表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/44

万博の怪人(9)

避難するよう三輪さんに言いつつ、にゅうめんマンは、実際にミョクミョクが例の突進をしてきた場合にどうすべきかを一瞬の間に考えた。今のにゅうめんマンにはあの高速のタックルをよけるのは難しいし、防御できる自信もない。結局正面から迎え撃つのが一番ましと結論し、今にも飛んで来るかもしれないミョクミョクの攻撃に備えた。


そして次の瞬間、にゅうめんマンの予測どおり、ミョクミョクはさっきの奥義の強化版を繰り出した。


「奥義 スーパー百々目鬼(どどめき)ストライク!!」


にゅうめんマンもヤケクソ気味に奥義を繰り出して迎え撃った。今しがたにゅうめんから摂取したすべてのパワーをつぎ込んだ全力の体当たりだ。


「即席奥義 妖怪調伏メガトンチャージ!!」


ミョクミョクは例の超加速をしながら突進し、同じく体当たりで応戦するにゅうめんマンに途方もない速さで激突した。この世の終わりみたいな激しい衝突の後、にゅうめんマンの体は地面に転がり倒れた。


あお向けに倒れるときに頭を打ち一瞬視界が暗転したものの、にゅうめんマンの意識ははっきりしていた。気を失わなかったのは幸いだろう。だが——


《……体が動かない》


体がまったく動かなかった。ミョクミョクの体当たりが生み出す衝撃は、体がたえられる限界を超えていたのだ。動けないにゅうめんマンはただ、目の前に広がる青空を見上げるばかりだった。


《俺は負けたのだ》

 にゅうめんマンは思った。


体が動かないのだからしかたがない。にゅうめんマンは観念して敵がとどめを刺しに来るのを待った。


ところが、そこへやって来たのはミョクミョクではなく三輪さんだった。


「にゅうめんマン!」


三輪さんの呼びかけに、にゅうめんマンは弱々しく答えた。

「逃げてください……」

「大丈夫です。ミョクミョクは完全に伸びています」

「……」


にゅうめんマンには知りようがなかったが、ミョクミョクも激突の衝撃にたえられずダウンしていたのだ。この世の終わりみたいなさっきの衝突を考えれば無理もないかもしれない。


三輪さんはにゅうめんマンの様子を短く観察してから、かばんに手を入れ、2本目のにゅうめんシェイクを取り出した。


「飲めますか」


にゅうめんマンは黙って口を開けることでそれに答えた。三輪さんは、のどにつまらないように気をつけながら、にゅうめんマンにシェイクを与えた。


やがて、シェイクのおかげで、にゅうめんマンは一応立ち上がれるだけの力を取り戻した。いつだって、にゅうめんはにゅうめんマンを裏切らないし、にゅうめんマンもまた一度としてにゅうめんを裏切ったことはなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ