表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
一章 少年との出会い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/69

闘技大会

収穫祭が始まった。


闘技大会は祭りの最終日、3日後に開催される。

その間、一行は観光客として祭りを楽しんだ。

闘技大会に参加する者、見物する者が大陸中から集まるこの祭りは、村長の号令で始まった。


「今年も収穫は上々だ。大地の恵みに感謝しよう。闘技大会は今年も強者が集まってくれた。大いに盛り上がってくれ」

祭りの始まりを告げるとパレードが村中を練り歩き、今年の実りの喜びを分かち合う。


少年はここ最近ふさぎ込むことが多くなった。何もせずにボーっとしてる。

祭りの朝、ミリーがアインを連れ出した。

「アイン行こう!」

「。。。うん」


初めは乗り気ではない様子だったアインも、大きな祭りは初めてらしく、興奮してあちこちを見て回った。

アインにあまり考え事をさせないように、引っ張りまわしている。


他の3人は振舞いの料理に舌鼓を打ち、うまい酒と肴にご満悦のようだ。


そうして、皆が思い思いに祭りを楽しみ、闘技大会当日となった。


闘技大会はトーナメント形式で行われる。

第一試合は四組で行われ、飛び入りの途中参加も可能ということだ。

参加人数が少ないと言っていた村長の言う通り、今回は9人の参加でその内ペアチームが1組となっていた。

アインの場合、年齢や正体を隠しての参加になるため、名前を変えて草人ハーフウッドの戦士ということにした。

村長に事前に髪を隠すよう言われ、リタの兜を借りて顔も見えないようにマスクをした。

そうして、大会の開始を待つ一行を見る複数の目があった。


ようやく追いついた疾爪の面々がそこにいた。

いつもの、ローブは着ておらず、目立たないように普通の冒険者の恰好をしている。


「闘技大会たぁ、ずいぶん余裕があるじゃねーか」

ザジが面白くなさそうに言う。


正体を衆目に晒してまで手は出さない。この戦闘狂にもその程度の常識はあった。


「お手並み拝見というところだな。目立つから手を出すなよ」

ジンライがメンバー(特にザジ)に言う。


「全員で監視する必要は無いだろ。俺はその辺ぶらついてくるわ」

と、勝手にどこかに消えるザジ。


「ほんとに、相変わらず勝手なんだから」

サーニャがイラついて苦言をこぼす。


「実際、4人も必要ないしな。俺とサーニャ、アルとで交代に監視しよう。

アル、ここは任せていいか?」


「。。。」

アルフレッドは無言でうなずき了承する。

「じゃあ、あたしもその辺を見てきます」

「ああ、思念糸は繋げとけよ」

「分かってまーす」

そう言ってサーニャも人ごみに消えた。


「後は任せた」

ジンライも歩き出した。


残されたアルフレッドは、人垣から気配を殺して一行の監視を続けた。


。。。


闘技大会のエントリーが発表された。


第一試合


草人の戦士アフィン (アイン)vs  巨人族の戦士ドド


第二試合


土穴族(ドワーフ)の戦士 vs  森人エルフの剣士


第三試合


カイル vs 東方の刀剣使い(ソードマスター)


第四試合


リタ&ミリー vs 女戦士イリナ


防衛王者ディフェンディングチャンピオンだった村長が一昨年に引退してから、今年も獣族の参加は無かった。

村長は寂しさを覚えながらも、少年アインのことを思い浮かべる。

あの動き、反応速度、明らかに普通の子供じゃない。

いくら、獣族の血が流れていても血の継承前で、ましてや子供にあれだけの力が出せるものだろうか。


獣族では稀に先祖返りのような隔世遺伝の子が産まれる。

古き血が濃く継承された子はいずれも狂気に囚われ、成長するにつれて狂戦士のようになるという。


言葉が理解できず、周りのすべてに対して破壊衝動が止まらなくなり、いずれ死に至る。

対してアインのその精神は穏やかで暴走する気配がない。

しかし、その力は狂戦士と化した子供のそれであり、継承を終えた大人でもかなわないほどである。

最初あきらめさせるために力試しを行ったが、本気を出さなければ、こちらがやられていた。


「王の器か。。。」


誰ともなく呟く村長は、口に出したその言葉の意味を考えていた。


闘技場に参加者の姿が現れた。


村長からルールの説明が始まる。


「この大会のルールは簡単だ。一つは相手を殺さない事。もう一つは相手を戦闘不能にすること。これだけだ。」


非常にあっけなく説明が終わり、試合の合図を待つばかりとなった。


殺すな、倒せ。


俺は単純ゆえに奥深い、この試合の開始を興奮を抑えきれずに待っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ