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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
一章 少年との出会い

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33/68

監視者

監視報告


オアシス:ドラグフォルにて監視対象を発見。

情報通り辺境への逃亡を図る模様。


宝石商との接触を確認。

早々に出発するつもりのようだ。


嵐により進行方向を変更。

目標が旋風竜に捕らわれる事態発生。

報告に無い力の発動を確認。

驚くべきことに、対象一人で旋風竜を撃退。

詳細は追って報告する。


一時退避所にて別の商隊と合流し出発。


草原の村:グラスブランに到着

対象の仲間(監視対象外)の2人が馬車にて出立。

対象は村民の一人と仲間の男と共に村の外へ移動。

格闘訓練を行う模様


3度目の朝を迎えるが対象に依然動きは見えず。

同行していた商隊が出立。

宝石商も同様に出立する模様。


仲間の魔術師が孤立する機会に接触を試みる。


。。。


ナージャは一人で村の広場にあるベンチに腰を掛けていた。

他の者は何かと忙しく、最近は一人でいることの方が多くなっている。


端から見れば、老人が日向ぼっこを楽しんでいるように見える。

しかし、その周囲には不自然なほど人の姿が見えない。


「老師、お久しぶりです」

昼間の明るい広場に、スッとどこからともなくフード付きの外套ローブを被った大男が現れる。

「隠影」という周囲に姿を溶け込ませる魔術を解くと、男は知古の友人に声をかける。


「ひさしいのぉ、お主自ら現れるとはな」

煙草をふかし、目を合わすことなくナージャは男の声に反応する。


黒梟、疾爪の班長リーダー、ジンライの姿がそこにあった。

「まさか、あなたが評議会の方針に背くとは思いませんでした」


くっくっと笑い、老婆は、

「なあに、バカ弟子の尻ぬぐいさぁね。それで、わざわざ会いに来た理由はなんじゃ?」

男は肩をすくめて、

「ただのご挨拶ですよ。マエストロ」


途端に老婆の機嫌が悪くなる。

「その名で呼ぶのはやめんか」


「お気に召しませんか? 人形遣い(マエストロ)とまで呼ばれた貴女が、評議会から除名された件は私も納得はしていません」

「昔の話じゃ、そんな話をするために来たのではないのじゃろ」


男は真剣な様子で言う。

「貴方には恩義がある。巻き込むのは私の本意ではありません。ですので、我々の邪魔はしないでいただきたい。今回は手を引いてはいただけませんか?」


男の丁寧な物言いに隠された威圧を感じて、老魔術師は薄く笑いながら、

「断る」


男はため息と共に、

「そう言うと思いました」


「アイン。。あの子はな、わしの孫のようなもんじゃ。お前たちの好きにはさせんよ」


男は意外そうな声でつぶやく。

「アインというのですか、あの少年は。。。」


男の声音に引っ掛かりを覚えて問う。

「なんじゃ?」

「いえ、なんでもありません。子供の名前にしてはめずらしく感じたもので」


紫煙を吐きながら老婆は、

「それより、如何にする。ここでやり合うか?」

「御冗談を、あなたと直接やり合って勝てる程うぬぼれてはいませんよ」


老婆は鼻を鳴らし、

「良く、言う。すでに配置は済ませているだろうに」

「。。。さすがに油断できませんな」

「今日は、本当に挨拶のみです。ですが、直接相対することだけはお止めいただきたい。我々も上に報告しなければなりませんし、そうなれば評議会も黙って見てることは出来なくなります」


男は冗談めかして、付け加える。

「我々としても、仕事が増えるのは勘弁願いたいですからな」


今この場でやり合うことはないとして、ナージャも矛を収める。

「どこまで本気か分からん男じゃな」


「それではここで」

男が去ろうとする。

老婆は別れ際に苦言を思い出す。

「そうそう、お主の兄者がわしらをつけ狙っておるが、お主に心当たりはあるか?」

「兄が?」

ジンライは素で驚いていた。

「あの風来坊がなぜ。。。いえ我々とは別口ですね。はぁ、やっかいなことにならなきゃいいが」

そう言い、ジンライは姿を消した。


残された老婆は、先ほどまでの静寂が徐々に喧騒に変わるのを感じた。

人払いの結界が解かれたようだ。


昼下がりの暖かい日差しと、心地いい風が頬を撫でるそんな時間が戻ってきていた。


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