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いきなり、転生?

事故で生まれ変わって異世界に転生というお約束そのままに、転生先の体にもう魂が入られてしまい、守護霊になった男のお話です。楽しんでいただけたら嬉しいです。

う、眩し。


目を開けるとそこは光の中にいるように明るかった。

瞬きしていると目が慣れてきたようで徐々に周りが見えてきた。


最初に目に入ったのは木製の天井。

乳臭い匂いと柔らかな感触。


どうもベットに寝かされているようだ。

体が思ったように動かない。

唯一、腕だけは自由に動くようで目の前に自分の手をかざしてみた。

小さい手が目の前でにぎにぎしている。


うーん、これはどう見ても赤子の手だよな。

自己認識では20歳過ぎた社会人のはずだが、これって転生したってことなのか?

こういうのはアニメやWEB小説でよく目にするシチュだけど、自分の身に起こるとはなあ。

まあ、こうなってしまったのなら仕方ない、まずは状況を把握するか。

現代日本のオタクはこの程度のことは想定内なのだ。。。若干混乱してるか。


まずは自分のことから思い出してみよう。


あれ?


名前が思い出せない。

なんとなく、20歳以上社会人男性ってところまでは思い出せたけど何をしてきたのか、この状態になる直前はどうだったのか一切覚えていない。

少しパニックになりかけたところ。


「あら、今日はおとなしいのね」


若い女の声が聞こえた。

美しい女性の顔が覗いている。


うっわぁ美人さんだあ


亜麻色の髪と青い瞳。

西洋風の顔立ちに、微笑んだような少し垂れ気味の目に幼さを残す。

彼女いない歴=年齢の身としてはホケーと見惚れてしまう。


この人が俺のママン?


キモオタっぽい感想で心をキュッとさせてじっと見つめる。


「そろそろお乳の時間ね」


その言葉の内容に、どぎまぎしてしまう。

いや、奥さんそんなダメっすよ。拙者、心の準備が。

一般DTの葛藤など知らず彼女はするすると胸をはだけ。。。


バチン!


急に弾き出された。

一瞬視界が定まらず混乱したが、大きな声で鳴く赤子の声を耳にして状況を理解した。


転生じゃなかったんかーい


どうやら、転生先の体(と思っていた)には先客がいたようだ。


「あらあら、どうしたのアイン」


この赤子の名はアインというらしい。


そりゃそうっすよね。

20歳過ぎのオタクがこんな美人なかあちゃんの子供に転生とかないわなぁ。

といじける。


現代日本人男性の倫理観が邪魔するのか、授乳している彼女から目をそらしながら、ふと思う。


それにしても、今の状態はどうなってるんだ?

体は霧のようにぼんやりして人の形を模しているようだけど不確かで頼りない。

まるで幽霊のような容貌に顔をしかめるが、表情に出るはずもなく。


これ、もしかして背後霊的な何かになったってことかな。。。

ひとまず、他の所を見てみるか。


そう思い、その場を離れようとするが数メートルも進まず引き戻させられる。

ものを触ろうとしても素通りするだけ。

一通り試したが、その場でふわふわ浮いていること以外にやれることが無い。


これは、やはり、あの子の背後霊になったのが正解かもしれない。

うーん、自由に移動も出来ない、触れることも出来ないとは。


赤子の動画を延々と見せられているような状況に、やるせない気持ちになった。


「ただいまぁ」


誰か来たようだ。


「おかえりなさい」


「帰ったぞ、アインいい子にしてたか?」


どうやら、この家の主人が帰ってきたみたいだな。


母親の容貌から西洋のどこかかと思ったが、おそらく父親だと思われる男の肌は浅黒く日焼けしており、どこの国の風貌とも似つかないことに違和感を覚えた。


顔はワイルドでなかなかのイケメンなんだが、どこか違和感が。。。ん?

よく見るとその耳は人の耳より少しだけ尖っており、映画で見た亜人のようにも見えた。


今更気づいたがここって異世界か?

異世界転生(仮)ってこと?

視界に入る家具や敷物はレトロな感じでいい趣味してるなあと感じる程度だったが、これがこの世界の一般的な生活様式だとしたら話が違ってくる。


異世界、異世界だと? 

ならあれだ、お約束のチート能力とかあるはずだよな。な?


そう思って試してみようと、ふわふわした体でわちゃわちゃ動いてみたが特に何もなく。

一通り何もないことが分かってからは体育座りの恰好で赤子を見てた。


それにしても、この子、かっわいいなあ。

金色の柔らかそうな髪に青くつぶらな瞳。

耳が少し尖り気味なところは父親からか。

男の子っぽいけど、きっと成長したら相当ないい男になるんだろうな。

転生先だったかもしれない、本体を眺めながらありもしない妄想を膨らませる。


ん?


赤子の目がこちらを向いている。

ふわーっと移動すると視線も追ってきた。


もしかして見えてる?


猫や赤子って何もない所をじっと見てることあるらしいから、俺みたいなものも見えてるのかな。


それにしても、これからどうなるんだろ。

これから先、ずっとこの子を見てるだけなんだろうか?


赤ちゃんや動物の動画を見て癒されるって人は多いけど、生憎自分はそういうの興味無いのよね。

動画もその手のは避けて来た方だし。


と、ぼんやり眺め続けていたら。


。。。かわいい


え?赤ちゃんてこんなかわいいの?

くりくりの瞳がこっちを見てる。

時々、顔をくちゃっとさせて笑う。

笑い声はキャッキャと楽し気で聞くものを楽しくさせる。

悲しい時はこちらまで哀しくなるような感情を爆発させておろおろさせる。


子供って感情を表現するのが本気なんだ。


今までの価値観が崩れていく。

なんだか今まで感じたことのない感情が湧き上がってくる。


俺、この子をずっと守り続けよう。

何が起こってもこの子が幸せに生きていけるように全力を尽くそう。


何でこんなことになったのかって嘆いてもみたけど。

きっとこうなることが運命だったんだ。

守護霊としてずっと見続けるんだ!


。。。何もできないけど。



思いがけず赤子の守護霊としてなってしまった主人公。父性のような感情が芽生えて赤子を守る決意をします。見てることしか出来ない頼りない存在で彼は何を成すのでしょうか?

ここから始まる、少年と守護霊(自称)の冒険をお楽しみください。

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