

その衝撃は広範囲の空気の壁を生む。


重く響く空気を圧する音。

「ズドォォン!」


少年の体に拳を叩き込む瞬間に、衝撃がゴウライに襲い掛かる。


「ぐっ!」

巨漢の体が数メートル押し戻される。


翠脚鞭の失敗は成功時の威力と効果に及ばないまでも、亜音速での衝撃波は十分な威力を持つ。

だが、これは少年の体への反動が伴う自爆技だ。

威力を相殺できずに、体に掛かるダメージを魔法の回復効果と精神力で耐える。


ゴウライは予想しなかった衝撃に驚き、一瞬の隙を見せる。

好機と見たアインは、気を失いかける意識を引き戻し二本目の矢を放つ。


翠脚鞭二連


横なぎに振りぬかれた音速の蹴りをゴウライに叩き込む。

ゴウライはこの蹴りにも反応し、瞬時に距離を取る。


しかし、完成された翠脚鞭の衝撃波が体を掠った。

衝撃はゴウライの体内を波となって伝わり内臓に損傷を与えた。


「ぐふぉ」


口から血を流し後退するゴウライ。


勝機!

ここで畳みかける!

だが、少年の体が動かない。いや、動けなかった。


反動のダメージが大きい。

そのため、2発目の反動もうまく受け流せなかった。


お互いに、距離を取って時間が止まる。


ゴウライは自らの慢心から受けた傷を恥じていた。

「俺も、まだ、修行が足らんな。。」


そして、思わぬ強敵となっていた少年に、本気になった。


これからは奇襲は通用しない。


「小僧、いや、アインよ我が技と力の全力をもって応えよう!」


その言葉を言い終わるや、巨漢が目の前から消えた。


すぐに少年の背後に現れる。

アインはすぐさまその場を飛びのき、男の放つ拳打を避ける。

ドワーフを吹き飛ばした威力のそれを、まともに食らっては少年の体が砕ける。


的が小さく狙いが定まらないのが幸いして、攻撃は空を切った。

しかし、男の攻撃は止まず、蹴りと拳による連撃が少年を襲う。


リズムのある攻撃に、アインは徐々に草人の闘法を仕掛ける。

避けるのと回転するのとを同時に行い、死角の支配を試みる。


どれだけ、熟練していても体の大きさの違いは代えがたい。

アインのような小柄で高速移動を得意とする闘士は、ゴウライの経験にも少なかった。

ゴウライの拳と蹴りが空振りし、アインの回転速度が上がる。

トップスピードに乗って目で追いきれなくなる。

アインが戦闘の主導権を握ろうとした、その時、ゴウライの技が大地を揺らす。


砕踏崩地


大地を文字通り砕く大技が放たれる。


広範囲で地面がえぐれる。

立つことも出来なくなり、アインの動きが止まった。


「そこ!」


すかさず、ゴウライの蹴りがアインを襲い直撃した。


唸る音と共にその太い脚で上空に蹴り上げられた。


落下する小さな体が落ちる地点でゴウライは待ち構える。


「こうか」


上空に向けて片手で拳を突き上げ、アインと同じ七星連結の構えで落ちてきた体に拳を打つ。

あえて、アインの技を使うゴウライ。


ぐしゃぁぁ


何かがつぶれたような音が辺りに響き、アインが地面に倒れ伏す。

そのまま少年は動かない。


体が痺れて動けない3人はそれを見て、身が張り裂けるかのような怒りが沸く。

しかし、彼らは、そこで見ていることしか出来ない。


そこには絶望しか残っていなかった。



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