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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
一章 少年との出会い

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惨劇再び

最終試合が始まる。


アインと、土穴族ドワーフの戦士が、お互いに闘技場で名乗りを上げるため観衆の前に出る。


すると、どこからともなく剃髪の巨漢が現れる。


村長がその男の名を呼ぶ。

「ゴウライ。。。」


観衆がざわめきだす。


「ゴウライって、東方無双の?」


村長が何をしに来たのか聞く。

「。。。飛び入り可能だと聞いた」


「おいおい、いくら有名人って言ったって順番は守ってくれないとなあ」

ドワーフがゴウライを退けようと手を出す。

その瞬間、中国武術の崩拳のような打拳が放たれ、ドワーフが客席まで飛んだ。


「その小僧に用がある。邪魔をするな」


「。。。ゴウライ、いくらお前でも、祭りを汚すようなことは許すことはできん」

「祭りを汚す。。。か。それはこれを見て言うんだな」


ゴウライが突然アインに向けて鋭い蹴りを放つ。

反応が遅れ、兜をかすめ留め金がはじけ飛んだ。


ふぁさぁ


兜が落ちて黄金の髪が衆目にさらされる。


「正体を隠して参加するのは、祭りを汚すことじゃないのか?」


観客が騒ぎ出す。

「あの金髪って」

「え、なんで?」

「。。。魔王?」


この地において、金髪の子供は凶兆を示すものとされる。

それは長い羈縻政策きびせいさくで、かつての王を悪としてきたせいだ。

住民にとって、魔王は悪でありそれを疑うことを知らない。


無知ゆえの無垢なる正義感から、少年に憎悪を向けるもの。

困惑して、周りに同調するもの。


徐々に、アインへのヤジや暴言が大きくなる。

「祭りを汚しやがって!」

「なんてガキだ!」

「あんな子やっつけちゃって!」


民衆が、英傑とうたわれたゴウライを正義の代行者のように持ち上げる。


「。。。」

「どうやら、村民は文句無いようだぞ」


村長は何も言えずに睨みつける。


開始の合図など関係ないというように、ゴウライが歩き出す。


アインはその男の歩みから、油断なく間合いを測る。

ゴウライはアインが飛び込むぎりぎりの位置で止まる。


「初めに会った時とは見違えたぞ、小僧。。。破っ!」


ゴウライは覇気を発して相手を威嚇した。


「。。。」

アインは巨漢の男から発された覇気にひるまず睨み返す。


「それでこそ、この世を滅ぼす者だ。手加減はせんぞ、小僧!」

ゴウライが吠えた。


その声と同時に、村の様子が変わった。


ごぉぉおおお!

炎が立ち上った。

祭りの客に扮していた野盗が行動を起こした。


「きゃぁぁぁ」

「火事だぁぁぁ」


通りで民衆が逃げ惑う。


黒梟の仕込みにより、村中に配置した野盗が一斉に襲い掛かる。

屋台やパレードの花車に火がかけられる。

通りの民衆に斬りかかる。

家に押し入り、金品を強奪する。


ヒャクガ村の惨劇が再現される。

観客は闘技大会どころじゃないと逃げ惑う。

アインはすぐにでも助けに行きたいが、目の前の男がそうさせてくれない。


錬成土塊戦士(クリエートウォーリア)

百の尖兵ハンドレッド・ヴァンガード重装歩兵(ホプリテス)歩兵(ソルジャー)


遠くでナージャの呪文の声が聞こえる。


次々と現れる、土塊の兵士(ゴーレム)たち。


村の方は、これでなんとかなりそうだ。


「アイン!」

目を覚ましたカイルとリタ、ミリーが合流する。


カイルはまだ体力が戻っていないようで、ふらついている。

ミリーもリタに支えられてようやく立っている。


3人はゴウライを見て驚く。


「どうして、あんたが。。。」

カイルは英傑による再びの襲来に驚いている。


ゴウライは一瞥するも、目的はアインのみと言わんばかりに無視する。


「。。。」

カイルたちの目の前にいつのまにか男がいた。


最初から、その場にいたような静かな佇まいで、疾爪のアルフレッドがカイルたちの前に立ちふさがる。


無言で剣を抜き構えをとる。


ロングソードを斜めに持つ独特な構えで、3人の動きを牽制する。

「。。。」

アルが何かをつぶやくと、持っている剣に光が宿る。


「魔法剣。。。」


ミリーがその正体に気づき、警戒する。


剣に付与魔法(エンチャント)を掛けて戦う剣士を魔法剣士と呼んだ。


「ミリー、あんたはアインを」

「はい」


リタが投げナイフを投げ、隙を作る。

カイルが剣士の注意がミリーに向かないように、飛び掛かる。


ミリーが走りながらアインに魔法をかけようと詠唱をする。


その目の前にサーニャが不意に現れた。

「ごめんね、お嬢ちゃん」

サーニャが何かを振りまく。


麻痺香パラリシス ・パフューム


ミリーはその香りを嗅いだ途端に体の自由を奪われる。

全身が動けなくなる前に、詠唱の最後、力ある言葉を発した。


癒しの翆風ヒールホーリィウィンドゥ!」

その魔法は、アインに必殺の一撃を授ける。


「あちゃあ、間に合わなかったか」


「ミリー!」


リタがサーニャにナイフを投げて、ミリーから遠ざける。


「おっと」

サーニャは難なくよける。


カイルと数合やりあった後、お互いに隙を探して対峙するアルの元に行く。

「魔術師のお嬢ちゃんはしばらく動けないよ。あとはこいつらをどうにかして」


「。。。うぬ」


魔力の出力を上げ、剣の輝きが増す。


魔法剣と化したロングソードは術者の意思で様々な変化を起こす。

斬撃を上げる。

重さを羽のように軽くする。

逆に重くする。


アルは下から振り上げる独特の剣筋で、ロングソードを振る。

早い!

それは重さを感じさせない速さで、カイルに迫る。

カイルは自らの剣で弾こうとして、失敗に気づく。


「キン、ガッ」


2本の剣が合わさったその時、カイルのショートソードが回転しながら飛ばされた。

アルは瞬間的に剣の重量を増やした。

その重さに耐え切れず、カイルは剣を手放してしまった。


ざすっ


手放した剣が地面に突き刺さる。


その隙を逃さず、サーニャが麻痺香をふりまく。


「カイル!」

様子を見ていたリタがカイルに加勢しようと動き出す。

サーニャが痺れて動けないミリーを狙い、持っていた鞭をふるう。


身をもってかばおうとしたリタに鞭が命中した。


「がぁうっ!」


苦痛で悶絶するリタ。

鞭には麻痺香と同じ効能の薬が塗られていた。


3人が麻痺で無力化された。


「そこでおとなしく見ていなさい」

とどめを刺す気はないらしく、だまって少年の戦いを見るサーニャとアル。


ミリーが決死の思いで掛けた魔法。

その後すぐに、少年と、英傑の戦いは始まっていた。


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