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転生したら、守護霊でした  作者: じ・お。
一章 少年との出会い

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火蜥蜴の巣

やっと、目的地の麓にたどり着いたミリーとリタ

火蜥蜴の巣へ向かいます。


その後の旅は順調と言えた。


数度の魔物との遭遇はあったものの、初めの油断や慢心はなく上手くかわしながら進むことが出来た。


大角ビッグホーンとよばれるバッファローのような牛型の魔物の群れに遭遇したり、草地の竜や

動く丘とも呼ばれる緑青大蜥蜴ブロンズウォーカーの巨大さに唖然とさせられたりしたが、こちらから攻撃しない限りは、おとなしい魔物で、なんとかやり過ごすことが出来た。


そうして、目的地である火山の麓までたどり着くことが出来た。

そこには宿場町があり、この地の名物である温泉目当ての湯治客で賑わっていた。

あらぬ方向からやってくる馬車に町の人は驚いて、その旅人が2人の女性であることにさらに驚いた。


「あんたら、草原を突っ切ってきたんかい? そりゃあ難儀だったねえ」


草原地帯は魔物が多く生息しており、危険なため普通は通る人がいないそうだ。

草人との交流はめったになく、巡回商人の商隊くらいしか通らないという。

温泉目的の客は、麓の山沿いに敷かれた街道を通ってくることが一般的なんだそうだ。


そして、その街道もこの町が終点でここから先は未開の土地が続くという。


「温泉かあ」


年頃の女性だけあって興味津々の二人。


「用事が終わったら入るのも悪くないわね」

「終わってからの楽しみが増えたね♡」


キャッキャと笑いあいながら今日の宿泊を決める。


風呂は魔法でも済むが、温泉はその効能もあってかこの世界でも人気があった。

この辺の温泉は、ナトリウムが豊富でヌルっとした泉質だという。

美肌になるという謳い文句がそこいら中に書かれていた。


ここからは馬車が通れないため山登りとなる。

火蜥蜴の巣は温泉浴場の先にあり源泉地になっている。


そこまで行く客は滅多にいないため貸し切り状態だという。


「さあ、行くわよ!温泉!」

「楽しみだね!美肌!」


当初の目的をそっちのけで張り切る二人。

道なりは緩やかな坂道が続いた。

途中までは温泉浴場までと同じため、これから温泉に向かう家族や友人、恋人と思われる男女などが行きかう。


物々しい格好で場違いな感じの二人は明らかにその場の雰囲気から浮いていた。


温泉浴場との分かれ道からはかなり険しい山道となる。

急な坂道や岩場を上り、


「温泉♪ 温泉~♪」

「美肌♪ 美肌~♪」


と掛け声をかけながら登る二人は、もう目的が何だったのか忘れてしまったように見えた。


そうこうしているうちに、目的地に着く。


途中で転んだり、温泉が噴き出した泥をかぶったりと、大変な目にあったが魔物などには合わず、ただへとへとに疲れただけで済んだ。


目を輝かせて『温泉!』と叫ぶ二人の目の前には、源泉地を占拠している大量の火蜥蜴がいた。


その数は、小さくもない温泉の池が埋まるほどで、ざっと見た感じ千匹はいるようだ。

いきなり大量の小さな生物が群れを成している光景を、二人はぞっとして見る。


「うわぁ」

「。。。」


さっきまでのテンションが嘘のように、潮が引いたさざ波に変わる。


「1匹でいいんだっけ」

「これだけいたら、数匹くらい取っていっても大丈夫そうですね」

何かで入り用になるかわからないので余分に取っておきたいそうだ。


「魔法生物なんてどうやって捕獲するんだい?」

冒険者だが魔法使いではないリタは、その方法を知らなかった。


「えーと、同じ火の結界魔法で捕まえて、この容器に入れるんです」

と小さな小瓶を見せる。


「そんな小さいのに入るの?」


火蜥蜴は生物というよりも火の精霊に近く、半透明で蜥蜴の形を模した炎に見えた。

ミリーが見せた小瓶は手のひらに収まる大きさで、目の前にいる蜥蜴の一匹も収まりそうにない。


「あの子たちは。見た目はあんな感じですが実体が無いんですよ」

「まあ、全くないという訳ではなく、半分こになってる感じでしょうか」

火蜥蜴のような魔法生物は、精霊と肉体の半分ずつの体を持っているため、形や大きさは自在に変化するそうだ。


この小瓶にかかっている、火の結界が見た目だけの体を小さくするのだという。


ミリーが火蜥蜴にそうーっと近づく。


火蜥蜴は普通、触ることが出来ないため天敵というものがいない。

今いる二人は初めての外敵と言うことになる。


火蜥蜴は警戒もせずに近づく少女をじっと見ている。

ミリーは、小さめの火の結界を作り、数匹を閉じ込めた。

それに驚いた火蜥蜴たちは、一斉に散り散りになりすうっと周りの景色に溶けるように消えた。


「いなくなっちゃった?」

リタが聞く。


「しばらくすれば戻ってくると思う。あの子たちは一度巣に決めた場所を動かないし、ここがこの辺りで一番居心地が良いんじゃないかな」


捕まえた火蜥蜴を瓶に移しながらミリーが説明する。

手のひら大の蜥蜴が瓶に吸い込まれるように小さくなる。

中には小指の先ほどまで小さくなった蜥蜴が数匹収まっていた。


「じゃあ、温泉はいろうか♡」

「うん♡」


至福の時間にワクワクする二人だった。



火蜥蜴を手に入れたふたり。

次は、ミリーが精霊の試練を受けるシーンです。

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