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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
一章 少年との出会い

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翠風の杖

素材集めが終わり杖の再生を行うシーンです。

商人たちはそれぞれの目的地へ旅立ったようです。

そしてミリーは新たな力を得ます。

草原の村に帰還を果たした二人。

村は市場の活気や喧騒が消え、穏やかな空気が流れていた。

ロラン商隊の姿はなく、次の村に向かった後だった。


村に到着すると、早速、師匠への報告へ向かった。

出迎えた老婆はホッとすると同時に微笑みを浮かべていた。


「ようもどったな。まずは旅の疲れを癒しなさい」

ナージャはお茶をいれて二人に勧める。


「それで、目的のものは手に入ったかい」

「ええ、この通りです」

火蜥蜴を閉じ込めた小瓶を見せる。


「それと、途中で風の祠へ寄って、試練を受けてきました」

と、緑石の石を取り出す。

風の精霊核は輝きを増し、今は風の宝玉と呼ばれるほどの魔力を帯びていた。


「途中で竜や魔物に追いかけられなかったか?」


「そこは、なんか嫌な予感がしたんで急いで戻ってきたんだ」

リタが補足する。


「それが正解じゃな」

本来の持ち主が手にした宝玉は、正しく制御しないとその力を周囲にも伝えてしまう。

それが魔物を呼び寄せる要因になっていると老魔術師は考える。


「ところで、ロランさんやビドゥさんを見ませんけど、もう出発されたんですか?」

ミリーが村に戻ってから気になっていた違和感を口にする。


「ああ、ロランは次の取引先へ向かうと言っておった。ビドゥのほうは。。。」

ナージャはその時の会話を思い出す。


出立の前に、ロランがあいさつをしに来た。

「みなさん、お世話になりました。いずれどこかでお会いした時はまたよろしくお願いします」

「なに、たいしたことはしておらんで、そちらも気を付けてな」

ナージャが代表して挨拶する。


「これは商人としての予感なですが、あなたたちとはまたどこかで出会う気がします」

「良き、取り引きと共に、あなた方へ幸運が訪れんことを」

商人の間での幸運を祈る言葉で別れを告げた。


ビドゥも旅支度を済ませている。

「じゃあ、あたしも出かけますんで」


ナージャが、それに文句を言う。

「道案内がいなくなってどうする」

「皆さんは、しばらく、ここから動けないんでしょ? なら、あたしは、この辺の村を回って商品の仕込みをしてきやすんで。

そうですな、ここから森人エルフの集落までは一本道ですんで、水の季節に落ち合うっていうのはどうでしょ?」


ナージャが少し驚く。

「森人とも商売してるのか?」


森人は、長命で気位が高く短命種を下に見るものが多いと聞く。

商取引という事も行っておらず、地産地消の隔離した環境で生活しているため他種族との交流がないと言われていた。


「森人の方たちとは古い友人でしてね。いつも商品の仕入れには助けていただいてるんでさあ」


疑わしい話だが、交流があるのは事実らしい。

アインの修行が終わり次第向かうということで、ビドゥとも行動を分けることになった。


話しを聞き終えると、早速リタが、

「うさんくさ」

と突っ込みを入れたが、本人がいないのでそこまでだった。


儀式は早い方がいいとナージャが言うので、早速準備に取り掛かった。

人のいない草地を選び、他人が立ち入らないように結界を張る。


儀式の邪魔になるので、この場にいるのはナージャとミリーだけだ。


ナージャが呪文を唱えると、草地の上に白い魔方陣が輝く。

「杖をそこに置くんじゃ」


魔方陣の中心に自分の杖を持っていくと、杖は浮かび上がり空中に屹立した。


「まずは分解からじゃ、火蜥蜴をつかって杖の構造を解析し、分解してみなさい」

「はい」


ミリーは小瓶から火蜥蜴を1匹取り出し、それを手のひらに作った火の結界に閉じ込める。

半透明の赤い球体の中に火蜥蜴が入り、ミリーが呪文を唱えると大きさを変えて炎の形になる。

球体の中で燃え盛る炎を杖に近づける。

すると、杖に赤い幾何学的な線が浮かび上がり、その線に沿ってブロック状に分解されていく。

「それ、宝玉を杖に吸い込ませるんじゃ」

ミリーは頷き、懐から風の宝玉を取り出す。


宝玉はミリーの手から浮かび上がり、杖の頭の部分に収まる。

ミリーの呪文がさらに続き、ブロック状の部品が集まり杖の形を形成していく。

先端の部分の金属が変形し、風と雲の意匠を持つ台座に変形する。

うねる様に金属が集まり、風の宝玉が台座に収まった。


玉の汗をかくミリー。かなり集中する作業なことが伺える。

最後に、名を刻む。


ミリーが高らかに宣言する。

「再誕せよ! 我がしもべとして命と名を与える! 我が魂に連なるそなたの名は。。。」


翆風の杖(ウィンダリア)


儀式は終了し、ミリーが膝から崩れ落ちる。


いつの間にか炎の結界球は消失し、杖を手に持っていた。


柄の部分は、元の杖の形状を残す滑らかでシンプルな円柱形をしていた。丁寧に磨き上げられたその表面は、長年の使い込みによって渋い光沢を帯び、手に吸い付くような温かみを感じさせる。それは、この杖がミリーと共に過ごしてきた歳月を無言のうちに語りかけてくるようだった。


そして、視線を柄から先端へと移すと、ここだけ真新しい青銅と銀が複雑に絡み合い、渦を巻く風と雲を模した意匠が、一つの巨大な宝玉を抱きかかえるようにして台座を形成している。


その中心に座するは、大人の握り拳ほどもある風の宝玉であった。うすく光を帯びた結晶は、風の精霊を宿す神秘を凝縮したかのような、深く澄んだ翠緑すいりょく色を湛えている。


「私の杖」


新たに生まれ変わった杖を見て、ミリーはそれをぎゅっと抱きしめる。


ナージャはその姿を見て頷き、

「これから、その杖を使いこなすために修行を行うぞ」


アインの修業に加えて、見習い魔女の修練が始まる。



新たな力を手に入れたミリー。

次は、アインたちのその後のお話です。

新技は会得できるのでしょうか。

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