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最初の危機

旅立ちのその後のお話です。

幼い子供が山登りという過酷な道を進む様を、見守る主人公。

少しだけ少年の役に立てることが出来た、そんなお話です。

狩猟小屋から旅立って、数日のこと。

子供の足で山を越えることの難しさに直面していた。

予想はしていたけど想像以上にしんどい。


まだ、4歳になるかどうかの子供だもんなあ。


昼と夜(憑依した俺)の強行軍で、山一つ越えることもできていない。


歩幅の違いもあるが、何より持久力が絶望的だ。

歩くことに慣れていないためもありよく転ぶ。

加えて道なき道を手探りでは無理もない。


だが、少年は黙々と歩き続ける。

疲れて泣き出すこともない。


小さな体、細い手足、いつ挫けてしまっても不思議ではない。

しかし、少年の心は折れず、自分に何かを課すように黙々と歩く。


夜になれば、俺の出番だ。


ストレッチやマッサージを自分で行い、休息をとりながら一歩ずつ進む。

不思議なことに、憑依している間は食事が必要ないことに気づく。

また、昼の間についた擦り傷や打ち身のあざも憑依している間に治ってしまう。

便利なもんだが、これがなければ山越えなどできなかったかもしれない。


憑依中の疲労感も残らないようなので、俺が体を使っているときに知識を伝えることにも集中した。

山を歩く時の姿勢や歩き方。

空気が薄くなった時の呼吸法。

現在位置の確認の仕方。


どれも、アニメや漫画で得た無駄知識だが役に立てた。


一つ目の山を越えたあたりで、最初の脅威と出会う。

これまで、出会う獣は凶暴なものはなく、鹿に似た草食動物くらいだった。


そいつからは明らかに、命の危険を感じた。


イノシシを思わせるフォルムに背中には角のようなものが数本生えている。


お互いに出合い頭でこちらをにらんで対峙したまま時間が過ぎる。


突然、そいつがこちらに向けて駆け出した。

首を引っ込め背中の角を突き出し、突進してくる。

足場の悪さもあって、逃げ出すことができない。


やめろーーーー!


俺はイノシシもどきの前に躍り出て立ちふさがる。

素通りするかと思われた直前で獣の足が止まる。


イノシシもどきが俺の目をじっと見ておびえている。

あれ?姿が見えてる?


ならば!


できるだけ体が大きく見えるように煙のような体を獣に覆いかぶせる。

あっちいけーあっちいけーと念じて目を光らせる。


おびえて震えだした獣はそのまま反転して一目散に逃げだした。


ふう。


どうにか危機は去ったようだ。


安心したせいか、ふにゃふにゃと腰が抜けたように膝をつく。


「う、うわぁあああああん!」


緊張の糸が解けた途端、少年が泣き出した。


はは、は。そうだよな、おっかなかったよな。

でも何とか追い払ったぞ。


へへ、やればできるじゃん。俺。




少年の役に立てることを知ることが出来た主人公。

次回は冒険者の一行と出会います。

そこで会う人物とは少年と少なからぬ縁があるようです。

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